Round. 5 教会とカネの音と私 学級裁判編Ⅲ

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Round. 5 教会とカネの音と私 学級裁判編Ⅲ

 

(ゴン太が顔を上げた視線の先で、星君が口の端を持ち上げた。)

 

「まだ、あんたは誰の命も諦めちゃいない。そうだな?」

 

「うん…。」

 

「…え?」

 

「桐崎さんがクロだとしても…ゴン太は桐崎さんの命を諦めない!みんなを守りたいからっ!!」

 

「ゴン…太、先生…。」

 

「や、止めてくださいよ…ボクなんかのために。こんな…薄汚れた盗人のためになんか…。」

 

「これまで…ゴン太は みんなを…クロになった人も被害者も……守れなかった。でも、もう嫌なんだ。」

 

「ゴン太は、もう諦めない!桐崎さんが死なない方法も、考えてみせるよ!!」

 

「ゴン太先生…。」

 

(涙目の桐崎さんがゴン太を見る。心底 驚いたような顔だった。)

 

「…だ、そうだ。どうだ?桐崎。」

 

「どうだって…。銭形に追われて、密室で古畑にネチネチ追い詰められる人生でありたかったとしか…。」

 

「ゴン太は諦めない!紳士なら切り捨てろって言われたけど…紳士的じゃなくても、みんなを守ることを諦めない!」

 

「…同感だな。それとも、桐崎。あんたは死にたいと思ってるのか?」

 

「そ…それは、ボクだって…死にたく、ないですけど…。」

 

「……桐崎さんがクロにならなくて済む方法。そんなものがあるのでしょうか。」

 

「殺意がなくてもクロ扱いだっち言ってたもんなぁ。何とかなんねぇか?」

 

「……やっぱり、無理ですよ。ボク…が、クロなんです…から。」

 

(言いながら、彼女はボロボロ涙を流した。)

 

「き、ぎりざきさン…ゔぅ!」

 

「す…みません。今までのクロは…覚悟を決めてたのに。でも、ボクは…臆病で…。」

 

「ムリヤリ殺人者させられたんだ。覚悟なんてできるわけね。」

 

「ボク、なんて…死体の身ぐるみ剥いで生きて、所詮…カマキリに寄生するハリガネムシです…から。」

 

(桐崎さんが泣きながら呟いた。ーーその瞬間、ゴン太の頭の中に、ある光景が浮かんだ。)

 

「…虫さん。」

 

(ここに来て出会った虫さんとの思い出がフラッシュバックのように蘇る。)

 

「そうだよ。虫さん…!事件には、まだおかしいことが残ってるんだ!!」

 

「え?」

 

(桐崎さんが声を上げてゴン太を見た。驚きのせいか涙は引っ込んでいた。)

 

「おかしいことはーー…」

 

1. 多くのカマキリがハリガネムシに寄生されること

2. カネタタキが冬ノ島で鳴いたこと

3. 冬ノ島に他の虫がいなかったこと

 

 

 

「…それが おかしいことか?」

 

「ゴン太先生の方が おかしいと言わざるを得ません!」

 

「うぅ…ごめん!」

 

 

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「そっか…。カネタタキさんだよ。カネタタキさんが寒い所で鳴くはずないんだ!」

 

「ゴン太さがアナウンスと一緒に聞いた虫の声だべな。」

 

「うん。マイクが入った段ボールの中にカネタタキさんはいたんだけど、普通0℃以下で鳴くことはないんだ。」

 

「な、なるほど…。確かに、冬ノ島の教会は極寒ですからね。死体発見時も寒かったです。」

 

「野伏さんも どうして暖かい館ではなく、寒い教会に立て篭ったりしたんだか…。」

 

「んだな。そもそも、何で冬ノ島だったんだべかな。」

 

「その冬ノ島でカネタタキが鳴いたのには何か裏がある。ゴン太は、そう言いてーんだな?」

 

「うん。カネタタキさんが冬ノ島にいたこと自体おかしいから…どこかからか連れて行かれたんだと思うんだ。」

 

「カネタタキさんが来たのはーー…」

 

1. 本島

2. 秋ノ島

3. 海の向こう

 

 

 

「あれから〜ボク達は〜何かを信じて来れたかな〜」

 

(ど、どうして急に歌い出したんだろう。)

 

「気にしないで。思い描いてただけだから。夜空ノムコウにイーロン・マスクの新・宇宙旅行(改)のAI生成絵を。」

 

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「そっか…。カネタタキさんは、秋ノ島から冬ノ島へ移動したんだ。」

 

「秋ノ島には、確かに鳴く虫がたくさんいましたね。」

 

「スズムシとかマツムシとかだべな。」

 

「うん。その中に、カネタタキさんの声もしてたよ。」

 

「だが、事件前には冬ノ島に移動していた…か。」

 

「教会内で見つかったわけですから、野伏先生が連れてったってことですよね。何のために?」

 

「それが分かりませんね。どうして暖かい館ではなく、寒い教会に立て篭もったのかも。」

 

「ーーもしかしたら、教会も暖かかったのかもしれない。」

 

「暖かかった?オラたつ教会に入った時、寒かったべ。」

 

「野伏さんの死体も冷え切っていましたね。」

 

(でも、あれを使えば…カネタタキさんが鳴くくらい暖かくなったのかもしれない。)

 

 

閃きアナグラム 開始

                                 ト
                   ブ               ス
      ー

 

閃いたよ!

