Round. 4 虫の息の容疑者 学級裁判編Ⅰ

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Round. 4 虫の息の容疑者 学級裁判編Ⅰ

 

「やあ、おつかれ。ゲームオーバーになっちゃったね、”虫さん”。」

 

「しょうがないよ。4章あたりでライターが『いつもと違うことしたい!』ってキレ出すの、よくあることだから。」

 

「ーーえ?何?やり直したい?」

 

「キミは実にバカだなぁ。too狂なゲーム会社のゲームじゃあるまいし、そう簡単に やり直せるわけないじゃない。」

 

「ーーま、できるけどね。」

 

「ん?そうそう。できるんだよ。できるというか、できないというか?時を巻いて戻すことはできないけどさ。」

 

「死者の書ってあるじゃん?だから、キミを蘇らせることはできるよ。」

 

「ーーでも、いいの?主人公補正ないと、結構 大変かもよ?ていうか、いきなり裁判編だから かなり大変だよ?」

 

「うぷぷぷ。それでもいいと言うなら先に進みなよ。」

 

 

学級裁判 開廷

 

「………。」

 

(嫌な気分だ。)

 

(裁判場に並ぶ悪趣味な遺影。それが一気に増えている。)

 

(その中でも、一際 背の高い遺影を眺めた。)

 

「獄原…。」

 

「んー…やっぱ、マジで裁判すんのな。」

 

「……何、言ってるんですか?」

 

「だって、モノクマが言ってたじゃん?ゴンちゃんは裏切り者だーって。」

 

「……誰も信じていませんでしたけどね。」

 

「ま、信じる信じないは、演技もできるとして…」

 

「もしもよ?ゴンちゃんがクソゲーの黒幕的なヤツなら、学級裁判とかもなくて平和解散ワンチャンかなって。」

 

「…オメがヤッたっち言い草だべな。」

 

「まさかー!ホントにヤッた人間なら、こんな目立つこと言えねーわww」

 

「…モノクマの罠だったってだけだろ。」

 

「そうだね…。ゴンちゃん、オレらの壁になって、死んじゃったんだね。」

 

「………。」

 

獄原が死んだ。)

 

(殺しても死ななさそうな体躯に恵まれた奴が。)

 

 

「ゴン太は、星君の笑顔も守りたいんだ!」

 

「星君は優しい人だ!星君の優しいところ、たくさんゴン太は知ってるよ!!」

 

「何があったのか、ゴン太からは聞かないよ。話したくないなら話さないで。でも、話したくなったら話して欲しい。」

 

 

(獄原の顔を思い浮かべて、強く手を握りしめていたことに気が付いた。)

 

(俺は まだ、あいつに何も話しちゃいなかったのに。)

 

(人の死に慣れていたなんて…とんだハッタリだ。しかもーー…)

 

「…今回の被害者は3人だったな。」

 

(俺が言うと、その場の全員が頷いた。)

 

「うう…どうして、急に3人も死ぬんですか…!シリアルキラーでも潜んでるんですか!?」

 

「殺人鬼が島内にいた可能性はありますね。最初に発見された焼死体の犯人が分かっていませんから。」

 

「いやいやー、学級裁判なんだから、とりま今回の事件はオレらの中に犯人がいるってことだろー。」

 

「おっ、分かってきたじゃん?そうそう、学級裁判が開かれている以上、知らない人がクロはありないのです。」

 

「クロがオラたつの中なのか…死んだ奴らの中なのかは知らねっけどな。」

 

(全員 顔が青い。……無理もないが。)

 

(ここらで捜査時間に集めた情報を確認しておくか。)

 

 

コトダマリスト

 

