オンライン日本語教師とは?求人は?
コロナという世界的脅威により、多くの仕事が失われつつあります。
そんな中、日本語教師もまた、仕事が少なくなっているのが現状です。
オンライン授業のタイプは?
オンライン日本語教師の求人の場合、毎週決まった時間にレッスンを行うタイプと、生徒が好きな時間に予約するタイプがあります。
前者は、日本語教育資格あり(プロ)の日本語教師を募集する場合がほとんどです。
一方、後者は、プロの日本語教師だけでなく、資格なしでも日本語をネイティブレベルで話せればOKというものも多いです。
毎週固定制のオンライン日本語教師の求人
…プロの日本語教師が多い
自由予約制のオンライン日本語教師の求人
…資格なしでもOK
それぞれのメリット・デメリットはどうでしょうか。
毎週固定制のオンライン日本語教師
メリット:安定して仕事できる、シラバス・授業計画が組まれている
デメリット:授業に自由が効かない、時給が安いこともある
自由予約制のオンライン日本語教師の求人
メリット:自由に授業が組める、シラバス・授業計画を変更できる
デメリット:安定して仕事があるとは限らない、準備が大変
オンライン日本語教師求人は自由予約制が多い
オンライン日本語教師の求人では、近年、生徒が好きな時間に予約を入れるタイプの求人が多く見られます。
基本的に時給制の非正規雇用が多く、月給制・正社員の求人はほとんどないと思っておきましょう。
日本語教師資格なし/資格ありの違いとは?
日本語教師の資格なしと資格ありでは、何が違うのでしょうか。
そもそも、資格とは?
日本語教師資格とは
日本語教師になるための資格は、厳密に言えば、ありません。
日本語教師には教員免許は必要ありませんし、今のところ日本語教師という国家資格もありません(2021年8月現在)。
ボランティアでも未経験でも、日本語教師として活動することは誰にでもできます。
日本語教師求人で多い資格あり/資格なしの条件
ただし、仕事を得るにはそれなりの条件があり、求人では「日本語教師資格」という言葉が使用されることもあります。
求人でよく見られる日本語教師資格とは、以下の通り。
文化庁認定の「日本語教師養成講座(420時間)」を修了する
大学または大学院で日本語教育に関する主専攻プログラム/副専攻プログラムのいずれかを修了する
「日本語教育能力検定試験」に合格する
これらのいずれか1つに該当するもの。
ここに、日本語学校によっては、「4年制大学の学士を持つ者」「〇〇語が堪能な者」などの条件がつきます。
オンライン日本語教師は資格なしでできる?
前述の通り、「日本語教師の資格」なしの人もこれからの人も、日本語教師にはなれます。
特に、オンラインの場合は、日本語をネイティブとするなら資格なしでも始めやすい環境にあるのではないでしょうか。
オンライン日本語教師の収入は?
さて、気になるのは、収入ですね。
オンライン日本語教師の収入とはどれくらいなのでしょうか。
日本語教師自体、「めちゃくちゃ稼げる!」という職種ではないことを念頭にご覧ください。
オンライン日本語教師の時給
オンライン日本語教師の時給については、媒体や教師の経験、生徒の人数やニーズによって異なります。
自由予約制のオンライン授業では、日本語教師が自分で設定する場合も多いです。
時間固定制:時給1,200~2,500円
自由予約制:時給1,000~4,500円(自分で設定する場合も)
自由予約制で自分で設定する場合、だいたい10~15%は手数料で媒体(サイト)に引かれます。
オンライン日本語教師の月収例
オンライン日本語教師の月収入の例を見ていきましょう。
- Hさん(東京/資格あり/兼業)
オンライン(30コマ):訳50,000円+日本語学校(4コマ週3):訳60,000円=110,000円
- Sさん(神奈川/資格あり/主婦)
オンライン(40コマ):80,000円
- Oさん(東京/資格あり/兼業)
オンライン(100コマ):訳150,000+他アルバイト:訳80,000円
- Tさん(北京/資格なし/学生)
オンライン(50コマ):訳25,000円
- Kさん(長崎/資格なし/兼業)
オンライン(20コマ):訳20,000円+他正社員:190,000円
- ウサギ先生(東京/資格あり/兼業)
オンライン(自由予約制100コマ):訳150,000円+オンライン(時間固定制16コマ):訳28,000円+日本語学校(2コマ週1):訳15,000円=193,000円+雑収入
オンライン日本語教師はかけ持ちがおすすめ
上の例の通り、オンライン日本語教師は必ずしも収入が良いものではありません。
主婦や学生のパートタイム、他と兼業する日本語教師も多いものです。
また、時間が自由な予約制タイプでは、「収入がない」リスクがあります。
オンライン日本語教師を目指すなら、絶対おすすめは、固定制と自由予約制のどちらも仕事を持っておくことです。
「自由予約制のみ1本で!」とやり始めても、全く予約が入らないと収入がありませんので、リスク管理が必要です。
オンライン日本語教師求人サイト・アプリ
オンライン日本語教師になりたい!
そんな人は、まずはオンライン授業を提供するサイトやアプリを探す必要があります。
以下のページでご紹介します↓
オンライン日本語教師求人サイト・アプリ比較(準備中)
オンライン日本語教師の登録方法は?
オンライン日本語教師として活動を始めるには、面接などを行うタイプもあれば、登録して審査に受かるだけで始められるタイプもあります。
メールアドレスなどから応募→面接/オンラインで模擬レッスン(1~2回)
→採用→オンライン日本語教師として登録
メディアサイトなどからアクセス→プロフィールを書く→審査
→審査通過→採用説明/面談など→日本語教師として登録
日本語のオンライン授業のやり方は?
