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第×章 ◇と■。デッド・би・£и▼ 学級裁判編Ⅰ

 

コトダマリスト

 

【モノクマファイル】

被害者は”超高校級の化学者” 木野 琴葉。死体発見現場は”大富豪の家”南側の別荘。死亡推定時刻は午前1時〜2時頃。首に絞殺跡のようなものがあるが、その他に目立った外傷はない。

【死体の状態】

死体の首には太いヒモ状のもので絞められた跡があるが、被害者の抵抗の痕跡はない。左手の指に金箔が付いている。

【別荘の鍵】

別荘の鍵は”大富豪の家”の玄関に掛けられていた。事件前夜にモノクマによってスペアキーが作られた。金箔が剥がれやすい。

【別荘の窓】

別荘の窓は はめ殺しだったが、モノクマによって開くように変えられた。跳ね上げ式で45°外側に開けられるようになっている。取手を引きながら窓部分を押して開けなければならないため、開けにくく閉めにくい。窓部分に左手指の金箔跡があるが、指紋はない。

【ヘビの人形】

死体発見現場である別荘の部屋に落ちていた。前のステージの鉱山にいたヘビの人形と思われる。

【脱皮跡のような皮】

別荘内の死体の近くに落ちていた透明な物体。佐藤によると、木野が手に着けていた特殊被膜だそう。

【窓の外の茶筒】

別荘の外側の窓の下辺りに落ちていたフタ部分が深い黒い茶筒。事件前は道具屋にあった。中は濡れていて、液体が入っていたと思われる。

【茶筒の金箔の跡】
茶筒のフタには金箔の手の跡が付着している。金箔の付いた手で開けたような、左手の親指と人差し指の擦れた跡が残っていた。

【血の付いたハンカチ】

被害者である木野の部屋の机の引き出しから発見された、血を拭き取ったようなハンカチ。血の色は変色していて、血が付いてから時間が経過していると思われる。

【佐藤の証言】

事件発覚前日の昼、白銀と妹尾が”大富豪の家”を訪れた時、白銀、妹尾、木野、前谷 以外の全員は外を探索していた。

【川の循環システム】

“大富豪の家”や別荘周辺をグルリと廻る川には、最新の循環システムが使用されている。水が汚染されても、川の流れによって水質は美しく保たれる。

 

 

学級裁判 開廷

 

「それでは、学級裁判の簡単なルールを説明しましょう。」

 

(本当に、何事もなく裁判が始まった。……始まってしまった。)

 

(どうして?3章といえば、2人の被害者が出るはずなのに。)

 

(死体が1人分という違和感と、1人しか死人が出なかったことによる安堵。2つが混ざって不快感が湧き上がる。その間にモノクマの説明が終わっていた。)

 

(ーーかと思われたが、)

 

「匿名希望さんからのご質問に答えて…裁判での投票は1人1票。頑張ってね。」

 

(今までにない説明が付け加えられた。)

 

「……何すか、その説明。誰かが質問したんすか?」

 

「そうだよ。でも、これ以上の質問は受け付けません!議論を始めてください!」

 

「……。」

 

 

「とりあえず、今まで通り…事件を振り返りましょう。」

 

「ええ…。被害者は、“超高校級の化学者” 木野 琴葉さんですね。」

 

「大富豪の家の別荘で亡くなっていたわ。」

 

「現場に荒らされた様子などなかったね。」

 

「モノクマファイルには死因がなかったけど…何かで首を絞められた跡があったよ。」

 

「締め殺されたってことかよ…。」

 

「死んだ時間、深夜デス。」

 

「けど、自分たちFチームは、夜 暗い時間に出歩けなかったんですよ!それは木野先パイも同じです!!」

 

「逆に、ボク達Bチームは、Fチームの家や別荘には入ることはできなかったはずだよ。」

 

「大富豪の家には、鍵 掛かってたもんね。ね、つむぎお姉ちゃん。」

 

「うん。ある意味、不可能犯罪なのかも…。」

 

「そうそうそうそう、どちらのチームも犯行不可能。」

 

「そうかしら?不可能ではないわよねぇ。」

 

「どういうことかね?」

 

「私、歌わないって決めてから、他のことで役に立てるように たくさん考えたのよ。」

 

「……歌わない?」

 

「どうしてデスカ?ユガミネ歌うところにユガミネあり!でしたよ!?」

 

