海外の反応「なぜ日本語はオノマトペ多い?」理由を英語・例付きでわかりやすく解説

日本語

先生、今日はポカポカですねぇ。It’s such a warm and pleasant day today, isn’t it?

そうですね。ホカホカのパンでも食べたい陽気です。…なんて、私はお弁当派ですが。Yes, it is. It feels like the perfect weather to eat some freshly baked, fluffy bread… Though I usually bring a bento lunch.

もう、お腹が空いたからって、お弁当箱をパカパカしないでくださいよ。Hey, don’t start opening your lunchbox just because you’re hungry!

いやあ、朝ごはんを食べ忘れてお腹がペコペコですよ。Haha, I forgot to eat breakfast this morning, so my stomach is growling!

…さて、今の会話ですが、日本語中級レベルの外国人でも意味不明かもしれません。Now then, this conversation might be confusing for intermediate-level Japanese learners.

わっ、急に先生モード!確かに…「ポカポカ」「ホカホカ」「パカパカ」「ペコペコ」なんて、外国人にとっては意味が分かりませんね。Teacher mode, activated! Indeed — words like “pokapoka,” “hokahoka,” “pakapaka,” and “pekopeko” can be difficult for foreigners to understand.

「ポカポカ」「ホカホカ」「パカパカ」「ペコペコ」などの、音や様子を表す言葉をオノマトペ(onomatopoeia)といいます。ここでは、オノマトペとは何か、どうして日本語にはオノマトペが多いのか、海外の反応やオノマトペ一覧を意味や使い方、例文、英語を交えて見ていきましょう。

These kinds of words that describe sounds or states are called onomatopoeia (オノマトペ) in Japanese. In this lesson, we’ll explore what onomatopoeia is, why Japanese has so many of them, how people abroad react to them, and go through a list of common examples — including their meanings, usage, example sentences, and English equivalents.

 

オノマトペの意味は?語源はフランス語

オノマトペとは、音や様子を表す言葉。例えば、「ざあざあ」(雨が激しく降る音)、「ぴかぴか」(光り輝く様子)、「ふわふわ」(軽くて柔らかい様子)などがあります。

Onomatopoeia refers to words that express sounds or states.
For example: “zaa-zaa” (ざあざあ) — the sound of heavy rain falling,“pika-pika” (ぴかぴか) — something shining or sparkling,“fuwa-fuwa” (ふわふわ) — something light and soft. 

日本人の国語教育では、オノマトペは擬音語ぎおんご擬態語ぎたいご(または擬声語ぎせいご)と勉強します。

オノマトペとは…
擬声語:人や動物の声「鳥がピーピー鳴く」「犬がワンワン吠える」
擬音語:物の音(実際に音がする)「ドアをバタンと閉める」「ゴクゴク飲む」
擬態語:人・動物や物の様子(実際に音はしない)「シンと静まり返る」「旅行が楽しみでワクワクする」

オノマトペ(onomatopoeia)はフランス語から来た言葉ですが、語源は古代ギリシア語の「オノマトペイアonomatopoiia」…「言葉を創ること・名付け」という意味でした。

 

日本語のオノマトペの特徴

外国語に比べて、日本語は非常に多くのオノマトペが存在します。これらのオノマトペは、音や感覚を生き生きと表現するために、日常生活の中で頻繁に使われています。

例えば、英語でのオノマトペは動物の鳴き声や乗り物や自然の音がほとんどであるのに対し、日本ではこれらに加え、物や生き物の様子を表すオノマトペも使われます。日本人は幼少期から非常に豊富なオノマトペに触れ、場面ごとに適したものを選んで使っています。

Compared to other languages, Japanese has an exceptionally large number of onomatopoeic words. These expressions are frequently used in everyday life to vividly describe sounds, feelings, and sensory experiences. For example, in English, onomatopoeia is mostly used to describe animal sounds, vehicle noises, or natural sounds — like meow, buzz, or crash. In Japanese, however, onomatopoeia also describes conditions, movements, and emotional states of people, animals, or objects. From a very young age, Japanese people are exposed to a rich variety of onomatopoeic expressions, and they naturally learn to choose the most appropriate one for each situation.

英語の場合、オノマトペといっても動詞として使うことも多いようです。「(水が)ポタポタ」を「drip」と表現したり。

日本のマンガの英語版とかは「ポタッ→drip」とか「ヒソヒソ→wisper」のように翻訳されていますね!

