







「~になる」「~となる」は変化を表す動詞ですね。
どちらも「come to」「become」という英語で表し、違いや区別が分かりにくい日本語文法です。
明確な意味の違いがあるわけではありませんが、使い分けには少し違いがあります。
【になる】と【となる】の違いと区別・用法
「~になる」「~となる」は、意味も形も非常に似ています。
日本人はどのように区別し、違いはどんなところにあるのでしょうか。
文法的な使い方・用法、例文と一緒に見ていきましょう。
【になる】文法使い方と意味・例文
「物事の自然な変化」「他人による変化」を表す
英語:become, come to, grow up to
用法:名詞・動詞・形容詞に接続
N+になる
V+ことになる
な形容詞+になる
い形容詞+くなる
話し言葉、書き言葉どちらでもよく使われる
「5時になりました。家に帰りましょう。」
「彼女は成長して立派な淑女(レディ)になるでしょう。」
「明日東京から友だちが来ることになった。」
「修学旅行は京都に行くことになった。」
「会議がキャンセルされて、暇になりましたね。」
「あなたのことが好きになりました。」
「こね続けると、生地が柔らかくなる。」
「だんだん痛くなってきた。」
【となる】文法使い方と意味・例文
「物事の意外な変化」「人為的な変化」を表す
英語:become, come to, grow up to
用法:名詞・動詞に接続
N+となる
V+こととなる
時間/な形容詞に接続しにくい
書き言葉でよく使われる
「彼は晴れて大学生となった。」
「初代総理大臣となったのは、伊藤博文だ。」
「このまま行けば彼が当選者となるだろう。」
「彼はその後、厳しい道を歩むこととなる。」
「たくさん勉強することとなるでしょうね。」
例えば・・・例文で見る【になる】と【となる】の違い
【になる】と【となる】の違いは、なった後の状態が 意外なのかそうでないか にあります。
「彼は大学生になった。」
「彼は大学生となった。」
「大学生になった」というと、彼(または筆者)にとって大学生になることは当然のことであるような印象。
「大学生となった」というと、書き手が大学生になることを意外に思っている、特別なことのように感じているという印象です。
「大学生となる」までに、色々な困難があったかのような書き方ですね。
「東京タワーを見ることになった。」
「東京タワーを見ることとなった。」
「見ることになった」というと、自然な流れでそういう話になった、誰かの提案によりそうなったという印象です。
「見ることとなった」というと、何か大きな理由があってそうなったような印象ですね。

また、【になる】と【となる】の大きな違いは、【となる】は形容詞に接続しにくいということです。
○「この辺はにぎやかになったね。」
○「君、表情が固くなってるよ。」
×「この辺はにぎやかとなったね。」
【になる】【となる】の英語はbecome?
「~になる」「~となる」の英語で、まず私たちが思い付くのは「become」。
以下のような例文は、中学校で学びますね。
「He became a Japanese teacher. 」
「She became an beautiful woman. 」
「My brother becomes taller than our mother. 」
しかし、【になる】【となる】の媒介語を「become」!と言ってしまうのも微妙なところ。
なぜかというと、用法が違うからです。
例えば、以下の文はどのように訳しますか?
これは実は間違い。
この表現は「become」を使えない「になった文」です。
そう…「become」は動詞(to do)と接続できないんです!!
英語の「好き」は動詞ですので、接続しにくいんですね。
ちなみに、日本語で「好きだ」はナ形容詞(形容動詞)として活用されます。



まとめ
- 【になる】と【となる】の違い
【になる】は、自然な変化を表す。
【となる】は、意外な変化を表す。形容詞に接続しにくい。
- 【になる】と【となる】の英語
「become」「come to」「grow」「get」など
前回記事:【だけに】【だけあって】【だけのことはある】の違いは?