 

 

 

「教会のストーブが使われたのかもしれない…。」

 

「あのストーブですか?あの点けた途端に温暖化、消した瞬間には氷河期の特殊なストーブ!」

 

「どういう原理だべ。」

 

「…捜査時間に野伏の死体は冷たかったのは、水を被ったからかもしれねーな。」

 

「死体は濡れていましたね。野伏さん自身が水を被ったと?マラソン大会前のわたくしのようですね。」

 

「わざと身体を冷やしたんけ?何でだ?」

 

(ーー何でだろう。そんな疑問符でゴン太の頭が いっぱいになる。その時、桐崎さんが「あっ」と声を上げた。)

 

「もしかしたら…氷が凶器だったのかもしれませんね。」

 

「氷が凶器…。」

 

「聞いたことありません?氷をアイスパックのように鋭い形状にして刺し、溶かして証拠隠滅…」

 

「アイスピックで刺された跡なんかなかったべ?」

 

「……確かに そうなんですが。」

 

「…だが、一理あるな。氷を使った”何か”を教会内で使用し、最後の放送前後でストーブの熱で溶かした。」

 

「あ!その時、カネタタキさんが鳴いたんだね!」

 

「ああ。その”氷の何か”が溶けた跡、自分の体温上昇を隠すために水を被った。そう考えられるな。」

 

「もんでぇは、その”氷の何か”が、何かって話だべな。」

 

「その場にあることを野伏さんが隠したかったもの…ですよね。」

 

(また、みんな暫く考え込む。ゴン太も懸命に頭を働かせたけれど、思い付くものはなかった。そんな中、)

 

「獄原、カネタタキは秋ノ島から教会に連れて行かれたと言っていたな。」

 

「え?うん。自分で寒い所に移動はしないと思うから…。」

 

「野伏さんが意図があって移動させたのでしょうか…。」

 

「えっ?どんな意図ですか?ゴン太先生にカセットレコーダーを発見させるためですか?」

 

「オラの耳ば攻撃したんにか?カセットレコーダーは隠しときたかったんじゃなかったんだべ?」

 

「カネタタキさんは普通、人に見つからないように隠れてる虫さんだから…探して捕まえるのは難しいよ。」

 

「だば、たまたま偶然か?野伏さが今回の計画の準備すてる時、たまたま偶然カネタタキさが くっついてっただ。」

 

「もし野伏君が秋ノ島で準備してたなら…例えば荷物や段ボールに紛れて一緒に移動された可能性はあると思うよ。」

 

「持ち込まれた物が”何か”は断言できないけど、ゴン太、どこから虫さんが持ち出されたかは分かるよ。」

 

「どこだべ?」

 

1. 音楽ホール

2. 研究室

3. 右心室

 

 

 

「そったらとこにも虫はいるんけ!?」

 

「え?う、うん。どこにでも虫さんは住んでるよ。人の睫毛や口の中に住む虫さんもーー…」

 

「止めてくろっ!!」

 

 

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「そっか…。秋ノ島の研究室だよ。あのカネタタキさんは、図書館の研究室にいたみたいだったから。」

 

「研究室…か。研究室から持ち出すといったら…」

 

蘇りの薬や毒薬です…よね。」

 

「持ち出し記録は…もはや残っていないんでしたね。貸出機も解体されたそうですね。」

 

「じゃあ、何時に持ち出されたかも分かんねんだな。」

 

(貸出機は既にモノクマによって外された。それは、一昨日 図書館に行った時にモノクマに聞いた。)

 

(モノクマに言われたこと、その前に図書館の前で桐崎さんと ぶつかったことも思い出した。)

 

「そういえば、桐崎さんも一昨日 研究室に入ったんだよね。前に入った時と何か変わってたところはある?」

 

(そうだ。ゴン太が入った時、図書館から研究室に入る隠し扉が開いていた。桐崎さんも中に入ったはずだ。)

 

「カネタタキさんの弱り具合から見て…冬ノ島に移動したのは昨日か一昨日だと思うんだけど…。」

 

「えっと…な、なかったと思います。」

 

「あんたが最後に見た時、研究室は どんな様子だった?」

 

「机に毒薬である薬品Aとか珍しい薬品がありました。あとは…同型同色の小瓶がバラ撒かれてる感じでしたよね。」

 

「それは前回の事件後すぐと変わんねぇだな。」

 

「猛毒の薬品Aはイーストックさんの自殺に使われたものですね。…珍しい薬品とは?」

 

「棚の端っこにブラックライトを当てると七色に光る薬品を見つけて、机の上で眺めてたんです。父に似ていたので。」

 

「どんな父だべ。ゲーミング父ちゃんけ?」

 

「その薬品は、他の薬品とは違ったのか?」

 

「え、ええ…。蘇りの薬の材料の薬品AとかBとか、イーストック先生が作った薬は光りませんでしたから。」

 

(そっか。一昨日ブラックライトを見つけたのは、色んな薬品にブラックライトを当ててたからなんだ。)

 

「野伏先生が持ち出したものは分からない…と?」

 

「ごめんなさい。」

 

「謝る必要はねーさ。野伏が何かを持ち出したってのは確実だ。だが…薬の容器らしき物は現場になかったな。」

 

「やっぱし、蘇りの薬を持ち出したんでねっか?」

 

「あ、捜査時間にも机にイーストック君が作った薬や材料の薬品AとBも変わらずあったよ。」

 

「…野伏は一体 何を教会に持っていってたんだ?」

 

(星君が呟きに近い言葉を発した時、華椿さんが「あの…」と躊躇いがちに口を開いた。

 

「蘇りの薬といえば、なぜ獄原さんは生き返ることができたのでしょうか?」

 

「……え?」

 

「…ああ。俺も ずっと気になっていた。獄原を殴ったのはイーストックじゃねー。野伏だ。」

 

「遺書によると、イーストックさの蘇りの薬は失敗だったんだべな。それで虎林さは死んずまった。」

 

「えっと…ゴン太が頑丈だったのかな?」

 

「前回の捜査時間、ゴン太先生は確実に死んでましたよ?頭もパックリで血もドバドバでしたし…。」

 

(イーストック君に蘇りの薬を飲まされた虎林さんは死んでしまった。でも、死んでたゴン太は生き返った。これはーー…)

 

 

ブレインドライブ・トライアル 開始

 

Q. イーストックの蘇りの薬は成功した?

1.成功だった 2.失敗だった

 

Q. 獄原が蘇ったのは何故?

1.主人公の補正

2.モノクマの不正

3.蘇りの薬が他にあった

 

Q. もう1つの蘇りの薬を使ったのは?

1.野伏 茸 2.イーストック・ザパド=ユグ・セベル 3.桐崎 ゴンベー

 

繋がったよ!

