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第□章 ※either killed жe♪ 学級裁判編Ⅱ

 

(前谷君が交換したのは、山門さんの部屋のカラス時計。その言葉に、みんな困惑した様子だった。)

 

(黙って みんなの言葉を待っていると、隣の天海君が口を開いた。)

 

「実際に捜査時間にハト時計があったのは、ローズさんの部屋っす。前谷君、とりあえず…1から詳しく話してくれないっすか?」

 

「はい。あれは自分がブラジリアン柔術を志した頃の話です…」

 

「おい、どこから話そうとしてやがる。」

 

「そんなボロボロの昔話してる時間はないと思う。」

 

「す、すみません。えっと、ブラジリアン柔術を志した自分は、この国の人が南米で育てた格闘技に感銘を受け、南米について徹底的に調べたんです。」

 

「だから、昔話なんざ どーでもいい!時計を交換したって話だろ!」

 

「黒いカラスは南米にいないんですよ!」

 

「あ?」

 

「調べた話ですが…南米には真っ黒なカラスはいないんです。アヌーとかウルブーとか黒コンドルはいますが…。黒いカラスは、それだけ不吉なんです。」

 

「ああ…確かに、真っ黒なカラスは見なかったっすね。」

 

「今日、白銀先パイから山門先パイの部屋の時計がカラスだと聞き、病床でカラスの声を聞くなんて余計 体が悪くなると思って…。」

 

「も、もしかして、それで時計を交換しようと思ったの?」

 

「はい…。白銀先パイの『今 自分にできることをしろ』という言葉に背を押されて。」

 

(……あれは、そんなことをしてもらうために言ったわけじゃないんだけどな。)

 

「前谷君は山門さんの部屋の時計と交換した。でも、捜査時間、ハト時計はローズさんの部屋にあったっす。」

 

「うん。山門さんの部屋の時計は、変わらずカラスのままだったよ。」

 

「不思議ねぇ。」

 

「前谷、テメー…嘘言ったら一発で疑われるんだからな?分かってんのか?」

 

「嘘じゃないんです!本当に、自分は山門先パイの部屋に行き、そこで時計を交換したんですよ。」

 

「あれ?でも、つむぎお姉ちゃんと前谷お兄ちゃん、一緒にいたんだよね?別行動になったってこと?」

 

「あ、それは…白銀先パイが お疲れで眠ってしまった間に…」

 

「えっ!?どういうこと!?」

 

「事件前後の時間、白銀先パイと自分は自分の部屋にいて、白銀先パイは自分の看病をしながら寝てしまったんです…。」

 

「……は?お姉ちゃん?」

 

(妹尾さんが凄い形相で こちらを見た。小さな体なのに、だいぶ迫力がある。)

 

「あ…ははは。つい、寝不足がたたって…。夕神音さんの歌も聴こえてて…いい気持ちで…。」

 

「あらぁ…。……私、今回は子守唄 歌ってないわよぉ。」

 

「子守唄じゃなくても、心地よい歌声にリラックスしたからだよ。」

 

「……男の部屋でリラックスしすぎるのは どうかと思うっす。」

 

「光太クンだったから良かったけど…女の子は もっと気をつけた方がいいよ。」

 

「ぜ、善処するよ…。」

 

「で、デカブツは その間、好き勝手できたってことだな?」

 

「な、何 言ってるんですか!?指1本 触れてませんよ!!」

 

「そういうことを言ってんじゃねー!!」

 

「その間にハト時計交換?でも、誰か部屋にいた?」

 

「それが…ドアをノックしても物音がなくて…。ドアの鍵が掛かってなかったので、お邪魔して時計を交換して出たんです。」

 

「……。」

 

「……。」

 

「女の留守宅に侵入してんじゃねーー!!」

 

「ええ!?」

 

(郷田君の怒声に、前谷君が焦った顔を浮かべた。そして、心底 驚きの表情で、こう言った。)

 

「でも、白銀先パイが、女性も そんな気にしないって…!」

 

「……。」

 

