




【意外】と【案外】は、日本語中上級で登場する単語です。
思っていたより○○だった、予測をこえたという意味で使われますね。
【思いの外】【存外】なども類似語で言い換えられます。
ここでは、【意外】と【案外】の違いや類義語について見ていきましょう。
【意外】と【案外】の意味・違いとは?
【意外】【案外】は厳密に言えば若干の違いがありますが、どう違うと思いますか?
「意外に重い」「案外重い」
これらの例には、どこに違いがあるのでしょうか?
ネイティブも【意外】と【案外】の違いをあまり意識することはありませんが、それぞれ繋げ方やニュアンスの違いがあります。
【意外】の意味と使い方
必ず「意外と」「意外な」のように活用して接続
「意(気持ちや思い)」の「外」にある
【案外】より少し弱い
「意外と君は数字に強いんだね!」
「意外な彼の一面を見た。」
「彼女にそんな特技があるなんて、意外だ。」
「意外に君は太ってるんだね。」
【案外】の意味と使い方
「案外の」「案外な」と変化させることもあるが、「案外」のまま副詞的に繋げることが多い
「案(アイデアや計画)の「外」にある
【意外】より少し強い
「案外すぐに君の意見は通るんじゃないかな。」
「案外早く帰って来られた。」
「案外高かったので、思わぬ出費になった。」
例えば・・・例文で見る【意外】と【案外】の違い
「意外と寒いね!」は、思っていたよりも寒い!
「案外寒いね!」は、これは計算外で計画と違う!という意味も含みます。

とはいえ、どちらもかなり近い形で使われるので、ニュアンスを気にして話す日本人はほぼいないと思われます。
【意外】と【案外】の使い分け
「意外な成績」○
「案外の成績」△(文法的には○)
【案外】を名詞に付けるときは、「案外の」「案外な」と変化させます。
しかし、現代では【意外】を使うことが多く【案外】は副詞的に使うことが多いため、ネイティブには不自然に聞こえてしまいます。
「意外な出来事」○
「案外な出来事」△(文法的には間違いではない)
こちらも、「意外な出来事」と言うことがほとんどなので、「案外な出来事」というと違和感を持たれます。
【意外】は予想と違っていただけでなく、予想もしなかったことについても使えるといえます。
類義語【思いの外】【存外】と【意外】【案外】の違い
【意外】【案外】の類義語、言い換え表現はたくさんあります。
【思いの外】も【存外】も、【意外】【案外】と同じ意味を持つ同意語・同義語。
ですが、使う頻度や意味の強さの違いがあります。
高>>>【意外】>【案外】【思いの外】>【存外】>>>低
強>>>【思いの外】>【存外】>【案外】>【意外】>>>弱
こんなイメージです。

まとめ
- 【意外】と【案外】の違い
【意外】は《思っていたことに反して》
【案外】は《計画していたことに反して》で少し強い意味
- 【案外】は「案外の」「案外な」と使っても間違いではないが違和感を持たれる
- 類義語【思いの外】【存外】も同意語。使う頻度や意味の強さに違いがある
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