 

 

 

「イーストック君の蘇りの薬は失敗だった。でも…ゴン太は生きてる。蘇りの薬は もう1つあったんだ。」

 

「え?も、もう1つ?」

 

「イーストックさが量産してたんだべ?」

 

「たぶん…野伏君が作ったんじゃないかな。」

 

「えええ!?いつの間に!?」

 

「ですが、前回の事件前までに作ることなど可能ですか?研究室には ずっと、イーストックさんがいたのですよ。」

 

「イーストック君も仮眠は取ってるって言ってたよ。その間に作ったかもしれないし、一緒に作ってたかもしれない。」

 

「一緒に!?…あ、イーストック先生、周りの声が聞こえないくらいでしたから、気付かなかったかもしれませんね。」

 

「それに、前回の事件前まで、野伏君は秋ノ島にいることが多かったよ。」

 

「確かに、野伏は裁判の時も薬品について詳しく話してたが…あいつに薬の持ち出す機会があったか?」

 

「獄原さんに飲ませた薬が持ち出されたのは…貸出機に記録されていた22時頃でしたね。」

 

「ですが22時、イーストックさん以外は全員、秋ノ島の屋台にいたのですよ。」

 

「あれ…?でも、貸出機は通さなくても持ち出せたって話ですよね?」

 

「それは前回の裁判中に明らかになったことだ。22時の持ち出し時点で危ない橋は渡らねーと思うぜ?」

 

「だども、0時過ぎに貸出機ば通さねかった持ち出しがあったんだろ?あれは…」

 

「あれはイーストックだろう。虎林を蘇らせるために失敗薬を持ち出したんだ。」

 

「そういえば、ボク イーストック先生に貸出機のこと話さなかったんですよ。その場にいたし聞いていると思って。」

 

「…そっか。イーストック君は集中してたから…聞こえてなかったのかもしれないね。」

 

「22時の記録は野伏さんが自身で作った蘇りの薬を持ち出したもの。しかし、そんなタイミングがなかったはず。」

 

(野伏君が蘇りの薬を持ち出したタイミングは…)

 

1. 屋台に着きイーストックを呼びに行った時

2. 屋台で食べ始めてモノクマが来た時

3. 花火を始めて周囲が暗い時

 

 

 

「そのタイミングでは不可能ですね。電車の発車時刻に改札口にいて電車に乗るくらいには不可能です。」

 

「そ、そっか。ゴン太なら間に合うけど、不可能なんだ。」

 

「駆け込み乗車は おやめなさい!」

 

 

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「そっか…。図書館のイーストック君を呼びにいった時だよ。」

 

「えっ。」

 

「あの時、イーストック君も屋台に誘おうって、何人かで研究室に行ってくれたよね。」

 

「ええ。わたくしと桐崎さん、野伏さんでしたが…でも、貸出機で手続きなんてしていませんでしたよ。」

 

「ボクらがイーストック先生に注目してる時だったら、自信はありませんけど…。野伏先生、素早いみたいですし。」

 

「ああ。あいつの動きなら気付かれねーように研究室で作っておいた薬を持ち出し貸出機の手続きもできたはずだ。」

 

「つまり…どういうこった?野伏さは蘇りの薬で何がしたかっただ?」

 

「蘇りの薬を持っていて…ゴン太を殴った。それなら、野伏君はーー…」

 

1. 蘇りの薬を料理に使った

2. 蘇りの薬の実験を行った

3. 蘇りの薬で人類を救った

 

 

 

「そんな使い方もあんなら、オラも作ってみっがな。」

 

「ご、ごめん。もう1度 考えてみるよ。」

 

 

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「そっか…。蘇りの薬で実験をしていたのは野伏君だったんだ。」

 

「イーストックさじゃなくて…野伏さだっただか!?」

 

「それなら…獄原さんを殴った理由も分かります。そして、野伏さんの薬は成功だったということです。」

 

「うん。だから…ゴン太は生き返ったんだ。」

 

「それでゴン太先生が蘇った時、野伏先生あんなにテンション高かったんですね…。」

 

「フッ…前回の裁判でイーストックの仕業だと思われていたことは全て野伏の仕業だったってことだな。」

 

「野伏は獄原を殴り、蘇りの薬を飲ませた。恐らく、用心に用心を重ねて…な。」

 

「あ!金髪ウィッグだべ!野伏さの部屋にあっただ。虎林さは、あれで野伏さをイーストックさと勘違いしただ!」

 

「そんなものが…!?」

 

「イーストックさんの遺書から、その日 彼は、虎林さんが来るまで図書館を出ていないようでしたね。」

 

「野伏は獄原の現場にいるところを虎林に発見され、図書館に誘導したんだろうな。」

 

「そして、虎林さんは野伏さんを追いかけて図書館に入り…イーストックさんと揉み合いになった。」

 

「その後、彼を殺したと思い自殺。目を覚ました彼は薬で虎林さんを回復させようとしたものの失敗して自殺…。」

 

「うう…。本当にロミオとジュリエット死じゃないですか。」

 

「野伏の目的が蘇りの薬の完成なら…成功していたってことだな。」

 

「成功?だば、なじょして野伏さ、こっだら事件ば起こしてんだ?」

 

(ーーそうだ。学級裁判のリスクがある中 成功した実験の後、彼は今日の騒動を起こし…死んでしまった。)

 

(それに、どんな意味があるのだろう?)