(…それは当たり前だと思う。)

 

「たくさん考えて…分かったのよ。死亡時刻が深夜でも、Fチームの人なら、犯行が可能だって。」

 

 

 

ノンストップ議論1開始

 

「モノクマファイルに時間は書いてあるけど、日にちは書いてないわ。それに、昨日 木野さんは姿を見せなかったのよねぇ?」

 

「つまり、モノクマファイルの日時は今日の2時頃じゃなくて…昨日の2時頃。木野さんは昨日 亡くなっていたのよ。」

 

「でも…あたし達、昨日のお昼くらいに木野お姉ちゃんの部屋の前まで行ったよ?中で音してたから、昨日は生きてたはずだよ。」

 

「それも偽装の可能性、アリマス!」

 

「そ、そういえば、木野先パイの部屋は薬品の匂いが立ち込めていました!まさか…死臭を隠すために…!?」

 

誰かが琴葉の部屋で音を出して、彼女が生きていると見せかけたということ?」

 

 

【佐藤の証言】→死臭を隠す

【佐藤の証言】→誰かが木野の部屋で音を出した

【モノクマファイル】→誰かが木野の部屋で音を出した

 

 

 

「白銀さん。私は熟考したのよ。歌を歌わない分。」

 

(歌ったらいいじゃない!歌姫なんだから!)

 

 

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「それは違うっす。」

 

「昨日わたしと妹尾さんが聞いた音は、木野さんが出した音だと思うよ。他の人たちは外にいたんだから。」

 

「うん。僕は昨日 広場にいたんだ。あそこなら、みんなの位置関係が分かるから、間違いないよ。」

 

「白銀さん達が”大富豪の家”に入った時点で、Fチームは前谷さん以外、外に出てたよ。Bチームも白銀さんと妹尾さん以外、あの家の外にいた。」

 

「僕だけじゃなく、みんなも外にいたんだから嘘じゃないって分かるよね?」

 

「確かに、そうかもしれマセン!」

 

「ではでは、家にいた前谷クンなら可能ということ?」

 

「ううん、わたし達を家に入れてくれたのは、前谷君だったんだよ。」

 

「あたし達が木野お姉ちゃんの部屋に向かった時、前谷お兄ちゃんは玄関の方にいたから無理だよね。」

 

「何らかの方法で部屋から音を鳴らすことへ可能です。例えば、音楽プレイヤーとか。」

 

「……。」

 

(天海君がチラリと哀染君を見た。けれど、すぐに その視線は逸らされた。)

 

「音楽プレイヤーを持っていても、それを仕掛けられるのはFチームの人だけっすけど…。」

 

「音楽プレイヤーなどを持っている輩はいないよね。あの家に そんな設備もない。」

 

「デカメガネとピンクチビ2人が嘘ついてる可能性があんじゃねーか。こいつら、いつの間にか気持ち悪いくらいベタベタしてるだろ。」

 

「気持ち悪くないもん!純愛だもん!!クチュクチュでベロベロでズッコンバッコンなんだから!!」

 

「…とても純愛とは思えないオノマトペっすね。」

 

「2人の泊まる部屋、実際 近い音がした。」

 

「え!?」

 

「…そ、それより、わたし達2人で嘘つくのは あり得ないよ!」

 

「そうだね。今、共犯者を作ることは難しいはずだよ。」

 

「……このステージに来た時、佐藤君が共犯も可能だと話していましたが。」

 

「…そうだね。理論的には可能だよ。でも、今回、白銀さんと妹尾さん2人が共犯者というのは考えられない。」

 

「どうして、そう言い切れるんだね?」

 

(わたし達が木野さんの死亡日時を偽装したところで、どうにもできないことがある。それはー…)

 

 

1.【ヘビの人形】

2.【窓の外の茶筒】

3.【別荘の鍵】

 

 

 

「キミ達が共犯関係じゃないというのは、僕の誤解かな?キミは議論を混乱させようとしてるように見えるけど。」

 

「ちょっと間違えただけだよ!」

 

 

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「わたし達Bチームは、別荘の鍵を手に入れることができないからだよ。」

 

「そうだよ!あたし達が”大富豪の家”に入れたのは、たまたま前谷お兄ちゃんが開けてくれたからだもん!」

 

「はい!たまたまというより脅迫に近かったですが!自分は妹尾先パイ達が中に入って、外に出るまで玄関にいました!お2人とも別荘の鍵に触っていません!!」

 