【モノクマファイル1】
被害者は、”超高校級の昆虫博士” 獄原 ゴン太。死体発見現場は、秋ノ島 文化エリアの茶室内。数回に渡って殴られた跡がある。
【モノクマファイル2】
被害者は、”超高校級の新聞部” イーストック=ザパド・ユグ・セベル。死体発見現場は、秋ノ島 文化エリアの図書館内研究室。死体は室内奥の椅子に腰掛けていた。後頭部に打撃痕があるが、苦しんだ様子はない。
【モノクマファイル3】
被害者は、”超高校級のゴルファー” 虎林 鞠。死体発見現場は、秋ノ島 文化エリアの図書館と茶室の間の道。身体に外傷はないものの、死体は苦悶の表情だった。
【打撃痕】
獄原は後頭部を中心に多数、イーストックは左後頭部に1か所打撃痕がある。2人の打撃痕は一致していない。
【獄原の胸の下】
獄原の胸の下で色の薄いトンボの死骸が潰れていた。そのすぐ近くに黒いゴミのようなものも付いていた。
【茶室の天井】
獄原が発見された茶室内は床の血痕以外汚れはない。背が低い天井や壁にも傷や血痕などはなかった。
【レモン】
茶室の庭前の道に開いたタッパー2つ落ちていた。捜査時間、虫が集っていた。虎林が作っていたレモンのハチミツ漬けらしいが、甘い匂いは全くしない。虎林の死体からは少し離れていた。
【イーストックの持ち物】
イーストックのポケットには手帳とモノパッド、薬品入りの小瓶が入っていた。薬品はビンに半分ほど残っている。
【イーストックの足の裏】
イーストックの靴の裏にハエのような虫の潰れた死骸が付いていた。
【ゴルフクラブ】
図書館内の壁際に落ちていた。虎林が肌身離さず持ち運んでいたもの。金属部のヘッドに血が付着しており、辺りに大量の血痕が残っていた。
【血の痕跡】
図書館の血溜まりから研究室、図書館外の虎林の死体付近まで、所々 垂れ落ちたような血痕が残っていた。
【死者の書】
モノクマが研究室に用意していた怪しい本。蘇りの薬についての記述がある。
【貸出機の記録】
研究室の薬や材料を研究室外に持ち出せるのは2時間まで。持ち出すにはモノパッドを使った貸し出し手続きが必要。22時過ぎに貸し出し記録が1件残っている。
【医務室の絆創膏】
医務室にあった『傷ピタッ』。その名の通り、どんな傷でも止血が迅速に行える。

 

 

(3人の被害者が出たことで、ほとんど全員バラバラに捜査をした。)

 

(発見現場を調べる時には1人にならないようにしていたから大丈夫だとは思うが…。)

 

(そんなことを考えながら、俺はモノクマファイルを閉じた。)

 

「…被害者は、獄原、イーストック、虎林だったな。イーストックは秋ノ島の図書館の研究室内で死んでいた。」

 

「トラリンは図書館と茶室の間の道くらいにいたよね。めっちゃ苦悶の表情で。」

 

「ゴン太先生は茶室で発見されました。後頭部を殴られた跡があり…血だらけで表情が分からないほど…。」

 

「イーストックさも、左後頭部に殴られた跡があっただな。同一犯だべか?」

 

「しかし、虎林さんには外傷は見られませんでしたね。」

 

「これだけの情報からでも、単純な仮説は立てられるよねー。」

 

 

ノンストップ議論1開始

 

「例えば、トラリンが茶室に行くっしょ?そこにいたゴンちゃんを撲殺。」

 

「ええ!?虎林先生がゴン太先生を…?色んな意味で無理がありません?」

 

「まー、そこはゴルファーの才能とかで?ほら、ゴルフクラブ持ってると強くなれるっつってたじゃん!」

 

「それは精神面の話では?」

 

「んで、その足で、イーちゃんを図書館で撲殺。」

 

「何で そうなんだべ。」

 

「分からんけど、凶器なんてゴルフクラブだけだったじゃん?トラリンがクラブで2人を殴ったのは確定っしょ?」

 

【死体の状態】→クラブを持ってると強くなれる

【医務室の絆創膏】→虎林がクラブで2人を殴った

【打撃痕】→虎林がクラブで2人を殴った

 

 

 

「それは違うな。」

 

「『虫さんが言ってるよ』がないと寂しいね。」

 

「……。」

 

 

back

 

 

 

「そいつは違ぇな。」

 

「獄原とイーストックの打撃痕は どちらも後頭部のものだったが、傷跡の形は違った。」

 