 

(そんなことを考えた時、)

 

「はいはーい!ここまでの謎を紐解いたオマエラに、スペシャルなビデオレターが届いているよ!」

 

(モノクマが割って入ってきて、モニターを指した。)

 

「ビデオレター…?」

 

(モニターを注視していると、画面に野伏君が現れた。)

 

『やっほー。これを見てるってことは、オレ マジで殺されちゃった系?ハハ、マジウケる!』

 

「野伏君…。」

 

『これは裁判になった時のための遺書だよー。参考にしてね。ま、モノクマが回収しちゃうだろうけど〜。』

 

『モノクマ、蘇りの薬について明らかになったらコレみんなに見せてやってくれやww』

 

「な、何ですか?遺書代わりのビデオレター?」

 

(モニターの中の彼は軽い調子で続けた。)

 

『え〜と、前回の真実 分かったんだよね?マジ前回は、みんなの強運に驚愕。ゴンちゃんの生命力に脱帽だったわw」

 

『みんなの推理通り、オレがゴンちゃん殺したのは、薬の実験。蘇り薬がモノホンかどうかの実験でしたっと。』

 

『身体丈夫そうで首謀者濃厚のゴンちゃん狙ったワケ。万一 薬が失敗でも、首謀者不在で裁判ない可能性あっし?』

 

『ま、結局 薬は成功で万々歳!オレは新たな才能に1人ほくそ笑んでたワケ。あとはキミらが導き出した通りだよ。』

 

『ゴンちゃんの死体的なのを移動させてた時トラリンに見られて図書館に誘導して~、トラリンとイーちゃん激闘。』

 

『その末、トラリンは薬品Aを飲んで図書館外でバタンキュー。その後、イーちゃんが失敗薬を飲ませて悶絶死。』

 

『それを苦にイーちゃんも自殺。イーちゃんがトラリン殺して研究室に戻った時、オレも図書館 入ったんだけど〜。』

 

『イーちゃんの死体と遺書が残されてたってワケ。マジ ショック〜!誰も死ぬ予定じゃなかったのに~。』

 

『一応 誰かに罪を被せることになった時のために、カツラ被ってゴンちゃん殺してたオレのせいなんだけどね!』

 

「よくもヌケヌケと…っ。」

 

「シッ。まだ続いてんべ。」

 

『イーストック君の遺書は預かりましたが、虎林君の遺書は既にモノクマが回収した後だったようです。』

 

『私が何故このような所業に走るのか。それは、この醜いコロシアイを終わらせるため。』

 

「……。」

 

『私は…このコロシアイを終わらせるために…黒幕と思しき者を罠に掛けました。それが今回の事件の真相。』

 

『名前を偽っている者…最も怪しき者の存在に、貴君らは お気付きだろうか?』

 

「……っ!」

 

『……私はコロシアイを終わらせたい。だから、1回目の裁判後すぐに事件に使われやすそうなものを省いた。」

 

「2回目の事件前にレコーダーなどの電池を取り去ったことですね…。」

 

『3回目の事件では、犯人になりそうな者の動向を探り、邪魔をした。』

 

「あ…そういや、蔵田さは船の偽装してねぇっち言ってただよ。野伏さの仕業だっただか。」

 

『名前を偽っている者を探しなさい。私の死を…無駄にしないように。』

 

(野伏君が最後に静かな声で言って、モニターが切れた。)

 

「黒幕…。」

 

「野伏はコロシアイの黒幕を罠に掛けたかった…か。」

 

「そんで桐崎さをクロに仕立て上げたんけ?とんだ早とちりだべ!」

 

「そ、そうですよ。ボクが黒幕なんて…あり得ません!」

 

(桐崎さんは肩を怒らせて大きな声を上げた。けれど、すぐに また肩を落とした。)

 

「…うう、でも、やっぱり…ボクがクロなんですよ…ね。」

 

「ま、まだ事件の全てが分かったわけじゃないよ!野伏君が使った”氷の何か”の正体も分かってないよね?」

 

「ああ。それに…こんなビデオメッセージを遺した意味も…な。」

 

「え?ど、どういうことですか?」

 

「野伏は華椿にシャンデリアを落とさせたり、録音テープを使ったり、とかくこの事件を複雑化させた。」

 

「それなのに、今のメッセージじゃ、犯人を…犯人に仕立て上げた人間を あっさり示してる。」

 

「そうだべか?名前とか言ってないっち、あっさりとは言えねーべ。」

 

「名前を偽ってる者としか言われてませんからね。」

 

「ああ。だが、あいつは今回の裁判で桐崎が名前のことも告白すると踏んでいたんじゃねーか?」

 

「俺にはビデオメッセージにも裏があるとしか思えねーのさ。例えば、桐崎をクロだと偽装したかった…とかな。」

 

「偽装って…桐崎さはクロじゃねってことけ?」

 

「え?え?え?そ、そうなんですか?」

 

「可能性だが…。奴がシャンデリアのトラップを作ったり、ビデオメッセージを遺した意味を考えるとな。」

 

「どういうことですの?」

 

「……野伏はクロ候補生だ。桐崎や華椿と同じように人質を取られていたんだろう。」

 

「『自分を殺せ』と俺らに言って教会に篭り、事件を複雑化させる行動を取っている。その目的を考えてみるんだ。」

 

「野伏君の目的。それってーー…」

 

1. モノクマにも分からない事件を作ること

2. クロを処刑させること

3. シロ全員を死なせること

 

 

 

「……。」

 

(星君…。黙っているのに、凄い迫力だ。)

 

「あんなに ちっちゃいのにね!」

 

 

