【美しい】と【綺麗】の違いとは?使い分け方、類語と英語もご紹介|日本語のdifferenceをわかりやすく解説


トラウマウサギ
トラウマウサギ
先生、教室を掃除しておきました。美しくなったと思いませんか?
いえ、美しくはないですが、綺麗になりましたね。
先生
先生
トラウマウサギ
トラウマウサギ
?【美しい】も【綺麗】も同じじゃないですか?
どちらも「beautiful」と英語に訳せますが、全く同じかといえばそうではありません。どんな違いがあるのか見ていきましょう。
先生
先生

 

 

【美しい】と【綺麗】はどちらも、目で見て「素敵!」というとき使うポジティブな言葉です。

素敵なものや人に対して、【美しい】【綺麗】どちらも使えます。

「美しい景色」「綺麗な景色」

「美しい着物」「綺麗な着物」

目に見えないものについても、使うこともできますね。

「美しい心」「綺麗な心」

 

【美しい】と【綺麗】の違い

【美しい】【綺麗】は日本語を勉強する人が初級で触れる「似た言葉」(類似語)ですね。

違いはなんでしょうか?

実は、日本語ネイティブでも「そういえば、違いなんてあるの…?」ということも多いです。

それくらい、同じように使っています。

 

【美しい】とは

形や色、見た目が良いことを意味

形容詞(イ形容詞)

主に書き言葉で使われる

英語:beautiful, good-looking, lovely, attractive など

「彼女は美しい女性だ。」

「美しい景色に息をのむ。」

「夕日がとても美しい。」

 

【綺麗(きれい)】とは

 美しい、清潔、整頓など広い意味 

「きれいだ」「きれいな」の形で使う 形容動詞(ナ形容詞)

「きれい」単体で、話し言葉で使われる

英語:beautiful, good-looking, lovely, clean, attractive, organized, neat, tidy など

「あんなにきれいな人は見たことないよ。」

「クリスマスはイルミネーションがきれいだ。」

「あなたの部屋って意外ときれいなのね。」

「きれいに片付いた本。」

 

例えば・・・

「美しいホテル」は、きっといろいろな飾りがされて豪華なホテル

「きれいなホテル」は、豪華だったり、整理されていたり、そうじが行き届いたホテル

したがって、

「綺麗に整理してますね」は

「美しく整理してますね」は×

「美しく整理してますね」は意味は分かりますが、正しくない使い方ということになります。

 

【美しい】【綺麗】の使い分け方・区別

【綺麗】は【美しい】より意味が広いと前述しました。

「美しい絵」を「綺麗な絵」と変えられるように、【美しい】→【綺麗】にだいたい変えられると思って良いでしょう。

ただし例外もあります。

 

【美しい】がよく使われ【綺麗】は聞き慣れない例

「美しい友情」

「綺麗な友情」(文法的には

「美しい友情」はよく聞きますが、「綺麗な友情」はあまり聞きません。

「綺麗な友情」と言うと、ネイティブには違和感があるように聞こえるでしょう。

文法的に間違いではないものの、【美しい】がよく使われていると、【綺麗】は聞き慣れない=違和感が発生します。

逆も同じく。

 

【綺麗】がよく使われ【美しい】は聞き慣れない例

 

「綺麗なジャイアン」

「美しいジャイアン」(文法的には

「綺麗なジャイアン」はオタク界での常識フレーズ。

マンガ『ドラえもん』で登場する道具『きこりの泉』(イソップの『金のオノ』)で普段の「汚いジャイアン」が泉に落ちた際、泉の女神が言ったセリフです。

女神さま
女神さま
「あなたが落としたのは、この綺麗なジャイアンですか?」
「いえ、もっときたないの!」
のび太代理
のび太代理

このように作られたお話の中での言葉の影響を受けることもあります。

「綺麗なジャイアン」は浸透しきっているため、「美しいジャイアン」と言えば違和感を持たれるでしょう。

もしあえて「美しいジャイアン」という言葉を使うのであれば、このジャイアンは華美で豪奢なアイドル的ジャイアンということになります。

【綺麗】も【美しい】も聞き慣れない例

「美しい男性」△ (文法的には

「綺麗な男性」△ (文法的には

どちらも違和感を持たれる場合もあります。

男性に対しては、女性に比べて圧倒的に【美しい】【綺麗】は使わないための違和感でしょう。

トラウマウサギ
トラウマウサギ
二次元男子に対してはよく使われていますが…。

実物の男性に対しては、【かっこいい】などの形容詞が使われるための違和感ですね。
先生
先生

 

【美しい】と【麗しい(うるわしい)】の違い

【美しい】と似た言葉に【麗しい】という言葉もあります。

【美しい】と【麗しい】は、それぞれ古文では違う意味を持っていました。

 

古文【美しい】の意味

言葉は変化していくものです。

「美しく整理してますね」

これは違和感を感じる文章ですが、整理された空間を見て「美しい…」と言われたとしても、私は訂正しません。

そもそも、【美しい】という言葉は古文では【うつくし】と表現されていました。

古文の【うつくし】(美し/愛し)

《かわいい》《愛しい》という意味

特に家族への愛情や、幼少の者や小さなものへ向けた言葉

この【うつくし】の意味が現代の意味に変わっていったのは平安時代末のことです。

 

【麗しい】とは

《美しい・きれい》の他《きちんとしている》の意味を持つ形容詞。

古文の【うるはし】

(風景・建物・人の態度などが)厳かできちんとしている様子

これが中世末(戦国時代くらい)に現代の意味が追加され、現代に使われています。

 

まとめ

  • 【美しい】と【綺麗】の違い

【美しい】は《見た目が良い》

【綺麗】は《見た目が良い》《整頓されている》という広い意味

  • 【美しい】は昔は《かわいい》という意味だった

  • 聞き慣れないと【美しい】【綺麗】が使えない

  • 【麗しい】は《美しい》かつ《きちんとしている》という意味

 

次回記事:【意外】と【案外】の違いとは?