商標名とは?商標名と商品名の違いは?
「セロテープ取って」「ムヒ買った?」などのように、「テープ」や「痒み止め」を表す場合が多くあります。
この「セロテープ」や「ムヒ」は商標名/商品名。
まずは、この商標名や商品名について、詳しく見ていきましょう。
商標名とは
商標とは、商品の商品名やサービスマークのこと。
商標名と商品名の違いとは
商標名と商品名の違いは、文房具とペンの違いに似ています。
つまり、商標名は商品名を含むということであり、商品名の上位互換ということです。
商標を登録するメリットとは
商品名やサービスマークを商標名として特許庁に登録することで、その商標に商標権が与えられます。
商標権が得られれば、その商標を自社だけが使用できる権利を得られ、同業他社の似た商品と差別化が図れます。
商標名は更新することで半永久的に権利を行使できます。
万が一、権利が侵される場合は賠償金を請求できます。
商標かどうか調べるにはどうする?
企業の企画や広告担当者は、他社の商標を知っておく必要があります。
たとえわざとでなくても、他者で登録したものを自社商品に使ってしまえば、賠償金請求の対象になるからです。
どのように調べるのでしょうか?
ズバリ、特許情報のプラットフォームで調べましょう↓↓
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商標登録されているけれど、一般名として使用が許可されている商標名もたくさんあります!
一般名のように使用される商標名/商品名
さて、商品名や商標名が一般名のように使用されることはよくあることです。
これらの商標名を英語や外国語だと勘違いする例は多いですが、外国で通じないことが多いのでご注意を!
営利目的の宣伝活動に商標を用いると賠償金請求されることもあるので、さらにさらにご注意を!
味の素
味の素は、アジノモトの登録商標名。
1952年に商標登録されました。
一般名称は、うま味調味料。
ウォシュレット
ウォシュレットは、TOTOの温水洗浄便座の商品を表す商標。
ちなみに、LIXILでは「シャワートイレ」の名前で商標登録しています。[/word_balloon]
コロコロ
コロコロは、ニトムズの登録商標名。
漫画雑誌ではなく、粘着シートがロール状に巻かれた筒状の掃除用具です。
1987年に商標登録されました。
サランラップ
サランラップは、旭化成ケミカルズの商標。
1952年に旭化成と米ダウケミカル社が提携して日本で発売されました。
商標登録は、1965年。
「サランラップ」は、アメリカでも広く使われており、ダウケミカル社の商標名「サランラップ」を一般名として使うこともあります。
スマホ
スマホは、日本健康科学研究センターの登録商標。
スマートフォンのタッチパネルを汚さない同社は「スマホ・クリーンタッチ」という商品を発売しています。
セロテープ
セロテープは、ニチバンの商標名。
国産初のセロファンテープの商品で、発売初期には国内で競合がいなかったため、一般名化しました。
ちなみに、セロファンテープを世界で初めて商品化したのは、イギリスのセロテープ社でした。
宅急便
宅急便は、ヤマトホールディングスの商標。
宅配便は、登録されていない一般名です。
タッパー
タッパーは、米タッパーウェア・ブランド社の商標名。
1963年から日本で発売され、1966年に商標登録されました。
一般名は、プラスチック容器。
デジカメ
デジカメは、三洋電機の商標。
しかし、デジタルカメラの略称として、使用が許可されています。
バンドエイド
バンドエイドは、ジョンソン・エンド・ジョンソンの商標。
一般名は、絆創膏。
アメリカ英語では「band-aid」で通じますが、英語の一般名は「plaster」。
プチプチ
プチプチは、川上産業の商標名。
物を包む緩衝材として同社が1967年に独自式のプチプチを開発、1994年に商標登録されました。
企業によって「エアクッション」「エアキャップ」など、呼び方を変えています。
一般名は、気泡緩衝材。
プラモデル
プラモデルは、日本プラスチックモデル工業協同組合の商標名。
一般名は、プラスチックモデルキット。
フリーマーケット
フリーマーケットは、日本フリーマーケット協会の商標。
今でこそ英語で「free market」ですが、「自由な市場」という意味の呼び名は日本独自かつ最近のものです。
フリーマーケットのルーツは、フランス各地で行われていた「Flea Market(蚤の市)」。
教会前や公園などで、不用品や再生可能なものを売買・交換し再利用していたフランス文化が、アメリカを通して日本に入ってきたものです。
日本では1970年代後半から広がっていきますが、その際、日本フリーマーケット協会がより親しみを持てるように「Free Market」として紹介しました。
ボンド
ボンドは、コニシの登録商標名。
1952年に発売が開始され、1953年(昭和28年)に商標登録されました。
一般名は、木工用ボンド。
マジックテープ
マジックテープは、クラレの登録する商標名。
1960年から発売され、1978年に商標登録されました。
輪状のループと釣り針状のフックで面同士貼り付くマジックテープの構造は、スイス生まれ。
一般名称は、面ファスナーです。
万歩計
万歩計は、山佐時計計器の商標名。
一般名は、歩数計です。
1984年には、万歩計が商標登録がされています。
ゆるキャラ
ゆるキャラは、漫画家のみうらじゅんが考案したもの。
同氏を代表とするみうらじゅん事務所が商標名として登録しています。
ご当地キャラクターの総称として知られていますね。
ラジコン
ラジコンは、増田屋コーポレーションの商標。
リモコンで自動車やヘリコプターを動かすオモチャの名称として1956年に商標登録されました。
他社では、一般名である「ラジオコントロール(Radio Contro)」や略称「RC」表記を使用します。
一般名化した商標名=独占・寡占企業の商品?
まるで一般名のように使用される商標名/商品名をたくさんご紹介しました。
普通名詞(一般名)かと思ったら、固有名詞(商標名)だった!という驚きはありましたか?
これらの一般名化した商標名の特徴として、その商品が市場で特に有名である、独占または寡占していることが挙げられます。
商標名/商品名が一般名化していく歴史というのは、興味深いものですね!
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