(まずい。わたしも人の部屋に勝手に入るのは どうかと思うけど…何はともあれ、わたしのせいらしい。)

 

「つむぎお姉ちゃん。」

 

(不穏な空気を放ちながら、妹尾さんが こちらを見た。)

 

「お姉ちゃんの価値観を女子全員の総意にしないで。それこそクソデカ主語でしょ?」

 

「あたしが男だったら、お姉ちゃんみたいなボヤボヤプリン、すぐ食べちゃうんだからね!」

 

「え…あ、はい。すみません…?」

 

 

「ええと…。それで…結局、どういうこと?」

 

「前谷君は山門さんの部屋のカラス時計を入れ替えたつもりで、ローズさんの部屋のカッコウ時計と入れ替えてしまった…ということかしら?」

 

「光太クンが撫子とローズの部屋を間違えたってこと?確かに、2人は隣同士だったけど。」

 

「間違えるはずないですよ!廊下1番 奥の部屋が山門先パイの部屋ですよね?自分は山門先パイの部屋に勝手に入って、勝手に時計を交換しました!」

 

「時計が進んでいたのは、おそらく…自分のハト時計を壁から外す時、落としたからでしょうね。」

 

「胸を張ってんじゃねー!!」

 

「でも…郷田クンが山門サンの部屋で見た時計も進んでた。これは一体どういうこと?」

 

「…白銀さん。」

 

「……郷田君が見た時計は時間が進んだ時計。でも、それは捜査時間にはローズさんの部屋にあった。」

 

「そして、郷田君が訪問した部屋にいたのは、ローズさん。だとしたら、可能性が高いのはーー…。」

 

 

1. 犯人がハト時計を移動させた

2. 事件前に郷田たちが訪ねたのはローズの部屋

3. 犯人が時計の時間を変えた

 

 

 

「根拠はーー…なさそうっすね。」

 

(……さすが、よく見てるね。)

 

 

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「郷田君が事件前に訪ねた部屋は、山門さんの部屋じゃなかったのかもしれないよ。」

 

「ああ!?」

 

「…何が言いたいの、つむぎ?」

 

「郷田君がローズさんと会ったのは、事件前に訪問した部屋は…ローズさんの部屋だったんじゃないかな?」

 

「ええ?どういうこと?郷田お兄ちゃんが部屋を間違えるバカって話?」

 

「バカで悪かったな!だがオレは確実にヤマトナデシコの部屋に入った!1番 奥の部屋だろ!」

 

「…郷田君だけじゃなく、前谷君が入った部屋もローズさんの部屋だった。白銀さんは、そう言いたいんすね?」

 

「ええ!?じ、自分も、1番 奥の部屋に入りましたよ!」

 

「そう。でも、実際に前谷君が入れ替えた時計はローズさんの部屋にあった。」

 

「いくら部屋数が多いからって、間違えようがないわぁ。」

 

「うん。山門サンの部屋は隅っこ。廊下の1番 奥で分かりやすい。」

 

「それだよ。山門さんの部屋は、廊下の1番 奥。この情報が大事だったんだ。」

 

(”アレ”を使えば…山門さんの部屋を偽装することができる。)

 

 

 

閃きアナグラム スタート

 

        タ   ー

                                      シャッ

犯                                                              防

 

閃いた!

 

 

 

防犯シャッターを使ったんだよ。」

 

「防犯シャッター?そんなもの…あったの?」

 

「き、気付きませんでした…。」

 

「防犯シャッターは見にくい位置にある見にくい色のスイッチで作動するよ。各部屋の間でシャッターが閉まる仕様でした!」

 

「…それは防犯として どうなの?」

 

「シャッター使ったら何だっつーんだよ。」

 

「あのシャッターは、ホームの壁紙と同じで、真っ白なんだよ。シャッター部分を壁と勘違いしても、おかしくないよ。」

 

 

(よく見ると、各部屋 扉と扉の間に、それぞれスイッチが付いている。かなり低い位置にある上、壁紙と同じで真っ白なので今まで気付かなかった。)