「あ…そ、そうですね!つまり、同一犯ではない可能性が高いですか!?」

 

「ま、場所も凶器もバラバラだから、なくはねーけどww」

 

「他の島ならともかく、秋ノ島だけで起こってんだ。それぞれの死に関係がねっとおかしいべよ。」

 

「犯人が複数でも単独でも、凶器が2つあったのは確かだぜ。」

 

「その内の1つは、ゴルフクラブで間違いないですね。ヘッドに血がついていましたから。」

 

「ゴン太先生とイーストック先生、どちらがゴルフクラブで殴られたんでしょう?」

 

「そりゃ、図書館で死んでたイーストックさじゃねっか?ゴルフ棒は図書館で見つかってんべ。」

 

「それが犯人のカモフラだったら?茶室でヤッちまったブツを図書館にポイ!ってしただけだったら?」

 

「…いや、少なくとも茶室が現場ってのは考えにくい。」

 

「へー?何で?根拠は??」

 

「それはーー…」

 

1.【死者の書】

2. 【貸出の記録】

3.【茶室の天井】

 

 

 

 

「はっ!?まさか…あの茶室は天井が低いですから…獄原さんは天井や梁などに頭を ぶつけたのでは…?」

 

「獄原さんほどの長身なら……って、何ですの、星さん、その顔は!わたくし、真剣に言っ、るんですっがら…!」

 

(やれやれ…女を泣かしちまったか。)

 

 

back

 

 

 

「茶室の天井だ。」

 

「獄原が倒れてた茶室の天井は低かったろ。だが、奴は後頭部を殴られている。」

 

「後頭部の真ん中をパックリいかれてたよね。しかも、何回か殴られてた。」

 

「獄原さんほどの身体の人間の後頭部を狙うには…いささか高さが足りませんね。」

 

「ああ。長いエモノを振りかぶって長身の獄原を殴り倒すには…ちと低すぎる。」

 

「そっか!もしゴルフクラブを振り回そうものなら、壁や天井に傷が付いてサヨナラ敷金まったなしです!」

 

「つまり、犯人は どこかもっと広い所でゴン太先生を殴り、茶室内に運んだということですね!」

 

「ちょっと待ってくんちょ。」

 

「何だ?」

 

「みんなー、準備はいーい?いつもより早い反論ショーダウン、はーじまーるよー!」

 

 

反論ショーダウン 開幕

 

「確かにゴン太さは長身だべ。」

 

「茶室に入るなら屈まなきゃなんねぇくれぇだ。」

 

「だども、茶室には茶室の まなぁがあんでろ?ゴン太さは それに従ったんじゃねっぺか?」

 

「つまり、ゴン太さ、座ってただよ。」

 

「獄原が座っていても、あの高さの天井なら何度か長物を振るえば、血が跳ねるはずだ。」

 

「んだども、血まみれだったのは茶室だけだったでねぇか。」

 

「茶室の周りも、他ん場所にも血は落ってなかっただ。」

 

「どっかから死体運ぶんはキツくねっか?」

 

血が出ないようにする方法がねぇんだかんな。」

 

【医務室の絆創膏】→血が出ないようにする方法がない

【獄原の胸の下】→血が出ないようにする方法がない

【レモン】→血が出ないようにする方法がない

 

 

 

「だべ?そもそも、獄原さの死体さ移動ささせようさ考えさしねぇ。」

 

「さーさーさーさー、うるせ〜ww」

 

(やれやれ…。)

 

 

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「その言葉…斬らせてもらうぜ。」

 

止血の道具なんざ、いくらでも医務室にあるだろ?」

 

「あ!冷えピタ…じゃなくて、グゥピタ…でもなくて、傷ピタ!ですね。」

 

「それを傷の部分に貼ってー、ゴンちゃんを移動させてー、発見現場で取ってー、また殴れば現場を偽装できんね!」

 

「ズルいよね、本家のネタを そのまま持ってくるの。この章、行き当たりばったりで書いてるのモロバレだよねー。」

 

「何を言ってるか分からないモノクマはいつものこととして…ええ!?茶室で さらに殴ったってことですか!?」

 