「別荘には合鍵が作られマシタ。…が、昨日の夜のことデス。」

 

「そもそも、俺たちBチームは外出に制限がないっすから、木野さんの死亡日時を偽装する必要性が あまりないっす。白銀さん達の話は正しいはずっすよ。」

 

「あらぁ。日にちが違うっていうの、頑張って考えたんだけど、やっぱり違ったのねぇ。」

 

「…いや、犯行の場所が違ったかもしれないという着眼点を発見できたのは良かったよ。」

 

「犯行現場が違いマス?」

 

「……Fチームは深夜に外に出られない。Bチームは深夜に別荘に入れない。それなら、別の場所で木野さんが殺され、後で別荘に運ばれた可能性があるのだよ。」

 

「…それにしては、別荘に痕跡が残りすぎていませんか?木野さんの手には別荘の鍵の金箔が付いていて、別荘の窓などからも金箔の跡が見られました。」

 

「それも犯人による偽装だとしたら?」

 

「ーーいや、彼女が自分の意志で別荘にいたという証拠があるよ。白銀さんには話したよね。」

 

(木野さんが自分で別荘にいたという証拠。それはーー…)

 

 

1.【脱皮跡のような皮】

2.【別荘の窓】

3.【死体の状態】

 

 

 

「……。」

 

「ここみ、責めないであげて。つむぎは少し記憶を失いやすい体質なんだ。」

 

(そんな体質はないよ!)

 

 

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「現場に残されていた脱皮したヘビの皮みたいなの…あれは、木野さんが手につけていた特殊な被膜なんだよね。」

 

「うん。手袋みたいなものだよ。」

 

「手袋?木野サンが?」

 

「ンなもん、してたか?」

 

「薄いから素手に見えただろうけど、彼女は特殊強化の被膜をしていたんだ。すぐに化学実験できるようにね。」

 

「前のステージにいた時、何も つけないで実験して大丈夫なのかと思っていたけど…素手じゃなかったんだね。」

 

(…確かに、前のステージの森でも…色々 触ってたね。)

 

 

「……あ。白銀さん。」

 

「木野さん。すごい荷物だね?」

 

(木野さんはパンパンのリュックを背負い、手にも荷物を抱えていた。)

 

「それ、素手で持ってても大丈夫なの?」

 

「うん。私は…こういうのに慣れてるから。」

 

「……そっか。」

 

 

「指紋 残りマセン。便利ですネ。」

 

「その被膜が現場に落ちていたのね?」

 

「あれは劇物を扱うような化学実験でも使うから、そう簡単には取れないらしいよ。外そうという意志がない限りはね。」

 

「犯人が外して別荘に残した。…そういう偽装とは考えられませんか?」

 

「僕以外で知っていた人はいないんじゃないかな。彼女が手袋をしていることに誰も気付かないし、彼女自身ペラペラ話すタイプでもないしね。」

 

「佐藤君、君は それを知っていたんだろう?」

 

「…佐藤君が犯人なら、この話 自体しないはずっすね。」

 

「そう。木野さんは別荘に行って自分で外したはずなんだ。」

 

「暗い中 出かけらんねーのに、どうやって別荘まで行ったんだよ。」

 

「足下を照らす灯りもなかったのに。」

 

「それに…何のために?これも重要だよね。」

 

「ええ。死因すら分かっていません。」

 

「死因にはココロアタリありますよ!」

 

 

 

ノンストップ議論2開始

 

「ワタシ、木野の死体、ひん剥いてジロジロ見マシタ!舐るかのヨウニ!」

 

「首には、太いロープのような跡が残ってマシタ。」

 

「うん。首がロープ状に赤くなっていたね。」

 

「このステージには、ロープはあった。凶器になるもの、たくさんあった。」

 

「やはり…ロープで絞殺されたということでしょうか。」

 

 

【死体の状態】→ロープで絞殺された

【モノクマファイル】→ロープで絞殺された

【別荘の窓】→ロープで絞殺された

 

 

 

「オマエに世界の半分をやろうか!!」

 

「お前を蝋人形にしてやろうか!みたいにラスボスのセリフ言わないで!」

 

 

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「それは違うっす。」

 

「確かに太いロープの跡はあったけど、絞殺とは限らないよ。死体の首にはロープの跡しかなかったし。」

 