 

「お…押してみようか?」

 

「…トラップかもしれませんよ?」

 

「でも、モノクマが『ホームは安全』って言ってたよね。」

 

「そ、そうですが…。」

 

(少し躊躇いを見せる山門さんに「大丈夫」と頷いてスイッチを押す。と、天井から白い壁が降りてきた。)

 

 

「山門さんとローズさんの部屋の間の防犯シャッターを降ろしたら、ローズさんの部屋が1番 奥に見えるよね。」

 

「そっか。廊下の1番 奥。ボクらは、撫子の部屋を そう認識していたから…。」

 

「オレが入ったのは…1つ手前のチャイナ女の部屋ってことかよ。」

 

「自分が入ったのもローズ先パイの部屋ってことですか?…あ、だから死体発見まで山門先パイの部屋前の大きい花瓶がなかったんですね。」

 

「山門さんの部屋前の大きい花瓶はシャッターで隠れてたんすね。」

 

「で、でも、防犯シャッターなんて…誰も知らなかったんじゃないかな?」

 

「…つむぎは知ってたの?」

 

「あ、うん。このステージに来た次の日に、モノクマに教えられて。」

 

「男性陣が外の探索、女性陣はホームの探索をした日っすね。」

 

「そう。わたしと…山門さんも一緒にいたよ。」

 

「そうそう。シャッターについて教えたのは、白銀さんと山門さんだけ。」

 

「えっと…犯人はシャッターを閉めたんだよね?」

 

「この中でシャッターについて知っていたのは…白銀さんだけってこと?」

 

「え。」

 

「ちょっと待ってよ!また唐突に つむぎお姉ちゃんを疑う!」

 

「シャッターについては、山門さんが犯人に話した可能性もあるっす。他にも、シャッターに気付いた人間がいた可能性もあります。」

 

「そうだね。それに犯人がシャッターを使ったかどうかも、まだ分からないよ。」

 

「犯人以外、誰がいんだよ。何だって、わざわざオレらにヤマトナデシコの部屋を勘違いさせたっつーんだ。」

 

「そうね…。一体、誰が そんなことを?」

 

「それはーー…」

 

 

▼ローズの部屋を山門の部屋に見せかけたのは?

 

 

 

「…どういうことだ。」

 

「…そういうことだよ。」

 

「つまり、ふざけてるってことだな?」

 

 

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「ローズさんだよ。郷田君の部屋にいたのは彼女なんだから。自分の部屋を山門さんの部屋と見せかけて郷田君を迎え、山門さんになりすましたんだよ。」

 

「ローズさんが?」

 

「何で、あいつが そんなことするんだよ!?」

 

「そんなことをして…ローズさんに得がある?」

 

「もしかして、ローズお姉ちゃんが山門お姉ちゃんを殺したの…かな?」

 

「ローズさんは人を殺したり…するかもしれないけど、仲間を殺したりしないわ。」

 

「……。」

 

「そうです。山門先パイと仲が良かったローズ先パイが、そんなこと…。」

 

「でも…殺人でも目論んでない限り、そんな偽装しないよね?」

 

「…もし、そうだとしたら。先に撫子が殺された。そして、ローズを殺した犯人が この裁判で導き出すべきクロってことだけど…。どうかな、つむぎ?」

 

「……それは、まだ分からないよ。」

 

「何にしても、ローズさんは山門さんの死に関係しているはずっす。」

 

「…うん。ローズさんは何かを知っていた。もしかしたら…ローズさんの死体に何らかの情報があったのかもしれないよ。」

 

(ーーそう。ローズさんの死体を発見した時、まず…”アレ”が目に入った。)

 

「ローズさんの死体…あの部分に、何か情報があったのかもしれない。」

 

 

1. 右手

2.

3. スカートの中

 

 

 

「その部分に注目する気持ちは分かるけど…それは今 関係ないよね。」

 

(分かるんだ!?)