「可能性あるくね?現場を偽装するならさ。」

 

「っても、他に現場になり得る所とかあるー?マジ思いつかないんだけどww」

 

「茶室を調べていたのは…桐崎と野伏だったな。」

 

「はい…。ゴン太先生の死を…この胸に焼きつけていました。」

 

「ちなみに、茶室の庭では目立つモンは見つからなかったよ。」

 

「茶室が獄原さんの現場でないなら…獄原さんは どこで殴られたのでしょうか。」

 

「……手がかりになりそうなものはあったぜ。」

 

1. 【イーストックの足の裏】

2. 【血の痕跡】

3. 【獄原の胸の下】

 

 

 

「それが手掛かり…?うう…このナゾ、ボクには分かりません。なぜなら英国紳士でも何でもないから。」

 

「英国紳士は関係ないだろ…。」

 

(秋ノ島には至る所に血痕があったが…獄原のものかイーストックのものかは分からねーな。)

 

back

 

 

 

「…そうか。獄原の服には、トンボの死骸が へばりついていた。」

 

「トンボ?あー、秋ノ島に入ってすぐンとこ、池に赤トンボめっちゃいたよね!」

 

「ああ。池にいたのとは、若干 色が違ったがな。」

 

「獄原さんに付いていたトンボは妙に白いですね。あの池には赤と白のトンボがいたのですか?」

 

「オラ、白は あんま見なかったべなぁ。」

 

「赤と白…目立つ赤と隠れる白。三国一の赤兎馬と英国で消えたシルバーブレイズ。これは…何か思い出しそうな…!」

 

「紅白歌合戦だね。」

 

「ああっ!そうだ!ここじゃ見られません!急いで犯人を見つけましょう。」

 

「1人で脱線して1人で戻ってきたww」

 

「つまり、ゴン太先生は秋ノ島の池近くから茶室まで運ばれたってことですよね?」

 

「獄原さんの立派な体躯を運ぶというのは…ここにいる誰もが難しいかと…。」

 

「んだな。岡崎体育でも無理だべ。」

 

「その人、体育が得意な人とかじゃないですからね!?」

 

「図書館にあった台車を使えば運べなくはねーが…。犯人なら避けるだろうな。」

 

「めちゃめちゃ目立つよねー。あれ、爆音撒き散らしながら移動するし。」

 

「夜の犯行とはいえ、そんなものを使うとは考えにくいでしょうね。」

 

「あの辺りで他に使えそうなものは…」

 

1. 巨大トンボ

2. 屋台車

3. トイレットペーパー

 

 

 

 

「その方法がありなら何でもありだよね。この世界では、その線引きが難しいのです。」

 

「我々は努力してるのです。努力を褒めて欲しいのです。認めて欲しいのです。チヤホヤして欲しいのです。」

 

(何故かモノクマの承認欲求が上がってる内に考え直すか…。)

 

 

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「…そうか。屋台車。あれなら、獄原の身体も容易く隠せて、移動も楽だ。」

 

「夜中の誰もいねぇ中に屋台引いてる奴いたらホラーだべな。」

 

「また聞いたことある話ですね。賛否両論ある裁判シリーズ4作目…ボクは好きですよ過去と現在の繋ぎが絶妙で…」

 

「ハイハイ、んで?犯人はゴンちゃんを池で撲殺して、茶室に運んだ。何で?」

 

「本島から秋ノ島すぐの池では見つかりやすいから…でしょうか。」

 

「だども、朝になっていなけりゃ探されんべ。山に埋めんなり沼に落とすなりしねぇと、どのみち見つかんべよ。」

 

「物騒かww ま、実際オレらも朝に集まり悪くて捜索して、3死体 発見したしねww」

 

「しかし、見つかりにくくしたいなら、屋台に入れたままの方がいいのでは…。」

 

「考えられるのは…茶室に運ぶ必要があったか…。もしくは、やむなく茶室に運んだか…だな。」

 

「やむなくって何があったら、やむなく茶室なんだべ?」

 

「少なくとも、獄原以外に2人の人間が秋ノ島にいたからな。」

 

