【海外の反応】日本語は一人称が多い!
日本語の一人称は本当に数が多いです。
パッと思い浮かべるだけで何種類も挙げられるのではないでしょうか。例えば…私、俺、僕、わし、うち、おいら、我輩、拙者、某(それがし)などなど
まずは、日本語の一人称が多いことによる海外の反応を見てみましょう。
「日本語の一人称まじで多すぎ!」(エジプト)
「日本語の一人称は奥が深いよね。」(アメリカ
「日本語の一人称はどれくらいの数があるんだろう。怖くて調べられない。」(中国)
「どうして日本語学校では全部私って教えるんだ?」(マレーシア)
「結局どれを使えばいいのか分かりません。」(イギリス)
「アニメで一人称がたくさんあるのは分かったけど、実際の日本人はそんなに何種類も使ってないよね。よく聞くのは私、僕、俺くらい?」(インドネシア)
「わたしが一番無難だよね。だから私を使うようにしてる」(アメリカ)
「ずっとボクを使ってたけど、昨日初めてオレを使ってみたら、日本人の友達に『ボクの方が似合うよ』と言われた。why?」(オーストリア)
日本語の一人称が多いと困惑する海外の反応ですね。
日本語における一人称の種類と多さ
日本語には「私」「僕」「俺」「あたし」など様々な一人称が存在します。
一人称の種類が豊富であり、性別や年齢、立場などによって使い分けられます。海外の人にとっては日本語の一人称の多さは驚きかれるもの。日本語に存在する一人称の数、種類は膨大で、地域や世代によっても異なる使い方がされています。例えば、「私」は普通の丁寧な一人称で、「俺」は男性や若者がよく使用します。
これらの一人称の使い方やニュアンスについて詳しく紹介していきます。
一人称が多い日本語?一人称の数・種類一覧
海外の反応にもある通り、日本語は一人称が多い言語です。英語や外国語翻訳語、一人称の数や種類を一覧で見ていきましょう。
英語翻訳は「I」外国語の一人称一覧
日本語の一人称単数形はどんなものでも「I」と英語翻訳されますね。
では、外国語の一人称には、どのようなものがあるのでしょうか。英語を始めとする外国語の一人称は以下の通りです。
中国語 我(wō)
スペイン語 yo
フランス語 je
ドイツ語 ich
韓国語 나 (na)/저 (jeo)
ベトナム語 con/em/anh/chi/cô/chú/bác
多くの外国語は一人称は日本語ほど多様とは言えません。
だから、外国人にとって「私」「僕」「俺」など日本語の多様な一人称の使い分けは異文化体験のような感覚だそうです。この日本語の一人称の特徴について、使い方やニュアンスの理解が日本文化の理解に繋がるということで興味を持つ外国人も多いものです。
日本語の一人称の数は?何種類?
日本語は、一人称が非常に多い言語。
日本語の一人称の種類、数は昔から使われていたものを含めると100以上もあります。が、その正確な数はよく分かっていません。
一人称の種類は、男女差や昔の身分差などによって変化し、増減してきたためです。特に、日本語は役職や身分などによる言葉の違い(位相語/役割語)が多い言語です。方言の他にも、役職による一人称の違いがよく見られます。
位相語についての詳しい説明はこちら↓↓
漫画アニメの中国人はなぜ「あるある」言う?お嬢様は「ですわ」?博士キャラは「~のじゃ」?