 

 

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「右手…発見直後、ローズさんの拳は右手だけ握りしめられてたよ。文字通り、情報を握っていたのかも。」

 

「ローズさんは”世界の秘密”の紙を握ってたっすからね。けど、捜査時間に俺らが調べた時…ローズさん、手を握りしめてなかったっすよ。」

 

「あたし達、先に山門お姉ちゃんの方を調べてたもんね。」

 

「私と郷田君が調べた時も、そうねぇ。ローズさんの右手は開いていたわ。」

 

「…そうだったか?」

 

「……つむぎが”世界の秘密”を見つけた時にローズの手に触れたんじゃないの?」

 

「…ううん。わたしは右手から はみ出していた紙を抜き取っただけだよ。それ以外、しっかり見てなかったんだ。」

 

「…そう。」

 

「じゃあ、死体の状態を誰かが変えた…?」

 

「…捜査時間、ある人が死体を確認した後、握りしめられた右手が開かれてた。きっと、その人はローズさんの手にあった情報を掴んだんだよ。文字通り。」

 

 

▼ローズの情報を握る者は?

 

 

 

「どうして、その人が情報のオニギリを握ったの?」

 

「情報のオニギリって何!?」

 

 

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「前谷君。あなたが捜査時間にローズさんの手から何かを抜き取ったんだよね?」

 

「えっ、白銀先パイ、気付いてーー…!…あ!」

 

「デカブツ、テメー!マジなのか?」

 

「うう…。白銀先パイ、気付いてたなら言ってくれたらいいのに…。」

 

「……。」

 

「捜査時間中は気にしてなかったよ。でも、後から考えたら、様子が おかしかったからね。」

 

 

「たとえ受身を取得していない人でも咄嗟に手を開いて着くはずですよね?しかも、ローズ先パイほどの人ならーー…」

 

(彼は言いながら、握りしめられたローズさんの右手を見て言葉を止めた。)

 

「……。」

 

「どうかした?」

 

「……。」

 

「前谷君?」

 

(呼びかけると、彼は ぎこちない動きで立ち上がった。)

 

「……何か見つけたの?」

 

「いいえ!!何もありませんでした!!!」

 

(ローズさんの手に再度 目を向けると、握りしめられていた右手が いつの間にか開かれていた。)

 

 

「証拠の隠滅?前谷クンが犯人…なの?」

 

「ち、違うんです…!」

 

「光太クン。教えてくれないかな。」

 

「そ、そうだよ!犯人にされちゃうよ!」

 

「か、隠すつもりなんてなかったんです…!」

 

「それなら、どうして一緒に調査していた白銀さんに黙っていたのかしら?」

 

「そ…それはっ…」

 

(彼は視線を泳がせに泳がせた後、ガクリと肩を落とした。そして、懐に手を入れて、)

 

「……ローズ先パイが、これを右手に握っていたんです。」

 

(そう言って紙片を取り出した。)

 

 

「自分が見つけたのは、この手紙です。前のステージの便箋が破られていて…そこに『ハトドケイ』とあったので…。」

 

「太めのペンで書かれてるわねぇ。ハト時計…前谷君や白銀さんの部屋の?」

 

「はい。もしかしたらローズ先パイの最期のメッセージかもしれないと思い…そして、そのハト時計は白銀先パイの部屋にもあることに思い至り…」

 

「それがダイイングメッセージで、つむぎが犯人だと思ったんだね。」

 

「え。」

 

「ちょっと!ま、また、つむぎお姉ちゃんなの?疑われすぎだよ!お姉ちゃん!」

 

「そんなこと言われても…。」

 

「ぶひゃひゃひゃひゃ!『今回は』白銀さんも、たくさん容疑者になれてるね!おめでとう!」

 

「……。」

 

「でも、それが本当にダイイングメッセージなら…ハト時計を持っている人が犯人ってことじゃない?」

 

「じ、自分は犯人じゃありません!」

 

「えーと、わたしも違うよ…。」

 

「じ、自分も最初は白銀先パイを疑ってしまいました。それで、先パイに見せることができなかったんです。」

 