「あ、お姉ちゃん、捜査時間に言ってたよね。吉川線がないって。」

 

「吉川サン?」

 

「えっと…吉川線だよ。絞殺死体に見られる被害者自身が付ける首の引っ掻き傷のこと。ほら、首を絞められたら、抵抗するでしょ?」

 

「もちろん、絶対とも言えないけど…。木野さんの指には金箔以外、血も首の皮膚片も付いてなかったよ。」

 

「吉川さんが考案したから吉川線、白銀さんの砲丸の軌道を白銀線と呼ぼうか!」

 

「……。」

 

「つまり、死因は首を絞められたことではない。首を絞められた時、木野さんは生き絶えていた可能性があるということですね。」

 

「抵抗できないくらい弱ってたって可能性もあるっすね。」

 

「犯人が木野さんを殺した後、わざわざ首に跡を付けたのだとしたら…本当の死因を隠すため…かもしれないね。」

 

「本当の死因…?」

 

(木野さんの死因が絞殺による窒息死じゃないとすると…)

 

 

1. 失恋によるショック死

2. 毒などによる中毒死

3. 殴られたことによる脳内失血死

 

 

 

「確かに、そういう時は死んじゃうよね。さすが、お姉ちゃん。可愛い。」

 

「間違えた時に全肯定しなくてもいいんだよ…。」

 

 

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「木野さんは、か何かを摂取させられたんじゃないかな。」

 

「ああ!?毒!?」

 

「うん。木野さんの体には首の跡以外に外傷は見られなかった。毒を飲まされたとか、毒ガスを嗅がされたとかじゃないかな。」

 

「毒なんて、どこにあったんですか!?」

 

「武器屋には いっぱい、刃物に鈍器。けれど、毒は見ていない。」

 

「今までのステージも…あからさまな毒物はなかったわよねぇ。」

 

「毒物の出所に心当たりがある人はいないっすか?」

 

 

 

ノンストップ議論3開始

 

「毒なんて見なかったがね。」

 

洗剤を合わせた毒物を作れないことはないけど、このステージに洗剤はなかったよね?最初のステージにはあっただろうけど。」

 

「最初のステージで、モノクマが『毒あげる』って言ってたよね?」

 

毒キノコ、カモシレマセン!」

 

「2つ目のステージの病院に薬類はあったよ。」

 

「毒ヘビ…は、どうかな?前のステージのヘビを使って…木野さんを毒殺した。」

 

(毒と関係あるかどうか分からないけど…現場に残されてたものがあったね。)

 

 

【血の付いたハンカチ】→洗剤を合わせた毒物

【窓の外の茶筒】→毒キノコ

【ヘビの人形】→前のステージのヘビを使った

 

 

 

「白銀さん。毒という言葉自体を難しくお考えですか?確かに毒というのは広義の意味が…」

 

「大丈夫、意味は分かるから!」

 

 

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「それに賛成っす。」

 

「毒と関係あるかは分からないけど…ヘビの人形が現場近くに落ちてたよね。」

 

「ヘビかよ…。クソ。」

 

「あの人形はニセモノですよね!?毒なんてないのでは!?」

 

「……前のステージの牛の人形からは血が出たっす。」

 

「え?牛の人形?」

 

「前のステージ…牧場に牛やニワトリ、鉱山にはヘビがいましたね。全て人形でしたが…血が?」

 

「うん。前のステージにいた時、蘭太郎クンの宿舎の牧場の牛1頭をモノクマが切り裂いたんだ。その中から血と音楽プレイヤーが出てきたよ。」

 

「何だ、それは。モノクマは何故そんなことを?」

 

「さあ…。モノクマの行動は理解不能だから…。」

 

「動物アイゴ後進国デス!」

 

「音楽プレイヤーも出たというのは どういうこと?」

 

「牛の鳴き声は、それで流していたみたいだよ。」

 

「やっぱりニセモノ。血もフェイク。R-18G不可避。」

 

「確かに、ニセモノっす。でも、実際の生き物と同じ体液が人形に仕込まれていたんだとしたら…どうっすか?」

 

「ヘビ人形のアゴの毒腺に毒ありましたカモシレマセンね!」

 

「人形に毒が仕込まれてた可能性があるってこと?」

 

(モノクマを盗み見たが、どこ吹く風。ニヤニヤしながら裁判を見ているだけだった。)