【種類別】日本語一人称まとめ一覧
日本語の一人称の数は100以上。
一覧で見ると、以下のような一人称が存在します。
手前、あっし、あちき、あてくし、おんら、わちき、某(それがし)、拙者(せっしゃ)、妾(めかけ)、我輩(わがはい)、愚生(ぐせい)
おら、わ、おりゃ、うら、おいら、わっち、わて、うち、わし、おいどん、わす
男性に多い一人称まとめ一覧
一般的にカジュアルなシーンで男性に多い一人称は、「僕」や「俺」。
ビジネスやフォーマルシーンでは、私(わたし)を使うのが普通です。また、普段一人称が「俺」の人も、親しい先輩や年上の人と話す時、セミフォーマルな場面では、「僕」を使うことがあります。
フォーマル:私(わたし)
セミフォーマル・カジュアル:僕
カジュアル:俺
女性に多い一人称まとめ一覧
男性に比べ、女性の一人称は「私(わたし)」の人が多いですね。
フォーマルで使用できる「私」をカジュアルでもそのまま使用できるから…なのかもしれません。
女性の場合、年齢で一人称が変わるイメージも強いです。「私(わたくし)」は少し年配の女性やお嬢様なイメージ。「あたし」は少し幼い印象を与えます。
フォーマル:私(わたし)、私(わたくし)
セミフォーマル:私(わたし)
カジュアル:私(わたし)、あたし、名前呼び
歴史的・身分的な一人称まとめ一覧
実は、僕や私は意外と新しい一人称。その他、一人称には、歴史的な役職や身分によるものが多く、種類が多いです。
手前、あっし、あちき、あてくし、おんら、わちき、某(それがし)、拙者(せっしゃ)、妾(めかけ)、我輩、愚生(ぐせい)、わっち
方言・地域による一人称まとめ一覧
一人称は方言や地域による違いも多いです。地方別の一人称の一覧を下にまとめました。
北陸:うら、おいら、わっち、おり、わて、うち、わし、おいどん、わす
関東:おいら
関西:わて、うち、わし、わい、わす
中国:わし、わす
九州:うち、わし、おいどん、わん
なぜ日本語は一人称が多いのか
なぜ日本語はこんなにも一人称が多いのでしょうか。
1番の理由は日本の集団文化
日本語が一人称を多く使う理由は、その文化や社会的背景に根ざしています。日本では個人よりも集団を重視する文化があり、一人称を使って他者との関係を示すことが重要視されています。
適切な一人称を使うことで、相手への尊敬や謙譲の意を示しているんですね。
歴史で見る「なぜ日本語に一人称が多い?」
歴史的に日本語の一人称を見てみましょう。一人称は、戦国時代や江戸時代など身分や階層が厳格な時代に、自己表現の重要な手段となっていました。そのため、さまざまな一人称が使用されました。
言葉は時代とともに変化しましたが、これらの歴史的背景は現代の言語にも色濃く残っています。特に一人称の多さは、日本語の独特な言語構造や表現力として現代に残っています。
言語学で見る「なぜ日本語に一人称が多い?」
言語学で日本語の一人称を見ていきましょう。日本語は主語が一貫して特定されるという特徴があります。日本語の主語は省略されやすいですが、私たちは常に頭の中で主語を補てんし、文脈を読んで会話をします。中でも、一人称は省略されることが多いですが、「誰の話なのか」が分かりにくい場合、一人称や二人称、三人称などで明示されます。
スペイン語やイタリア語なども主語の省略が多い言語ですが、日本語と異なり動詞の活用により主語を判別している側面が強いです。日本語の一人称の多さは、主語が省略されやすく、かつ述語部分(動詞、形容詞、名詞など)から判別しにくいことも理由の一つと言えます。
アニメ・マンガのキャラクター性表現
数ある日本語の一人称ですが、日常生活ではほぼ使われていないものもあります。
しかし、これらの一人称が非常によく使われるものがあります。それは、マンガやアニメなどのキャラクターの一人称。前述した通り、一人称は人との関係性やその人物の身分やキャラクターを示すことができるため、アニメなどのキャラクター性を示すのに非常に便利です。
ワシ…お年寄り、学者キャラクター
オレ様、我輩(わがはい)…尊大なキャラクター
手前、某(それがし)、拙者(せっしゃ)…古風、忠義に厚いキャラクターなど
漫画アニメの中国人はなぜ「あるある」言う?お嬢様は「ですわ」?博士キャラは「~のじゃ」?
これらのキャラクターが登場するアニメやマンガの影響もあって、「日本語は一人称が多い」と世界に認識されているのでしょう。
日本語の一人称は表現の多様性
日本語の一人称は非常に多いものです。なぜ多いのか?それは、状況や人間関係、方言やアイデンティティを表す表現の多様性によるものに他なりません。日本語の一人称は、社会や文化との関わりを示す重要な要素です。
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