「白銀さん以外には見せることもできたはずっす。それもしなかったのは どうしてっすか?」

 

「じ、自分も最初は白銀先パイの目を盗んで他の先輩方に見せようと思っていました。」

 

(不自然に わたしから遠かったのは、そのせいか。)

 

「でも…ローズ先輩の部屋でハト時計を調べた時、気付いたんです。このメッセージの本当の意味に。」

 

「本当の意味?」

 

「何だ、そりゃ。」

 

 

「このメッセージはダイイングメッセージなんかじゃありません。ラブレターなんです。」

 

「え。」

 

「………。」

 

「………。」

 

「テメー…ふざけてんのか?」

 

「ふざけてなんていませんよ!たぶん、ローズ先パイは、死の間際に大切な人に想いを伝えたかっただけなんです!」

 

「どういうこと?」

 

「ローズ先パイの部屋の時計の中に、郷田先輩へのメッセージが残されていたんですっ!」

 

「ハア?オレに?」

 

「これです!」

 

(全員が呆気に取られる中、構わず前谷君が掲げた紙は、前回のステージにあった封筒。クシャクシャになった そこに鉛筆で書かれた几帳面な字は…)

 

「『郷田くんへ』…?」

 

「ああ?何でオレ宛てだ!?」

 

「死を前に異性にメッセージ。愛…なんですよ…。」

 

「恋愛脳すぎない?」

 

「ええ!?自分は妹尾先パイの言動を参考にーー…」

 

(言いかけた前谷君が妹尾さんに睨まれ言い淀む。)

 

「…あ、あの、捜査時間に見つけて…みなさんの前で大声で言い放つこともできず…。」

 

「そういや、テメー。オレに ごにょごにょ何か言いかけてたな。」

 

「前谷君、中は何と書いてあるんすか?」

 

「えっ。分かりません。郷田先輩への手紙ですから。」

 

「真面目かな?」

 

「真面目すぎるが嫌いじゃない。」

 

「チッ…。さっさと読み上げろ。」

 

「ええと…『郷田くん、突然のお手紙にこんなことを書いて驚かせて申し訳ありません。これは わたしの自殺です。』…」

 

(封筒から紙片を取り出した前谷君は全員へ手紙を見せた。宛名と同じく鉛筆で書かれた丁寧な筆跡だ。)

 

 

「それの どこがラブレターなの?」

 

「違いました!!」

 

「つーか?何だ、そりゃ。オレは知らねーぞ。」

 

「クシャクシャだし、便箋も破られてるわねぇ。」

 

「ラブレターじゃなくて、遺書のよう。」

 

「ローズ先パイは自殺したってことなんでしょうか。」

 

「えー?また こういう展開?そろそろスイサイドパレードも飽きてきちゃったよー!」

 

「……。」

 

「…これ、ローズさんが書いたとすると…おかしくないっすか。」

 

「そうねぇ。おかしいわ。」

 

「うん。おかしいね。」

 

(おかしいのは、明白か。)

 

 

1. 筆跡が違う

2. 人称が違う

3. 筆記用具が違う

 

 

 

「何がおかしいんですか?筆跡ですか?人称ですか?筆記具ですか!?」

 

「……全部だよ。」

 

「この郷田君へのメッセージの筆跡と、ローズさんが持っていたという『ハトドケイ』の筆跡は明らかに異なるっす。」

 

「ローズさんは郷田君のことを『郷田くん』なんて呼ばなかったわぁ。」

 

「それに、『ハトドケイ』と書かれているのはペンだけど、『郷田くんへ』の方は鉛筆で書かれているよね。」

 

「でも実際ハト時計に、このメッセージが入ってたんですよ?」

 

「あと、この手紙…2つがピッタリ同じになる。破った跡が一致するよ。」

 

「そうっすね。けど、これを書いた人物がローズさんじゃないのは、確かっすよ。」

 

「白銀さん。郷田君へのメッセージ、これを書いたのは誰っすか?」

 

「……。」

 

 

▼郷田にメッセージを残したのは?