 

「では…木野さんはヘビの毒で殺されたということかね?」

 

「……ヘビの毒を飲んで死んだっていうの?」

 

「なるほど!現場にヘビの人形が落ちていたなら、可能性があるかもしれません!!」

 

 

「いや、違ぇな。」

 

「え?」

 

「違う…ヘビの毒が死因ではないということですか?」

 

「……ああ。」

 

(郷田君は右手で乱暴に髪を掻きながら言った。なぜか、ひどく言いにくそうだった。)

 

「ヘビの毒は飲んでも死なねぇ。」

 

「……そう…なの?」

 

「で、でも、毒なんですよ!?アマゾンの熱帯雨林でも、毒ヘビは非常に危険で…!」

 

「ヘビの毒っつーのは、噛まれて血管に入ることで毒になるんだ。飲んだとしても何にもなんねぇ。」

 

「あ…。そういえば、見たことある。」

 

「…キミはヘビ嫌いなんだよね。どうして知ってるの?」

 

「……調べたことあんだよ。」

 

「ならば、木野さんの血管にヘビの毒が入り込んだ可能性は?」

 

「それはないと思うよ。彼女の身体は服の下まで隅々 調べたけど、噛まれた跡も注射針の跡もなかった。」

 

「えっ!?調べた!?」

 

「うん。モノクマファイルには『首の跡以外の外傷がない』ってあったけど、一応ね。死因も書いてなかったから。」

 

「インスリンの注射針とかなら跡は分からないだろうけど…そんな注射器は見なかったからね。」

 

「いや、そうじゃなくて!脱がせたの!?」

 

「ああ、大丈夫。裸を調べたのは女性陣だから。」

 

(そう言って彼は山門さんとローズさんに視線を向けた。彼の視線を受けて、右手で髪を耳にかけながら山門さんが頷いた。)

 

「確かに…死体の身体を調べました。木野さんには申し訳ありませんでしたが…。」

 

「木野の死体、スミズミまで見マシタ!傷ひとつないキレイな素肌デス!」

 

(…放送事故、起こってない…よね。)

 

「2人で調べましたから、確かです。」

 

「それなら、血管に毒が入ったというわけじゃないんだろうね。」

 

「木野お姉ちゃんの死因は、ヘビの毒じゃないってこと?」

 

「毒殺自体が間違いなのかも?」

 

「……死ぬ前に木野さんが何かを飲んだ可能性は高いっす。そうっすね、白銀さん。」

 

(…木野さんが死ぬ前に何かを口にした。その根拠はーー…)

 

 

1.【死体の状態】

2.【血の付いたハンカチ】

3.【窓の外の茶筒】

 

 

 

「毒ね。ご都合主義の効力を後付けできるミステリ界の便利アイテムの、あの毒ね。」

 

(数十分で無毒化する毒…数時間後に生き返る毒…役目を果たしたら痕跡もなく消え去る毒…とかね。)

 

 

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「現場の窓の外には、黒い お茶缶みたいなのがあったよね。それは濡れてたし、木野さんが開けた跡が残ってたんだよ。」

 

「フタの部分が深い茶筒だったよね。小学生が遠足で持ってく水筒みたいな。」

 

「そう。その茶筒のフタに左手の指の金箔跡が残ってたよ。」

 

「そういえば…木野さんの指にも金箔が付着していましたね。」

 

「水でも飲んだんだろ。ヘビの毒は効かねーんだ。」

 

「…死なないはずのヘビ毒を飲んで、死ぬケースもあるっすよ。」

 

「あ…そっか。色んなフィクションで既視感があるよ。」

 

(ヘビ毒を飲んで死ぬケースとは…)

 

 

1. 口内に傷がある場合

2. 後ろ暗い過去がある場合

3. 持病の癪がある場合

 

 

 

「…自信満々の笑顔のところ申し訳ないっすけど、違うと思うっす。」

 

「弁護士はピンチの時ほど、ふてぶてしく笑うんだよ!」

 

「落ち着いてください。キミは弁護士じゃないし、まだピンチと言うほどでもねーっす。」

 

 

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「ヘビの毒は飲んでも死なない。けど…口に傷があったらどうかな?」

 

「…!」

 

「そっか…。口の中の血管に毒が入れば死んじゃうんだね。」

 

「ええ。木野さんの口内に傷があったとしたらーー…」

 

なかったデス。」

 

「え!?」

 

「木野さんの口内は僕とローズさんで調べたけど、傷はなかったよ。」

 

「それも調べたの!?」

 

「ダメだったかな?」

 

「いや、ダメじゃないけど絵面がアレというか…。」

 

(なんか…急に死体検分が念入りじゃない?)