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「そっか…。ゴン太たち全員を死なせる。そうすれば…クロ候補生の貝にあった条件が達成できるかもしれない。」

 

「なっ、」

 

「野伏君は自分が死んで、ゴン太たちを全滅させることで野伏君の家族…人質を守ろうとしたんだ。」

 

「ターゲットを殺して、一家全員に安全を確保させるために…?」

 

「ああ。そして、俺たちの全滅を狙ったとすると…俺たちの中にクロがいねーってことになる。」

 

「ん?どういうこった?この中に犯人はいないって…野伏さの自殺だべ??」

 

「じ、自殺しといて『誰かに殺された』って遺したんですか?サイヤ人の王子も真っ青のマッチポンプですよ!」

 

「しかし…この中に野伏さんのターゲットがいるとは限らないのですよ?自身の命を捨てるには博打が過ぎます。」

 

「そ、そうですね。既に死んだ人たちの中にターゲットがいたかもですしおすし…。」

 

「………。」

 

「星君、どうしたの?」

 

「…ああ。もしかして、と思ってな。」

 

「な、何ですか。星先生…。」

 

「前回からの野伏の行動。ある仮説を立てれば、納得できる。」

 

「ある仮説?また仮説だべ?」

 

「…野伏に死ぬ気がなかったとしたら。そんな仮説さ。」

 

「なっ…。」

 

「えっと…死ぬ気になってre bornなら分かりますが…死ぬ気がなかったって…?」

 

(星君が言いたいのはーー…)

 

1. 修験者は不老不死だった

2. 野伏は間違って死んだ

3. 野伏は蘇りの薬を飲んだ

 

 

 

「思い出すなぁ。ボクも若い頃は不老長寿を探し求めて各地に遣いをやったり、ナメック星を訪れたりしたものだよ。」

 

「時の帝もしくはフリーザ様ですか!」

 

 

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「そっか…。野伏君は生き返るつもりなのかもしれない。」

 

「な、な、なぁ?!」

 

「前回の事件で野伏は蘇りの薬が本物だと知った。そして、今回の事件を起こした。つまり…」

 

「野伏さんはドアの仕掛けで死んだのではなく、自身で蘇りの薬を飲んだ?」

 

「可能性はある。その場合、教会内の温度や野伏が使った”氷の何か”にも説明がつくと思わねーか?」

 

(星君が口に指を当ててゴン太を見た。)

 

(蘇りの薬を飲んだ野伏君。彼が使った”氷の何か”とはーー…)

 

 

閃きアナグラム2開始

 

       り    の
 う         つ  
               わ   こ お

 

閃いたよ!

 

 

 

氷の器だよ!野伏君は、氷の器に蘇りの薬を入れて、教会に持ち込んだんだ!」

 

「な、な、何だってーー!?」

 

「野伏さの死体周りには薬の入れモンもながったかんな。氷の器に入れてたんなら納得だべ。」

 

「まさか…わざわざ寒い教会内に立て篭もったのは…氷を溶かさないため…?」

 

「そして、ストーブを使って証拠隠滅し、身体も冷やすために冷水を被った…?」

 

「うん。そのストーブを使ったタイミングで、カネタタキさんが鳴いたんだ。」

 

「フッ…これが真実なら、全て あいつの手のひらの上だったってことだな。」

 

「え?本当…です?本当に、野伏先生の自殺…?というか、野伏先生も死んでない?」

 

「そ、そんなら、桐崎さはクロじゃねーべ!」

 

「ああ。野伏の筋書きは恐らく…俺たち全員がクロの選定ミスで死に、野伏は生き返る。こんなところだろう。」

 

「この中にターゲットがいれば家族全員 助かるし、いなくても…野伏君は自身を殺したクロとして出られるんだ。」

 

「………。」

 

「やっぱし桐崎さはクロじゃねっぺよ!えがっだだなぁ、桐崎さ!」

 

「ええ。うっ…。これで、誰も死ぬことはないのです。」

 

(みんなが桐崎さんへ目を向ける。)

 

「…えっと、あの…でも、ちょっと待った!!」

 

(なんだか複雑な顔をして、叫んだ。)

 

 

反論ショーダウン 開始

 

「皆さんの気持ちは嬉しいですが…死因が蘇りの薬だなんて断定は危険じゃないですか?」

 

「だ、だって…野伏先生にとって死んで欲しいのはターゲットの可能性が高い人ですよ!」

 

「だから、クロ候補生のボクや華椿先生をクロにしてシロを全滅にしたかったのでは?」

 

「ドアの仕掛けやシャンデリアで自分が死に、クロ以外を死なせて野伏先生は復活…これが彼の計画だったはずです。」

 

「えっと…発見アナウンスからシャンデリアが死因ってことはないと思うけど…。」

 

「あ、はい。そうです。華椿先生はクロじゃない。」

 

「つまり、死因はメスの毒が廻って。これですよ。」

 

「野伏先生はボクをクロにしたかったんですから。」

 

「野伏先生は、先に蘇りの薬を飲んでおいて、ボクにドアの仕掛けで殺され、それから蘇ろうとしたんですよ!」

 

【死者の書】→死因はメスの毒

【前回の裁判】→先に薬を飲んだ

【死者の書】→先に薬を飲んだ

 

 

 

「だいたい死んだ生き返る系の話って苦手なんですよ!ゾンビとか吸血鬼とか007とか!全部 化け物です!」

 

「……ご、ごめん。」

 

「ハッ!ゴン太先生も生き返ってますけど…その、例外というか。ほら、心優しきモンスターですから!」

 

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「それは違うよ!」

 

「モノクマが言ってたよね?蘇りの薬は、死後 薬を飲ませることで効果が出るって。」

 

 

「その名の通り、死者が蘇る薬が作れるの。死後 薬を口を入れるだけで生き返らせる薬だよ。」

 