 

海外の反応「日本語のオノマトペ多すぎ!難しい!」

日本語のオノマトペは日本語を学ぶ外国人にとって、鬼門。中級レベル(N2レベル)ぐらいで大量に触れるオノマトペは、一見シンプルに見えるものの、意味の違いや使い方の微妙な違いが難しいと感じられることが多いようです。実際に私がこれまで出会った外国人たちによる海外の反応はこちら。

「日本語の勉強を頑張ってるけど日本人の言うことがわからない理由が分かった。オノマトペだ!!」(ドイツ)
「日本人は日常会話の中でもオノマトペをたくさん使う。勘弁してくれ。」(セルビア)
「日本語がだいたい読めるようになってマンガを買ってみたけど、画面の至るところに書き込まれたオノマトペの意味が分からない。」(アメリカ)
「オノマトペは非常に興味深い。覚えるのが楽しいかはともかくとして、おもしろい。」(香港)
「感覚的なことだから私には理解できない。『さらさら』と『つるつる』は何が違うの?」(スウェーデン)
「オノマトペの細かな違いを理解し使いこなすことが、日本語学習者のひとつの挑戦となりそうです。」(タイ)
「漫画が好きだからオノマトペは漫画で覚えたけれど、同じ音でも漫画家によって表現が違ったりする。」(中国)

「オノマトペ面白い、興味深い」という意見と、やはり「オノマトペ難しい大変!」という意見がありますね。

 

日本語のオノマトペの数はいくつあるの?

日本語のオノマトペは非常に多く、その数は他の言語と比べても豊富です。日本語の特徴のひとつはオノマトペの多さだと言っても過言ではありません。

では、日本語のオノマトペの数はいくつなのでしょうか。ある日本語のオノマトペ辞典には、なんと4500語のオノマトペが収録されています。英語のオノマトペが1000〜1500語、フランス語が600語程度であることを考えると、その多さが分かりますね。さらに、日本語のオノマトペは辞書に収録されていない言葉も含めれば10000語以上にもなるそうです。

How many onomatopoeic words are there in Japanese? According to one Japanese onomatopoeia dictionary, there are around 4,500 entries.
In comparison, English is said to have about 1,000 to 1,500, and French roughly 600.
This shows just how abundant onomatopoeia is in the Japanese language. Moreover, if we include expressions not listed in dictionaries, the total number of Japanese onomatopoeic words is estimated to exceed 10,000.

ひえっ…そうなると日本人でも正しく理解できるか分からないオノマトペもありそうですね…。

 

なぜ日本語はオノマトペが多い?その理由は

なぜ、こんなに日本語のオノマトペは数が多いのでしょうか。その理由のひとつは、動詞の少なさにあります。例えば、「笑う」という表現。英語の「笑う」には、バリエーション豊かな動詞が存在します。

Why does the Japanese language have so many onomatopoeic words?
One major reason lies in the limited number of verbs in Japanese compared to other languages. For example, let’s look at the verb “笑う (warau)”, which means “to laugh.”
In English, there are many different verbs that express various kinds of laughter — such as giggle, chuckle, snicker, smirk, burst out laughing, and so on.

英語の「笑う」一覧:
Laugh…笑う
Giggle…くすくす笑う
Chuckle…くっくっと笑う、含み笑いをする
Grin…にっこり笑う
Smirk…にやにや笑う
Snicker…(陰で)くすくす笑う
Guffaw…大笑いする
Roar…どっと笑う、大声で笑う
Snort…鼻で笑う
Chortle…(喜んで)くっくっと笑う

これらの英語の動詞は、笑いの程度や状況に応じて使い分けられます。一方、日本語には「笑う」に類似する動詞は数が多くありません。その代わりに、「にっこり」「くすくす」「にやにや」「どっ」などのオノマトペを使って表現に多様性を持たせているのです。

この多様性は、日本語の文化や言語表現において重要な役割を果たしています。特に自然の音や人々の感情、動作を細かく表現するためにオノマトペが使われ、そのバリエーションが多いため、より具体的で生き生きとした描写が可能になります。

These English verbs can be used depending on the degree or situation of laughter. In contrast, Japanese does not have as many distinct verbs similar to “warau” (to laugh).
Instead, Japanese achieves expressive variety by using onomatopoeic words such as
“nikkori” (smiling sweetly), “kusukusu” (chuckling softly), “niyaniya” (grinning slyly), and “dotto” (bursting out in laughter).

This diversity plays an important role in Japanese language and culture.
Onomatopoeia allows speakers to describe natural sounds, emotions, and actions in a very detailed and nuanced way.
Because of the vast range of onomatopoeic expressions, Japanese enables more vivid and concrete descriptions, bringing words and scenes to life.

日本語オノマトペ一覧(例文・英語で説明)

前述した通り、日本語のオノマトペは日常会話の中でよく使われています。ここで、日本人が日常的に使う「泣く」「痛む」「怒る」「寝る」のオノマトペの表現の意味と使い方、例、その英語訳を一覧で見ていきましょう。

As mentioned earlier, onomatopoeia is frequently used in everyday Japanese conversation. Here, let’s take a look at some common onomatopoeic expressions that Japanese people use to describe situations related to crying (泣く), pain (痛む), anger (怒る), and sleeping (寝る). We’ll explore their meanings, usage, example sentences, and English translations in a clear and easy-to-understand list.