「あ、イーストック先生と虎林先生ですね!」

 

「犯人が獄原さんを運ぶ途中、イーストックさんか虎林さんに見つかりそうになり、とっさに…ということですね。」

 

「いやいやwwイーちゃんかトラリンのどっちかがゴンちゃん運んでた張本人って可能性もあんじゃん?」

 

「うーん…。ボク、獄原先生と虎林先生は一緒にいたと思ってたんですよね。」

 

「何でだべ?」

 

「昨日の花火の時、2人が話してるのを聞いたんですよ。夜時間に会う約束してました。」

 

「ああ…。そういえば、昨日 虎林さんは夕食後にレモンのハチミツ漬けを作ってタッパーに詰めていましたね。」

 

「ハチミツは使っていませんでしたが…。」

 

「それのどこがレモンのハチミツ漬けなんww」

 

「ハチミツは前回の事件のこともあって避けたのでしょう。」

 

砂糖漬けにしたかったのでしょうが…さっき確認したら塩が大量に減っていました。」

 

「レモンの塩漬けww」

 

「だいぶ酸っぱくて塩っ辛そうだな。人生みてぇだべ。」

 

「そいつは茶室の庭前の道に落ちてたな。」

 

「ええ、たぶん…秋ノ島に行くゴン太先生への差し入れじゃないでしょうか?」

 

「んー、差し入れする相手を撲殺って考えると変だねww」

 

「オメ、まだ虎林さが獄原さをヤったっち思ってんのけ?」

 

「可能性は捨ててないよ〜。レモンのハチミツ漬け(仮)に睡眠薬とか毒 仕込んでたかもだし?」

 

「…少なくとも、レモンにたかってた虫は死んじゃいなかったぜ。」

 

「んじゃ、ハチミツ漬け(仮)が鈍器だった系?」

 

「バんなソかな…!?」

 

「…桐崎さん、獄原さんと虎林さんは具体的に何を話していたのですか?」

 

「えーと、よく聞いてたわけじゃないんですが…ゴン太先生は『夜に待ってるね』って言ってました。」

 

「んじゃ、ゴンちゃんとトラリンは秋ノ島で密会の予定があったってことね?やっぱトラリン怪しくね?」

 

「えーと…それで虎林先生が怪しくなるんでしょうか?虎林先生がゴン太先生を…?うーん…。」

 

「逆だって考えられんだろ?密会中、ゴン太さが力加減まつがって、虎林さが死んずまった〜って可能性。」

 

「い、一体、2人の間に何が…!?」

 

「落ち着いてください。わたくし達の中に犯人がいる可能性だってあるんです。」

 

「つーか、イーちゃんも仲間に入れ〜てあげ〜て〜ww」

 

「獄原さんを池から茶室に移動させたのは…虎林さんに すぐ見つけられないように…ではないでしょうか?」

 

「どういうことだべ?」

 

「獄原さんと虎林さんは池で会う約束をしていたのです。だから、犯人は死体を池から遠ざける必要があった。」

 

「なるなるー!犯人がゴンちゃんヤった後、慌てて隠した理由は…トラリンが来るって知ってたからかー。」

 

「ええ。…ですから、その場合…1番の容疑者は…」

 

(華椿が俺を見る。俺は、”1番の容疑者”とやらに目を向けた。)

 

▼1番の容疑者とは?

   

 

 

 

「星さん!わたくしは真剣なんですよ!これ以上はぐらかすと…な、泣きますからね!!」

 

「…涙を脅しに使ってくれるな。」

 

 

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「あんたしかいねぇ。」

 

「桐崎。華椿は、そう言ってるみてーだが?」

 

「ちょっちょっちょっちょっ…、」

 

「ちょ…待てよッ(キム・タク)?」

 

「いや誰ですか、その お隣の国の人みたいなの!…って、違いますよ!何でボクなんですか!」

 

「2人の密会を知っていたのは貴女様だけのようですから。」

 

「いやいやいやいや、他に知ってる人いたかもしれないし!そもそも、そうだとしたらボクも言いませんよ!」

 

「うっかり失言した。あり得ませんか?」

 