 

 

 

「お姉ちゃん、手紙 慣れてなさそうだもんね。あたしにも全然 手紙くれないし。」

 

「…そもそも手紙って距離的に離れてる人に書くものだからね。」

 

 

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「もちろん、山門さんだよ。」

 

「ヤマトナデシコが?」

 

「郷田君は山門さんの部屋に お昼を持って行く約束してたんだよね?だから、山門さんは郷田君にメッセージを残したんじゃないかな。」

 

「ええ。それに…これは、山門さんの字っす。」

 

「山門さんの字?」

 

「山門サンの字は、ボク達 知らない。」

 

「そうだよ。前のステージで山門お姉ちゃん、誰にも手紙を書いてないじゃない。」

 

「前谷君、郷田君。前のステージの報告書は山門さんが書いていたんすよね?」

 

「…ああ。」

 

「はい。山門先パイが美しく几帳面な字で書いてくれていました…!」

 

「じゃあ、やっぱり…これは山門さんが残したメッセージなんだね。」

 

「じゃあ、山門さんは自殺ってこと…?偽装じゃなくて?前にローズさんが、組織に不都合な人間は自殺に見せかければいいってアドバイスくれたけど…。」

 

「アドバイスが物騒すぎるよ…。」

 

「筆跡を似せるのは難しいって何かで見たことあるよ?最初の事件みたいに、トレースでもしない限り…。」

 

「プロによる筆跡鑑定があれば、筆跡を変えても別人の字に見せかけるのは不可能らしいね。」

 

「惜しむらくは、ボクらがアマであること。」

 

 

「……。」

 

「とりあえず…山門さんが書いたってことで話を進めてみようよ。」

 

「…そうだね。違っていれば、何か矛盾が出てくるはずだよ。」

 

「その遺書が本物だとすると、山門さんが書いた遺書をローズさんが自室のハト時計に隠したことになるっすね。」

 

「しかも、一部を破って『ハトドケイ』と書いた紙片を持ち、俺たちに それを知らせた…。」

 

「どうして…そんなこと?」

 

「ローズさんは山門さんの遺書を読んで、自分の部屋に隠し、山門さんに なりすまして郷田君に会った。」

 

「それが…全てだよ。」

 

 

 

ブレインサイクル 開始

 

Q. ローズが山門になりすました理由は?

1.捜査の撹乱  2.時間稼ぎ  3.悪ふざけ

 

Q. 時間稼ぎは何のため?

1.死体発見アナウンスを鳴らさないため

2.事件の偽装のため

3.商売を上手くやるため

 

Q. 山門の自殺の動機は?

1.大金を稼ぐこと

2.裁判を面白くすること

3.他の人を地下に向かわせること

 

繋がった!

 

 

 

「ローズさんが山門さんの部屋を偽装して彼女に なりすましたのは…時間稼ぎ発見アナウンスを鳴らさないためだよ。」

 

「発見アナウンス…?」

 

「どういうこった。」

 

「ローズさんは自殺した山門さんの望み通り、地下を探ろうとしたんだよ。」

 

「今回の…先に発表された動機っすね。」

 

「死体発見アナウンスまでは、モノクマが地下への監視カメラを見ないっていう?」

 

「3人の死体発見者が出るまでは、地下へ行くことができる。」

 

「うん。山門さんは地下の秘密を探るため、自分が死ぬ計画を立てた。自分が死んで、他の人を地下に行かせる計画だよ。」

 

「それで、第一発見者役の郷田君にメッセージを託したんだよ。でも、実際に郷田君より先に山門さんの部屋に来たのは、ローズさんだった。」

 

「だからローズさんは…郷田君が来るまでに死体を隠す必要があったんだよ。死体発見者を少なくするために。」

 

「でもよ、オレが行ったところで死体発見者は2人だ。アナウンスは鳴らねーだろ。」

 

「天井トラップのせいっすね。あのトラップは、少なくとも2人必要っす。ローズさんは郷田君が誰かとホームに戻ると思ったんすよ。」

 