 

「つまり…やっぱりヘビの毒じゃなかった?」

 

「あらぁ。毒じゃないのかしら。」

 

「ヘビの毒以外でも可能性はあるはずさ。」

 

「えっと、それなら…やっぱりモノクマがあげるって言ってた毒を使ったのかな?」

 

「確かに…モノクマは言ってましたね。1つだけプレゼントする…と。」

 

「うん。他にも洗剤を使うって手もあるけど、前の前のステージから持ってきたというのも考えにくいのかな。」

 

「前のステージの森に毒キノコありマシタ!」

 

「ああ。すげぇ色のキノコがあった。」

 

「オレを喰うと死ぬぜ!って言ってたやつねぇ。」

 

「前のステージで、琴葉が病院に毒キノコを持ち込んでいたところは見なかったけど…。」

 

「でも、病院には毒になるような危ない薬品もあったみたいだよ。琴葉はルミノール試薬も作っていたけど、劇物を使うらしい。」

 

(みんなが可能性を挙げていく。哀染君が言った後、反応を示したのは天海君だった。)

 

「……ルミノール試薬っすか?」

 

「ルミノール…よく刑事モノで見るよね。拭いても洗っても血の痕跡が分かるっていう…。」

 

「うん。光るんだよね。血じゃなくても光るらしいよ。色々 混ぜた溶液とルミノール溶液を合わせて発光するのを前に見せてもらったよ。」

 

「…それは、前回の事件が起きる前っすよね。」

 

「そうだけど…それが どうかした?」

 

「……。」

 

(天海君が考えるように右手を口元に当てた。そして、静かに呟いた。)

 

 

「…どうして木野さんは前回の事件でルミノールを使わなかったんでしょうか。」

 

「え?」

 

「前回の事件では、拭き取られた血があったっす。」

 

「拭き取られた血…。」

 

「それって…」

 

「芥子が祝里の血を踏んで付いた足跡…だな。」

 

「はい。木野さんがルミノール試薬を使っていたら、すぐに分かっていたはずっす。でも、彼女はルミノール試薬を使わなかった。」

 

「持っていたけど使わなかった。それが何なの?」

 

「検証できていなかったから使わなかったのではないでしょうか?」

 

「使うも使わないも、キノの自由デス。」

 

「天海さん。どうして、そんなに不思議に思うの?」

 

「……何となくっすけど。違和感があるんすよ。」

 

「確かに…研究者の琴葉が作ったものを実証しなかったのには違和感があるかもしれないね。」

 

「一理あるかもね。木野さんは作ったものを試しては教室を溶かしたり爆破させたりしてたから。」

 

(”絶望”みたいな破壊活動だ。創造と破壊は表裏一体ってところかな。)

 

「キノ、薬 使いません。問題ありマスカ?」

 

「薬 使わなくても、前回の裁判 乗り越えた。」

 

「……。」

 

「もしかしたら…木野さんは前回の事件で血痕が拭き取られていることを知っていたんじゃないでしょうか。」

 

「えっ?」

 

「白銀さん達は木野さんの部屋も調べてたっすね。何か手掛かりになりそうなものはなかったっすか?」

 

「……あ。もしかして…つむぎお姉ちゃん。アレって。」

 

(木野さんが前回の事件で拭き取られた足跡の存在を知っていた。その根拠は…。)

 

 

1.【別荘の窓】

2.【血の付いたハンカチ】

3.【川の循環システム】

 

 

 

「白銀さん、落ち着け餅つけ。お正月。」

 

(お正月かぁ。お餅じゃなくて、お持ち帰りの仕事をしていた気がするよ…。)

 

 

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「木野さんの部屋には…血の付いたハンカチがあったんだ。」

 

「それが何だよ?」

 

「これまでで木野さんは血を流していなかったはずっす。傷ひとつない体だったんすから。」

 

「血を吐いた…というのは考えられませんか?」

 

「うーん…血を吐いた…というよりは、血をハンカチで拭いたような血痕なんだよね。もちろん、床に血を吐いて拭いたっていう可能性もあるけど…。」

 