「あり得ません!裁判中の失言でって…4リスペクトしすぎです!」

 

「まー、ハナハナだったら、うっかりも多いかもだけどねー。」

 

「ボクは犯人じゃありませんよ!『ごん太を殺せ!』って大昔の少女漫画じゃないんですから!」

 

「んだなぁ…。桐崎さの体格で、ゴン太さを殺して運んだっつーのは どーもなぁ。」

 

「ああ。特に、虎林が後から来ると分かっていて、そのタイミングで獄原を殺すのは考えにくい。」

 

「そうですよ。それに、ボクが犯人なら、ボクより弱そうな人を狙います!!」

 

「キリちゃんより弱いヤツって誰よww」

 

「まあ、体力的・身体的にはいませんね。ボクは この五天王最弱ッ!!」

 

「ワロタww…ってか、いいのー?今『ゴンちゃんを殺したのは誰か?』みてーな議論しかできてねーけどww」

 

(野伏がニヤけながら全員を見まわした。)

 

(…確かに、そうだな。俺も冷静じゃなかったらしい。)

 

「俺たちが見つけなきゃならねーのは、最初に死んだ被害者を殺したクロだ。」

 

「そ、そうでしたね。」

 

「んー、じゃ、誰が先に死んだか考えてこっか。キリちゃんが怪しいってのは置いておいてww」

 

「置いておかなくても、怪しくないですから!忘れろビームをお見舞いしますよ!?」

 

「1番に死んだ…なら、虎林さでねーか?」

 

「えー?何で??」

 

「虎林さの死体にハエが集まってたかんな。」

 

「トラリンの死体だけ腐敗が早かった系!?ww」

 

「…あれは、レモンにハエが寄ってきていただけだろう。」

 

「そのレモンが証拠になりませんか?ハエが集まるほど、時間が経っていた…と。」

 

「んだ。虎林さが死んだ時に落としたんなら…虎林さが死んでから長く時間が経ったってことでねぇ?」

 

(俺も捜査時間、かなりの数の虫がレモンにっているのを見た。…が、どうにも違和感がある。)

 

(虫には詳しくねーが…獄原が言ってたことを思い出すと…。)

 

 

バグズブレインピッキング 開始

 

Q. レモンに集っていたのはハエ?

1.ハエだ

2.ハエじゃない

3.映えある第1位だ

 

Q. ハエじゃないと言える理由は?

1.ハエはレモンが苦手

2.ハエは島にいない

3.ハエはもっと可愛い

 

Q. レモンに集っていた虫は?

1.夏ノ島のセミ

2.秋ノ島のトンボ

3.本島灯台にいた虫

 

繋がった…!

 

 

 

「レモンに集っていたのは、ハエじゃねー。」

 

「えー?どー見てもハエだったっしょ?」

 

ハエはレモンが嫌いだ。獄原が言ってたろ。」

 

「あ、そうだべ。そういや、ゴン太さ言ってただ。」

 

「そっか!ハチミツレモンなら まだしも、塩漬けレモンならハエは寄ってきませんね!」

 

「では、レモンに集っていた あの虫はーー…」

 

本島の灯台にいた虫だ。この島の固有種だっていうな。」

 

「1回目の殺人で使われた虫かー!JKの匂いじゃなくても、OSの酸っぱい匂いで寄ってくんだっけ?」

 

「そうそう。オッサンのワキにも寄ってくるよ!それ以外は、ほぼハエと同じ習性です!」

 

「…ならば、話は同じでは?本島のハエが集まるほど、虎林さんが死んでから時間が経っていた。」

 

「…いや、ハエと同じだとしても、ハエが集まる時間も大して長くはないらしい。」

 

 

「蠅さんは16km先でも匂いに気付いて飛んでくるから、強い匂いがあれば10分くらいで集まってくるよ。」

 

 

「獄原によると、ハエは遠くからでも10分程で集まってくるらしい。虎林が先に死んだとは言えねーはずだ。」

 

「ううーん…じゃあ、どうやって先生方が死んだ順番を知ればいいんでしょう…。」

 

 

ノンストップ議論2開始

 

「もう1度、現場の様子を思い出しましょう。」

 