「そっか。ローズはホームに戻る時、1人で通るのが無理だと分かって、昨日もトラップを通った毅クンは誰かと戻るだろうと考えたんだね。」

 

「でも、それならローズサンは山門サンに なりすますことができないと分かったはず。郷田クン1人じゃなかったら…。」

 

「ああ。オレ以外のヤツがいたら…部屋にいるのはヤマトナデシコじゃねーって気付いただろうな。」

 

「あ。だから、ドアチェーンをしてたんじゃないかな?チェーンを掛けてたら1人しか室内を見ることができないし。」

 

「でも、ローズお姉ちゃんも郷田お兄ちゃんに口で言えばいいじゃない。『死体発見アナウンス鳴っちゃうから、死体あるけど近付かないように』って。」

 

「いや、無理だろ。ンなこと言われたら、絶対 見に行くし、死体を目にしたら怒りに任せて大声を上げる。」

 

「……山門お姉ちゃん、人選ミスだよ。」

 

「前谷君と私と山門さんを発見した時も、大声を上げてたわねぇ。」

 

「怒りの咆哮って感じでした。」

 

「感情的になるのは当然だよ。」

 

「冷静沈着、郷田クンには無理な話。でも、そんなところも嫌いじゃない。」

 

「芥子…。」

 

「ホッコリしてる場合じゃないのー!」

 

 

「…とにかく、ローズさんは山門さんと山門さんのメッセージを見つけて一連の行動を起こし、その後 地下に向かったっす。」

 

「その後、亡くなったのね。」

 

「ということは…ローズ先パイが山門先パイの死体を発見した後に亡くなった…ということですよね。」

 

 

 

ノンストップ議論1開始

 

「つまり、見つけるべきクロは、ローズさんを殺した人。」

 

「そうね。どうして…ローズさんまで…。」

 

「ローズの死亡推定時刻は11時45分から12時15分だったね。でも、ローズは本当に撫子の後に死んだのかな?」

 

「ああ?ヤマトナデシコは自殺で、そのメッセージを見てチャイナ女が動いてたんだろ?」

 

ローズお姉ちゃんが山門お姉ちゃんの死体の第一発見者なんだから、後から死んだって確定だよね?」

 

 

【モノクマファイル2】→11時45分から12時15分

【死体発見アナウンス】→ローズが山門の死体の第一発見者

【廊下の奥の花瓶】→ローズが山門の死体の第一発見者

 

 

 

「ローズさんの仇は取るわ。指を詰めて責任取ってもらいましょう。」

 

(この中にクロがいたら…それどころじゃ済まないんだけどね。)

 

 

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「それは違うっす。」

 

「山門さんが自殺でローズさんがクロじゃない場合、発見アナウンスが おかしいよ。」

 

「え?……あ。」

 

「山門さんを発見したローズさんが第一発見者だとしたら…おかしいっすね。」

 

「うん。わたし達が山門さんの死体を見た順番は、わたし…それから前谷君。」

 

「はい!その後、自分が郷田先輩たちを呼んで…」

 

「私と郷田君が山門さんを見た時、発見アナウンスが流れたわ。」

 

「あ?おかしいじゃねーか。」

 

「ローズが死体の第一発見者なら、光太クンの時点でアナウンスが鳴るはずだよね?」

 

「そう。ローズさん、わたし、前谷君の3人の時点で、アナウンスが流れるはずなのに…郷田君と夕神音さんが来るまでアナウンスは流れなかった。」

 

「つまり……どういうこと?」

 

「……。」

 

「考えられるのは、ローズさんが山門さんの部屋に行った時、山門さんが まだ生きていたか…」

 

「もしくは…ローズさんがクロってことっすね。」

 

(わたしと天海君が言うと、裁判場は また静まり返った。)

 

(みんなの驚きの顔を見つめながら、わたしはポケットの中に入れた便箋を握りしめた。)

 

 

 

学級裁判 中断

 

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