さて、オンライン授業は、どのように行えば良いのでしょうか。
媒体によっては、授業内容や教材が決まっており、手順もしっかりしています。
が、ほとんどの場合、日本語教師に丸投げです。
「え…じゃあ会話練習しかできないの?」と思った方に、おすすめの教材をご紹介します。
【初歩/初級】いろどり 生活の日本語
オンラインの予約が入ったものの、「日本語始めたばかりです!」という学習者だったらどうしますか?
初歩のクラスでは、それこそ「ひらがな」から学ぶ必要があるかもしれません。
そんな学習者におすすめなのは、『いろどり』の教材を使った授業。
https://www.irodori.jpf.go.jp/index.html
「生活者のための日本語」を基本に、英語付きで日本語の基礎を学ぶことができます。
私は、この『いろどり』を画面共有して、音声を聞き、会話練習を行なっています。
Skypeやzoom、Googleミーティングの中に必ず「画面共有」ボタンがありますので、そこを押して使いましょう。
【初級】みんなの日本語+イラスト
日本語学校のほとんどで採用され、各国語版で印刷される『みんなの日本語』は、学習者も持っていることが多いです。
学習者が教科書を持っているなら、一緒に例文を読んだり、問題を解いたりするのもいいですね。
『みんなの日本語』に合わせた絵を提供してくれるサイトの利用がおすすめ。
私はイラストを見せながら文型を伝え、板書はチャットボックスに送り、練習問題を解いています。
【中級/上級】WEBニュース/JLPT問題/ビジネス
日本語中級者以上とのオンライン授業になると、ニーズはさまざまです。
会話練習がしたい、JLPT対策がしたい、ビジネス日本語を学びたいなど、多岐に渡るニーズに応えられると良いですね。
JLPT対策なら、お互い持っているテキストを進めていく、オンラインで提供されている問題やクイズを使用するなどが挙げられます。
WEBニュースのような生教材は、中級以降の学習者に喜ばれるので、良い教材になりやすいです。
もちろん、その人のレベルを聞いた上でニュースを探す必要があります。
オンライン日本語教師のメリット
このコロナ下において、オンライン日本語教師は時代に合わせた働き方と言えるでしょう。
もちろん、良いことばかりではありませんが、少なくとも私は「やってみてよかった」と思えることが結構あります。
どのようなメリットがあるのでしょうか?
在宅で日本語のオンライン授業ができる
コロナ下で外出自粛が叫ばれる中、在宅で仕事できるのがオンライン日本語教師の最大のメリット。
コロナ感染のリスク少なく、安心して働けますね。
通勤時間もなく、お家時間も充実します。
マンツーマンでニーズに合わせた授業ができる
オンラインでもグループ型の授業をしているものもありますが、上で挙げたものはほとんどマンツーマン型です。
マンツーマン型の良さは、学習者のレベルとニーズに完全に合わせて授業ができることでしょう。
対面型ではどうしてもレベルや理解度にバラつきが生まれ、生徒全員に合わせることは不可能です。
そして、ひとえに日本語学習者といっても、そのニーズは千差万別。
オンライン授業では、それらのニーズに合ったものを用意して行う必要があります。
オンライン授業の感想をもらいやすい
どの職業でもそうですが、日本語教師として1番嬉しいのは、生徒の役に立てること「ありがとう」と言ってくれること。
オンライン授業の後、その授業を生徒が評価し、感想を送れるようになっている場合が多いです。
対面の授業ではなかなか毎回感想などをもらうことはないので、これは嬉しい発見でした。
発音矯正がうまくいく
コロナ下で語学の上達を妨げるアイテムが必須となってしまいました。
それはなんでしょうか?
そう。マスクです。
子どもの言葉の習得は、親の模倣から始まります。
音を聞き、口の動きを真似ることで、正しい母語の発音を身につけていくのです。
大人になるとこれが自然にはできなくなりますが、口の動きを観察することで外国語の発音を身につけることができるのは大人も同じです。
したがって、日本語の発音を矯正したいときは、先生の口の動きを見てほしい。
けれど、昨今の対面型ではマスクが邪魔してままならず、もどかしい思いをしたことがあります。
オンライン日本語教師のデメリット
日本語教師がオンライン授業をして良い面もたくさんあります。
が、メリットがあれば必ずデメリットもありますね。
生徒の取り合いが起こる
日本語を学ぶために日本に来る人が少なくなり、海外への日本語教師の赴任も少ない。
そんな今、多くの日本語教師はオンラインに活躍の場を移しています。
そのため、オンラインの現場も学習者の増加より日本語教師が増加し、飽和状態になりつつあるのが現状です。
これまでの価格帯では生徒が付かず、オンライン授業を安い価格で設定する場合も増えています。
収入が安定しない
オンライン日本語教師のほとんどは、企業に雇われるものではなく、パートタイムや委託業務の扱いです。
つまりは、「フリーランスの日本語教師として生きていく」という形になります。
日本の社会保障はフリーランスにはときに厳しい場合がありますので、ある程度覚悟が必要です。
そして、日本語教師という職業は稼ぎが良いとは言えない職業です。
フリーの日本語教師というものには、あまり安定性は求められません。
オンライン日本語教師はニーズに合わせたオンライン授業ができる!
いかがでしたか?
コロナは、オンライン授業の需要の追い風となりました。
日本語教師にとって、オンラインという環境は、安定性が少し減りますが、学習者のニーズに合わせやすいといえます。
ニーズに合わせやすいということは、満足度の高いレッスンが提供できるということ。
生徒が喜んでくれるのは、日本語教師として何よりもの喜びですよね。
コロナ下でなかなか思うように仕事ができないこともありますが、私は、今は準備期間だと思って仕事をしています!
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