 

「ああ、なんか研究室が開放された日、チラッと言ってただな。」

 

「うん。ちなみに、死んでなくても蘇りの薬を飲んだら、眠るように心停止するよ。」

 

「そして、死後数時間後に蘇ることができるの。間違いなく心停止して血液凝固も起こっていたのに。」

 

「ホ、ホラーじゃないですか…。」

 

「服薬の前に殺された場合は、数分以内に薬を飲むことが条件で生き返ることが可能だよ。」

 

「殺された時の外傷は少し残るけど、まあまあ回復した状態で戻ってこられるよ。」

 

「ちなみに、毒の解毒効果はないから、毒殺で身体に毒が回っている場合は その限りではありません!」

 

「そんなものが開発されたのであれば…人類史上最大最高の歴史的偉業となるはずですが…。」

 

「うぷぷぷぷ。まあ、これはフィクションですからね。」

 

「オラは辛い思いして死んだなら、もう放っておいて欲しいだなぁ。蘇生とかいらね。」

 

「な、何をー!蘇ったら肌もツルツル!高血圧、糖尿病、腰痛、五十肩、全部 治るんだぞー!?」

 

「何で中高年の症状ばっかりなんですか!?」

 

「…ゴン太は野伏に殺された後に薬を飲ませられていたが、そうじゃなくても蘇りは起こたってことだな。」

 

「ただ飲ませるだけで良かったということですね。」

 

「えーと…それでもゴン太先生を殴ったのは日頃の鬱憤的なことなんでしょうか?」

 

「とにかく、モノクマの言うことを信じるなら、先に薬を飲んでメスの毒が死因となったという推理は否定された。」

 

「えっと…。」

 

「メスの毒で死んだ後、野伏自ら蘇りの薬を飲むことは不可能だ。つまり、メスの仕掛けは死因じゃねー。」

 

「あんたが野伏を殺したクロにはなり得ねーってことさ。」

 

(星君が桐崎さんを真っ直ぐ見て言った。温かい、優しい声だった。)

 

「お父さ…じゃなかった。星…先生。」

 

「桐崎さん、良かったよ!」

 

「皆さん、ありがとうございます…。こんな、ボクを信じてくれて……。」

 

(桐崎さんはポロポロと涙を流して拳を掲げ、元気に こう言った。)

 

「この御恩は一生を掛けて返します!毎日、皆さんの靴を舐め回します!」

 

「必要ねぇべ。ぜってぇ。」

 

「シャンデリアの下敷きに…なったにして、は、出血 少ないと、思っでばしたが…ゔわあぁぁああん。」

 

「…華椿先生。ボクより泣かないでくださいよ。」

 

(良かった。諦めなくて。本当に。)

 

(安堵の息を吐いた時、)

 

「野伏が蘇る可能性があるなら、もう1度 死体の状態を確認しておく必要があると思うんだが。どうだ?モノクマ。」

 

(星君が全員に向かって言った後、モノクマに視線をやった。)

 

「えー?ダメだよ。キミらの裁判では途中退席はトイレ休憩以外、認めてないの!無印2章は例外だったの!!」

 

「また訳の分からないことを。」

 

「…蘇りの薬なんて物が使われた可能性もあるんだぜ?野伏が生き返るかくらいの検証は必要なんじゃねーか?」

 

「んだんだ。つぅか、野伏さが生き返んなら、この裁判だって意味ねーべ。」

 

「そ、そもそも!蘇りの薬なんてミステリ十戒に反してます!反則です!犯人当てとして致命的ですからね!?」

 

「確かに、急に筋肉隆々になる薬とか、男→女の変身とか、突如 登場するダミーの死体とか、致命的だけども〜。」

 

「何の話ですの。」

 

「過去の話。とにかく、退席は認めません!もう総会とかで決まってるの!スポンサーやら株主やらの意向なの!!」

 

「…クールじゃねーな。野伏が生き返ったら どうするんだ?」

 

「生き返らないから安心しなよ!!」

 

「えっ。」

 

「あ、言っちゃった〜。」

 

「……どういうことだ?」

 

「…だから、野伏クンは生き返らないよ。いくら待っても。」

 

「え?だ、だって、今までの議論で…」

 

「知らないよ、間違ってたんじゃなーい?」

 

「そんな…。」

 

「落ち着け。前回と今回の事件での奴の行動から、1番 可能性が高いんだ。」

 

「そ、そうですよ…ね?結局、メスで死んだ…とかではないですよね?」

 

「蘇りの薬が失敗だったんでねっか?」

 

「けれど…同じ薬で獄原さんは生き返りました。」

 

(そうだ。ゴン太は、1度 蘇ってる。それを知っていた野伏君は、同じ薬を飲んだはずなんだ。)

 

「ゴン太は生き返ったけど…野伏君は生き返らないの?」

 

「やっぱり…ゴン太先生が特別に頑丈な霊長類だったということでしょうか?」

 

「うぷぷぷぷ。裁判の途中退席は認めないけど、現場の写真は見せてやるよ。シャンデリアから出した死体のもね。」

 

(混乱するゴン太たちを尻目に、モノクマが嬉しそうに取り出したのは、数枚の写真。そこには現場に横たわる野伏君が写っている。)

 

(顔も捜査時間に想像していたようなグシャグシャの状態ではなく、綺麗な状態だった。)

 

「やはり…血は出ていますが、シャンデリアに潰されたにしては…出血量も損傷も少ないですね。」

 

「んだな。だとも…何だべ、この顔。」

 

「ああ。これは…。」

 

(野伏君は苦悶の表情で固まっている。その顔は、前回事件のファイルで見た”彼女”と同じような顔だった。)

 

「前回の被害者…虎林さんと同じ…苦悶の表情ですね。」

 