「そ、そうですね。イーストック先生は研究室の椅子に座ってて、虎林先生は外の道に倒れてました。」

 

「ゴン太さは茶室ん中で倒れてたべな。」

 

「茶室を主に調べていたのはボクと野伏先生でしたが…特に情報はなかったかと…。」

 

「虫の話さしすぎて虫のことしか頭にね。」

 

「誰が最初の被害者かーなんてヒントと虫は関係ねーから。忘れろ忘れろw」

 

【獄原の胸の下】→道に倒れていた

【イーストックの足裏】→道に倒れていた

【イーストックの足裏】→虫は関係はない

 

 

 

「はー、疲れた。ちょ、休憩せん?バーベキューとかしてー。」

 

「…真面目にやらねーと三途の河原でバーベキューするハメになるぞ。」

 

「何ソレwおもろ!超やりてーww」

 

 

back

 

 

 

「それは違うな。」

 

「現場に虫に関係する痕跡があった。被害者の足裏だ。」

 

「ん?ゴンちゃんの足裏?ゴンちゃん、履かない派だったもんね。」

 

「いや、イーストックだ。」

 

「そういえば…イーストック先生のサンダルの裏で虫が潰れてましたね。レモンに集ってたのと同じ虫です!」

 

「よく虫が潰れる事件だべな。」

 

「ヒロインはプレスされやすい…ということは、この作品のヒロインはッ!」

 

「虫が潰れたども、だから何だ?」

 

「本島から移動した虫が潰されてたんだ。虎林がレモンを落とした後、イーストックが そこを通ったってことだ。」

 

「そうでしょうか?虎林さんの落とし物に集っていた虫とは言い切れませんよ。」

 

「虫は靴の裏で潰れてたんだぜ?地面にいたモンを踏んだと考えるのが道理じゃねーか?」

 

「でもさ、他で踏んだんかもよ?」

 

「あ…でも、ハエって潰そうとしても すぐ逃げますよね?ゴン太先生によると、視覚処理速度はヒトの10倍だとか…。」

 

「人間ごときに そう簡単にはヤられねってことか。」

 

「何で虫目線ww」

 

「獄原が言ってたが、あの虫が地面に集ってることは珍しいみたいだぜ。」

 

「何か美味い匂いでもねー限り、他で踏むことはねー。それに、あの虫は食い意地が張ってるらしいじゃねーか。」

 

「好物の酸っぱいモンを目の前に、反応が遅れて踏まれたかもしれねー。」

 

「死因:食べ物に夢中で。…ってイヤだわーww」

 

「えーと…つまり、虎林先生がレモンを落とした時にはイーストック先生は生きていた…?」

 

「正確には、虎林さんがレモンを落とし、後にイーストックさんが それを踏んだ可能性がある…ということです。」

 

「けどさー、それが分かったところで、誰が1番に死んだか分かんなくね?」

 

「ああ。虎林がレモンを落とした時点で死んだとは言い切れねー。だが、仮説は立てられるさ。」

 

「まずは…そうだな。虎林がレモンを落としたのは何故かってところだ。」

 

「虎林さの死体とレモンは ちと離れてたべなぁ。でんながったんけ?」

 

「でん…?転ぶってことですか?虎林先生は料理ベタドジっ子であって、フィジカルドジっ子ではないですよ!」

 

「ええ。彼女の体幹は、しっかりしていましたから。わたくしのように週3で転ぶようなことはないでしょう。」

 

「高校生と思えない頻度でコケんな。ま、オレも賛成。体重移動 重要そうなスポーツやってんのに、コケんよな?」

 

「それに、ちょっとや そっとじゃ折れない屈強そうな太ももしてたじゃん?」

 

「あー、それは完全に書いたヤツの趣味ですねぇ。胸囲大きめは全体的に肉感的じゃないと…っていうね。」

 

「あー、分かる分かる。痩せ型で乳だけデカいとか、シリコン入りかよーって萎えるもん。」

 

「ちょっと!謎のコンビネーション見せてないで事件に集中してください!!」

 

