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【使用】と【利用】の違いとは?意味の違いと使い分けを著作権・契約などの法律から学ぶ|【活用】との違い英語も

先生
先生
さて、この前の宿題のプリントはしてきましたか。
それが先生、燃えてしまいました…。
トラウマウサギ
トラウマウサギ
先生
先生
一体何があったら宿題が燃えるんですか…。
実は、お鍋のフタの代わりにプリントを使用しまして…。
トラウマウサギ
トラウマウサギ
先生
先生
おや、フタの代わりにプリントを利用したのですか。ホォー…。
せ、先生、そういえば「使用」と「利用」は何が違うんですか?
トラウマウサギ
トラウマウサギ
先生
先生
いいところに気がつきましたね!
先生
先生
君の「使い方」は厳密にいうと間違いです。2つの意味で間違ってました。
ひぇ。
トラウマウサギ
トラウマウサギ

 

 

【使用】と【利用】、どちらも「使うこと」ですが、違いは何でしょうか。

【使用する】【利用する】のように、どちらも動詞にして使うこともできます。

今回は、そんな【使用】と【利用】の違いを見てみましょう。

 

【使用】と【利用】の意味の違い

日本人も何気なく使い分けしていますが、【使用】と【利用】には実は意味の違いがあります。

使い分けの決まりを見ていきましょう。

 

【使用】の意味と例文

ある目的のために物を役立てること。

その物の機能を生かすとき使う

人が対象の場合、働かせる、なにかをさせること。

「クーポンを使用する。」

「この券は、使用期限が過ぎている。」

「スマートフォンは、今やみんなが使用するツールだ。」

 

【利用】の意味と例文

既にあるものを役立てること。

その物の機能を生かすとき、本来の使い方以外で使うとき。

人が対象の場合、利益のために動かすこと。

使用方法が特定されていない(不特定多数である)

「ご利用中の契約内容を変更します。」

「マスク入れとしてご利用ください。」

「彼の優しい心を利用するようなマネをするな。」

 

例えば・・・

冒頭の例文を見てみましょう。

「宿題のプリントを鍋のフタ代わりに使用した」は、宿題以外の機能で使っているので間違い

「宿題のプリントを鍋のフタ代わりに利用した」が正しいです。

以下のような使い方なら、どちらも正しいです。

「毎日地下鉄を使用する。」

「毎日地下鉄を利用する。」

「GOtoトラベルを使用して旅行に行った。」

「GOtoトラベルを利用して旅行に行った。」

【使用】は、その物の正しい使い道のとき使い、そうではないときには使えません。

「輪ゴムをヘアゴムとして使用した。」×

「輪ゴムをヘアゴムとして利用した。」

また、【利用】は、その人の「利益」にならない場合には使えません

「借金の額を利用して…」→意味が通らない

 

駐車場は利用?使用?

たまにある質問「駐車場は【使用】ですか?【利用】ですか?」

答えは、どちらも正解です。

「駐車場を使用する。」

「駐車場を利用する。」

本来、駐車場とは駐車目的でつくられたものであるため、【使用】が正しいです。

が、駐車場に関しては、「自分の車かどうか」も使い分けがされることがあります。

【使用】…自分の駐車場

【利用】…コインパーキングや病院、スーパーなど、使う人が不特定多数の駐車場

「マンションの指定の駐車場をご使用ください。」

「ホテル地下は駐車場ですので、ご利用頂けます。」

 

【使用】と【利用】の違いは、英語訳すると分かりやすい!?

英語訳を見ると、より【使用】と【利用】の違いは分かりやすくなります。


【使用】

use/~を使う

employ/人を働かせる

【利用】

use/~を使う

utilize/利益を生むために用いる

【利用】は、特に人に使う場合、ネガティブな印象ですね。

「社長は失業者たちを集め、使用した。」

「社長は失業者たちを集め、利用した。」

【使用】したなら雇ったという意味ですが、【利用】したなら何か自分の利益のために、という印象になります。

とはいっても【使用】も、人に使ってあまり良い印象はありません。

日常会話では、「使用」も「利用」も人に使わないほうが良いでしょうね。

 

著作権の法律についての【使用】と【利用】とは

【使用】と【利用】の違いは、「正しい使い道かどうか」で使い分けされます。

が、「正しい使い道」をどこまで定義するかによっては、使い分けが難しい場合もあります。

【使用】や【利用】をしっかり使い分けているものといえば、著作権法があげられます。

著作権法の一部を例に見てみましょう。

第三十条 著作権の目的となっている著作物は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用することを目的とするときは・・・
第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。

著作物(誰かが作ったもの)の【使用】とは、本を読んだり、音楽を聴いたりということ。

著作物の【利用】とは、これらを複製する、論文やメディアで使うこと。

著作権の法律上では、【使用】と【利用】は明確に線引きされているんですね。

 

【使用】【利用】【活用】の違い

 

【活用】の意味と例文

便利に使うこと

本来の目的の中でその能力・ポテンシャルを最大限に活かして使うこと

英語:practical, use, utility

「空き地を子どもの遊び場として活用する。」

「このシステムは、最新技術を活用しています。」

動詞の「活用」のように、「変化(conjugation)」という意味もあります。

 

例えば・・・

①「空き地を遊び場として使用する。」

②「空き地を遊び場として利用する。」

③「空き地を遊び場として活用する。」

3つの違いはなんでしょうか。

①は、空き地を使うということ。

その中には、もともと空き地は遊び場に適しているという書き手の印象が存在します。

②は、空き地は本来遊び場ではないけれど、という意味も入ります。

③は、もともと空き地は遊び場としてのポテンシャルを持っていたというイメージです。

トラウマウサギ
トラウマウサギ
うーん…微妙な違いですねぇ…。
はい。正直細かな違いを話している人が意識していることは少ないので、絶対ではありません。
先生
先生

 

まとめ

  • 【使用】と【利用】【活用】の違い

【使用】は、その物の本来の使い方のとき。また人を雇って働かせているとき使う。

【利用】は、その物の本来の使い方+本来の使い方以外でも使える。発言者の利益があるときに使える。

【活用】は、その物の本来の使い方でその能力・ポテンシャルを最大限に活かして便利に使う。

  • 著作権法から見る違い

【使用】は、著作物を見たり、読んだり、聞いたりすること。

【利用】は、著作物を引用したり、他に配信したりすること。

 

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