「えっと…えーと…前回、蘇りの薬を飲まされたゴン太先生の表情は分かりませんでしたけど…。」

 

「野伏は…本当に蘇りの薬を飲んだのか?薬を飲んで死んだら眠るように死ぬという話だっただろ?」

 

(そうだ。おかしい。さっきモノクマが言ってたことと、この写真は辻褄が合わない。)

 

(もしかして、野伏君が飲んだ薬はーー…)

 

1. イーストックの失敗薬

2. 薬品A

3. 薬品B

 

 

 

「雲外蒼天の極みだ。」

 

「えっと、宇宙は晴れ…みたいな意味だったよね。ゴン太は間違えてても天晴れってこと?」

 

「深読みしすぎてポジティブシンキングの権化のようになってる!」

 

 

back

 

 

 

「そっか…。野伏君が飲んだ薬は、イーストック君が作った薬の方だったんだ。」

 

「まさか…野伏が薬を間違えたって言うのか?」

 

「あり得ますわね。あの部屋の小瓶は全て同型同色。わたくしなら確実に間違えます。」

 

「間違えっけ?自分が飲む薬だぞ?もっと慎重になっぺよ。」

 

「ああ。ゴン太で実験した後、野伏は薬を研究室に戻しただろうが、机に置くとは思えねー。どこかに隠すはずだ。」

 

(そこで、ゴン太は捜査時間と一昨日の研究室の様子を思い浮かべた。)

 

 

(その近くに置かれた無色透明の液体が半分くらい入った小瓶は机上に散らばる空の小瓶と同型同色だ。)

 

(傍の棚の目立たない所にライトが落ちている。その隣にも無色の液体が半分くらい入った小瓶がある。)

 

(机の上には乱雑に薬や小瓶が置かれたまま。イーストック君が作ったという薬が半分入った小瓶もある。)

 

(ブラックライトが置かれていた棚ーー空の小瓶が置かれた棚を見て、拾ったまま部屋に置きっぱなしの物を思い出した。)

 

 

「そっか…。」

 

「捜査時間、机の上の小瓶の中身は減っていなかった。代わりに、棚の奥にあった小瓶の中身がなくなっていたんだ。」

 

「…何だって?」

 

「だば、棚にあった方がイーストックさの薬だったっちことけ?」

 

「机の上に野伏さんの薬、棚にイーストックさんの薬。野伏さんは棚の薬を誤って飲んでしまった…と?」

 

「……。」

 

「イーストッククンの薬は紛うことなき失敗作だよ。ブラックライト当てても七色に光らないからね。」

 

(モノクマの言葉で裁判場が静まり返る。全員、再び震え出す彼女へ視線を向けた。)

 

「さ〜て、ゴン太クン!それでは、真犯人の指摘と行きましょうか!この事件のクロは誰でしょ〜か!」

 

▼事件の真のクロは?

   

 

 

 

「あれあれ〜?どったの?早く本当のクロを指摘しなよ!それとも、やっぱり『バカだから』って逃げたいの?」

 

「……。」

 

(ゴン太は、真実から逃げない。)

 

 

back

 

 

 

「……真のクロ。それはーー…」

 

(ゴン太が口を開いた瞬間だった。)

 

「雲外蒼天の極みだ!」

 

(星君が裁判場に声を響かせた。)

 

 

理論武装 開始

 

「やれやれ…。モノクマに踊らされて…クールじゃねーな。」

 

「野伏が苦悶の表情を浮かべていたから、飲んだのはイーストックの失敗作だ。それは早計だぜ?」

 

「まだ、他にも可能性がある。」

 

「例えば、メスの毒だ。野伏はメスに塗られた毒により苦悶の表情を浮かべていた可能性がある。」

 

「だが、メスの毒が直接的な死因にはなり得ねー。モノクマも、蘇りの薬に他の毒の解毒効果はないと言ってたろ。」

 

「生き返る算段だった野伏が、そんな致死量の毒をメスに塗ることはねーはずだからな。」

 

「俺は もう…誰の命も諦める気はねーぜ。シロクロはっきりしてーんなら、あんたの考えを話してくんな。」

 

どうして野伏がイーストックの失敗薬を飲むことになったかをな。」

 

○入れ  △薬  ×替え  □の

 

これで終わりだよ

 

 

 

「…野伏君の蘇りの薬とイーストック君の薬は入れ替わってた…いや、入れ替えられていたんだ。」

 

「一昨日、ゴン太が研究室に入った時…無色の薬品が半分くらい入った小瓶が机の上と棚にあった。」

 

「あと…教会内にあったブラックライトが棚の小瓶の隣にあったんだ。ある人が図書館を出た後に。」

 

「ある人って…。」

 

「桐崎さん。ブラックライトは、桐崎さんが置いていった物だよね。」

 

「……。」

 

「ええ。教会で見つけたブラックライトにテンション上がって、研究室の薬品に光を当てて眺めてました。」

 

「棚の隅にあった小瓶…野伏先生の薬を机に置き、代わりに机にあった小瓶…イーストック先生の薬を棚に片付けて。」

 

「笑っちゃいますね…。こんなことで…。」

 

「オメが…机と棚の薬を入れ替えたんだべ?な、何で、そたらことすただ!?」

 

「……父の教えですね。盗人は部屋を分かりやすく荒らさない。できるだけ元通り去るんです。」

 

「何も盗むつもりなんてありませんでしたけど…そんなところだけ…模倣してしまいました。」

 

「それでは…貴女様が薬と毒を入れ替えたことに…?」

 

「そういうことに…なるんでしょうね。」

 

「……。」

 

(裁判場がシンと静まり返る。悲しげな桐崎さんの顔を見つめていると、胸が締め付けられた。)

 

「はいはいはいはい!議論の場で黙り込まない!この章はラストへの布石なんだから、サクサク行くよ!」

 