これらのオノマトペ表現はJLPTでもよく出題されますね。

 

泣く・泣き方のオノマトペ一覧

しくしく…小さな声で静かに泣く様子 Crying softly and quietly, in a subdued tone.

例文:「彼女はしくしく泣いていた。」She was quietly sobbing.

わんわん…大きな声で激しく泣く様子 Crying loudly and intensely, often used for children.

例文:「子供はわんわん泣き出した。」The child burst into tears loudly.

めそめそ…弱々しく長時間泣く様子 Crying weakly or continuously for a long time, often expressing

例文:「彼はいつまでもめそめそしている。」He keeps whining and crying.

痛む/痛みのオノマトペ一覧

ずきずき…鋭く繰り返す痛み A sharp, continuous, throbbing pain.

例文:「頭がずきずき痛む。」My head is throbbing with pain.

ちくちく…針で刺すような軽い痛み A light, pricking or stinging pain, like being poked with needles.

例文:「傷口がちくちく痛む。」The wound is pricking with pain.

ひりひり…火傷や炎症の後のヒリヒリする痛み A burning or smarting pain, often after a burn or skin irritation.

例文:「日焼けで肌がひりひりする。」My skin stings from sunburn.

怒る・怒りのオノマトペ一覧

ぷんぷん…怒っていることを露骨に表現する様子 Showing anger openly; visibly angry or pouting.

例文:「彼女はぷんぷん怒って部屋を出た。」She stormed out of the room, visibly angry.

かんかん…激しく怒る様子 Furious; extremely angry and ready to explode.

例文:「彼はかんかんに怒っていた。」He was furious.

むかむか…怒りや不快感で胸がむかむかする様子 Feeling irritated, sick with anger or disgust.

例文:「彼の発言にむかむかした。」His remarks made me feel sick with anger.

寝る・眠りのオノマトペ一覧

ぐっすり…深くよく眠る様子 Sleeping deeply and soundly.

例文:「彼はぐっすり眠っている。」He is sleeping soundly.

すやすや…静かで穏やかな眠りの様子(特に子供などに使う)Sleeping peacefully and quietly, often used for babies or children.

例文:「赤ちゃんがすやすや眠っている。」The baby is sleeping peacefully.

うとうと…浅く、居眠りする様子 Dozing lightly or nodding off.

例文:「彼は授業中にうとうとしていた。」He was dozing off during the class.

これらのオノマトペは、日常生活で感情や感覚をより具体的に表現するために使われる重要な言葉です。英語に訳す際には、ニュアンスを完全に伝えるのは難しいですが、それぞれの感覚や状況に近い表現を心がけています。

These onomatopoeic expressions are essential in everyday Japanese, as they make it possible to express emotions and sensations more vividly and specifically.
When translated into English, it can be difficult to convey their full nuance, but each example here represents the closest equivalent in feeling or situation.

 

外国人へのオノマトペの教え方

オノマトペは日本語の豊かな表現力を象徴するものですが、その多様性ゆえに学習者にとっては難解な部分でもあります。

実際の場面の使用例を提示する

効果的な教え方としては、実際の場面での使用例を通じて学ぶ方法があります。たとえば、映像や音声を使って、その場面で使われるオノマトペを聞き取ったり、意味を推測したりする練習が有効です。また、オノマトペのニュアンスを理解するために、イラストや具体例を多く用いることも効果的です。

教え方の例:
(雨が少し降っているビデオを見せる)「どんな音がしましたか。」
(雨が少し降っている絵を見せる)「どんな音がすると思いますか。」
→「サラサラ」「ポタポタ」「ピチャピチャ」などを学習
→(関連するオノマトペも学習)「ザアザア」「ゴロゴロピカッ」「びしょびしょ」「どろどろ」

ゲーム・クイズで教える

さらに、学習者がオノマトペを日常的に使えるようにするためには、ゲームやクイズ形式の練習を取り入れることが推奨されます。

例えば、特定の状況を表現するオノマトペを選ぶゲームや、聞いた音を元にオノマトペを当てるクイズなどが挙げられます。こうした実践的なアプローチは、オノマトペの自然な習得を助けると同時に、学習の楽しさを高める効果があります。以下はおすすめのオノマトペゲーム。

私はとりあえず「マンガを読んでみてください」と言いますね。だいたいの人は喜んでマンガで勉強してくれます。

参考:日本語学習者におすすめの漫画15選

 

日本語のオノマトペは奥が深い

いかがでしたか?日本語は他国語と比べてオノマトペの数が非常に多い、特徴的な言語です。それこそ、サイト上で一覧にしたら大変なことになるくらいです。

感覚的で学習が難しいオノマトペですが、日常生活で日本人は多用しています。日本語を勉強する外国人学習者には難しいですが、クイズやマンガをなどを通して楽しく勉強してもらいたいものですね。

 

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