「やれやれ…問題は、レモンを落とした原因があったってことだよ。衝撃を与えられたか…もしくは、」

 

衝撃的なものを目撃したか…ですね。」

 

「ああ。外傷がなかったことと死体とレモンが離れていたことから、レモンを落とした時 殺されたとは考えにくい。」

 

「レモンを落とす程の衝撃的なモンを見て、その後、近くで死んだ。そっちの方が理にかなってる。」

 

「え、でも、外傷なく気絶させたりできますよ?クロロホルム嗅がせるとかスタンガン使うとか。」

 

「それってフィクションだけだからww」

 

「え!?そ、そうなんですか!?」

 

「…とにかく、仮説として聞いてくんな。」

 

「池で獄原と待ち合わせていたはずの虎林が、レモンを茶室の庭前で落としていた。」

 

「虎林が獄原を殺した犯人じゃねぇと仮定すると、おそらく虎林は獄原を探していたんだろう。」

 

「んで、茶室近くに来て、衝撃的なモン見たっちことだべな。」

 

「レモンが落ちていた所から、茶室の庭が見えたんだ。茶室内も少しは見える。」

 

「虎林が何かを見たとするとーー…」

 

1. 茶道体験

2. 犯人

3. 倒れた獄原

 

 

 

「もしかして…虎林先生はゴン太先生を見たんじゃないでしょうか。」

 

「ゴン太先生の華麗な動きを目の当たりにして、感動のあまりレモンを落としたんです…!」

 

「……。」

 

 

back

 

 

 

「…そうか。虎林は、探していた獄原が倒れているのを発見した。これなら辻褄が合うんじゃないか?」

 

「ふーん?」

 

(俺が言うと、野伏が意味ありげな笑いを見せた。)

 

「犯人を見た…とかじゃなくて?」

 

「近くに死体がない状態なら、レモンを落とすことはねーだろ。」

 

「『誰か そこにいる』だけですもんね。」

 

「つまり…ホッシーは、こう言いたいんだね?」

 

(野伏は変わらず笑いながら息を吸い、)

 

「ゴンちゃんが最初に殺された!ゴンちゃんを殺したクロが今回のクロだ!って?」

 

(裁判場に声を響かせた。野伏の声に、全員がハッとして顔を上げる。)

 

「そ、そうか…!レモンを落とした後、イーストック先生は虫を踏んだわけですから…」

 

「少なくとも、虎林さんがレモンを落とした後にイーストックさんが死んだ。」

 

「つまり、ゴン太さが最初の被害者だっつーことだな。」

 

「そそ。今からはゴンちゃん殺しに集中するってことでオケー?」

 

「……言ったはずだ。仮説だと。」

 

「仮説でも火星でも かまわね。」

 

「ええ。仮説の検証を進めましょう。」

 

「そ、そうですね。最初に殺された被害者のクロを見つけなければなりませんから…!」

 

(全員が決意に満ちた眼をする中で、俺は1人 口を閉じた。)

 

(ーーこれが…全員の命を預かる感覚か。)

 

(昔 感じた、命を奪う感覚とも、自責の念とも違う。)

 

(獄原…。あんたは、こんな思いをしながら裁判席に立ってたんだな。)

 

(獄原がいたはずの裁判席を見やる。)

 

(獄原の写真は、生前と違わぬ優しい瞳を見せていた。)

 

 

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コメント

  1. あけましておめでとうございます!
    てっきり次は非日常編だと思ったらいつのまにか操作パート終わっちゃってるし、虎リンのメンタル心配してたらまさかの被害者3人だしで衝撃の連続でした…。
    最初のモノクマのセリフで裁判の最初にゴン太復活かと思いきや、余裕で主人公不在だしとにかく振り回されてすごく面白かったです!
    また次回も楽しみにお待ちしています♪

    • 明けましておめでとうございます。年を跨いでの鈍足更新にも関わらず、お付き合い下さり誠に有難うございます。被害者3人(主人公含)というせわしなさでしたが、面白かったとのお言葉を頂けて嬉しいです!いつもコメント頂けるおかげもあって、失踪することなく完結できそうです!今年もゴクハラロンパをよろしくお願いします◎

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