「じゃ、ゴン太クン!イレギュラーのキミが代表で、いまいち説明不足な本事件の説明を どうぞ!」

 

「……。」

 

(モノクマの楽しげな声に促され、みんなと顔を合わせる。)

 

(桐崎さんが小さく頷いたのを確認して、重い口を開いた。)

 

 

クライマックス推理

 

「事件が起きたのは今日の昼。最初の犯行を告白した野伏君は、冬ノ島の教会に立て篭っていた。」

 

「彼は焼死体で発見された”高橋 実”君を殺した犯人で、前回ゴン太を殴った犯人だった。」

 

「そして、今日の正午までに『自分を殺せ。さもないとゴン太たち全員を殺す』と宣言した。」

 

「もちろん、ゴン太たちは言う通りにする気はなかった。それぞれ1回ずつ、説得を試みたんだ。」

 

「4回目の合図の後、犯人は説得のため教会に訪れた。そして、野伏君に誘導されて裏口から教会内に入ろうとした。」

 

「けれど、そこには取手を動かすと放たれるメスの仕掛けが施されていた。」

 

「野伏君は犯人によって飛ばされたメスを肩に受けた。」

 

「もしかしたら、野伏君は犯人が教会内に入ってくると思っていたのかもしれない。」

 

「けれど、犯人はメスの仕掛けや教会内の状況に気付くことなく、その場を後にした。」

 

「そして、次の華椿さんの順番で、野伏君は華椿さんにシャンデリアを落とさせた。」

 

「教会裏で転んだ華椿さんがシャンデリアを支えるロープを切るように仕向けたんだ。」

 

「たぶん…彼は敢えてシャンデリアの下に入って、シャンデリアの下敷きで死んだように見せたんだ。」

 

「でも、シャンデリアも本当の死因じゃなかった。野伏君の死因は、その前に自身で飲んだ蘇りの薬。」

 

「彼が そんなことをした理由は、ゴン太たち全員を おしおきさせた後、蘇りの薬で生き返るためだ。」

 

「そうすれば…『大量殺人』をしなくても、”ターゲット”を殺すことができるかもしれない。彼は そう考えたんだ。」

 

「けど…この計画にも誤算があった。」

 

「野伏君が作った蘇りの薬とイーストック君の失敗薬を犯人が入れ替えていたことだ。」

 

「野伏君は蘇りの薬ではなく、失敗薬を飲んで…蘇ることなく死んでしまった。」

 

「そして…意図することなく、この結果にしてしまった犯人…この事件のクロは…」

 

 

「………。」

 

(ゴン太は、そこから言葉を発せなかった。)

 

(彼女がクロだなんて…おかしすぎる。)

 

「あれれ?自信なくなっちゃった?」

 

「そうだよね。オマエラが導き出した今回のクロ、名前も”超高校級”も本物じゃないし。呼び方 分かんないよね。」

 

「……。」

 

(ーーううん。ゴン太は諦めない。絶対に、彼女を殺させない。これ以上、仲間を死なせない。)

 

「ま、いっか。ではでは、いつもの時間に参りましょう。ワックワクでドッキドキの投票ターイム!」

 

(ゴン太が桐崎さんへ向き直った、その時、モノクマが楽しそうに言い放った。)

 

「ーーと、言いたいところだけど。とりあえず保留。」

 

「!?」

 

「え?」

 

「ここからは、この世界の真実について、議論してもらいまーす!」

 

「…どういうことだ?」

 

「この事件については解決したのでは?」

 

「今回の事件の おしおき前に、このコロシアイについての議論もしてもらおうと思うんだ。」

 

「このコロシアイについて…?」

 

「そうそう!クロ候補生とは何だったのか?ターゲットとは何なのか?このコロシアイは何だったのか?」

 

「んなもん、オメが無理矢理させてた悪趣味なゲームだろ!」

 

「んー、残念。不正解。ボッシュート。スーパーヒミコちゃん人形獲得ならず!」

 

「何を…言ってるんですか?」

 

「察しが悪いなぁ。言ってしまえば、5章は終了。6章を始めましょう!ってこと!!」

 

「…フッ。訳が分からねーが…。」

 

(モノクマの高らかな宣言の後、星君がモノクマとゴン太を交互に見た。)

 

(目を合わせると、彼は桐崎さんに視線を移しながら続けた。)

 

「とにかく、議論は続くらしい。…処刑の前に、な。」

 

(ゴン太も彼の目線に頷きを返す。)

 

(ーー分かったよ、星君。この間に、桐崎さんの処刑を止めるんだ。)

 

(ゴン太はジトリと汗が滲む両手を握りしめた。)

 

 

Round. 5 教会とカネの音と私 完

Round. 6へ続く

コメント

  1. 更新ありがとうございます!
    密かに気になっていた蔵田ちゃんの船の謎が解明され、野伏くんのクレイジー行動が解明され、物語がいよいよ終盤でドキドキしてきました…
    伏線回収ありがたいけど寂しい複雑な気持ちです。
    本家ロンパもこちらのサイト様のロンパも毎回衝撃の第6章が始まりそうで今からワクワクもしています、次回も楽しみにしていますね♪

    P.S.いつも丁寧にお返事をくださってありがとうございます…!勢いのままコメントして迷惑じゃなかったかな、と思うこともあったのでありがたかったです!!

    • コメントありがとうございます!散らかした伏線やらキャラクターのことについて気にしていただけていて、その寛大さにドキドキしてきました…。面白さも完結できるかも担保できない二次創作をお読みいただき本当に有り難い限りです♪P. S. 本当に毎回応援コメントをいただけたことを励みに、失踪せずに書き続けられました。あなた様には感謝でいっぱいです。残りわずかなゴクハラロンパをよろしくお願いします◎

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