(言いながらハンカチを掲げて見せると、みんなが息を呑んだ。たぶん、血の色が変色してドス黒いせいだろう。)

 

「…ずいぶん時間が経っているようですね。」

 

「これまでの事件で血が流れたのは…祝里お姉ちゃんの事件だけだよね。」

 

「アイコの事件、流れたのはオイルだけ。血は流れマセン。」

 

「木野さんは、祝里さんの現場で血を拭き取ったんじゃないでしょうか。」

 

「木野先パイが!?」

 

「けど…ボクの足跡は祝里サンが拭き取ったって話だった…。」

 

「ああ。芥子が現場に入った時、祝里は まだ生きていた。芥子に疑いが向かねーように、血を拭き取ったんだ。」

 

「それに、血が流れた後に栞が自分で這いずった跡もあった。つむぎが教えてくれたよね。」

 

(前回の事件で祝里さんは即死じゃなかった。自ら這いずったのは、血の跡から間違いない。そして、その先に、ぽぴぃ君の足跡があって…。)

 

「例えば…それが、ぽぴぃさんの現場に入る前だったとしたら?這いずった先に“何か”があって、それを取ろうとしただけだったなら?」

 

「”何か”?」

 

「どういうことでしょうか。」

 

 

「……みんなは、ジャンヌ・ダルクの最期を知ってる?」

 

「あ?」

 

「話の飛び方が ひどすぎないかね。」

 

「うん、ごめん。どうかな?知ってる人、いる?」

 

「えっと…ジャンヌ・ダルクって、100年戦争の?今の英仏国境を決めるのに、一役 買った?」

 

「すごーい、つむぎお姉ちゃん。詳しい!」

 

「オタクは国とか刀剣とか戦艦とか馬とかに詳しいものなんだよ。天海君にはワイ公国とか行ってみて欲しいかな。国って認められてるし!」

 

「……ジャンヌ・ダルクは魔女裁判の後、火炙りにあった。それが、何か関係あるんすか?」

 

「そう。彼女は火炙りに処された。その際、目線の先に十字架を掲げるよう懇願したんだ。」

 

「死への恐怖の中、せめて十字架を目にしておきたい。そんな気持ちなのかもね。」

 

「まあ、死ぬ直前の人間の気持ちなんて、僕には分からないけど。」

 

「……。」

 

「どうかな?祝里さんだったら、死の直前に何を目にしようとしたか…想像できる?」

 

(彼女が最期に見ておきたかったものは…。)

 

 

1. モノクマ

2. コロシアイビデオ

3. モノパッド

 

 

 

「自分だったら!そんなもの最期に見ておきたいとは思いません!!」

 

(わたしは見たい…と答えていたかもしれないね。)

 

 

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「佐藤君が言ってるのは…モノパッドのことだよね?」

 

「モノパッド?何でだよ?」

 

「モノパッドには……。」

 

「……。」

 

「ーーモノパッドには、クラスメイトの記憶…それを呼び覚ます写真が入っていたっす。」

 

「なるほど!死を目前にして大切なクラスメイトの写真を目にしておきたい!分かります!自分も死ぬ時は哀染先輩と妹尾先パイの写真を眺めて死にます!!」

 

「縁起でもないこと言わないでよ。」

 

「クラスメイトの写真か才能証明書か…どっちを見ようとしたかは分からないけど…彼女は階段付近に落ちたモノパッドを拾おうとしたんじゃないかな。」

 

「それで、階段まで這いずった?」

 

「でも、階段付近にモノパッド落ちてませんデシタ。」

 

「死体から離れた机にあったよね。そういえば…あのモノパッドには血が付いてたよ。」

 

「あ。そういえば…。」

 

 

「机に、モノパッドが置いてあるよ。」

 

「校則でモノパッドは携帯のルールがあったよね。」

 

(机には、確かにモノパッドが置かれていた。少し血の付いた液晶に触れると、祝里さんの名前と共に起動した。)

 

(その後 画面に表示されたのは、彼女の”クラスメイト”の写真。祝里さんと前回のクロである永本君が前面に、後ろに佐藤君と木野さんも映り込んでいる。)

 

「栞は最期に…この画像を見ていたのかな…。」

 

(……モノパッドを眺めていると鼻がツンとする感覚があった。)

 

 

「祝里さんの死体の近くから机へ…モノパッドが移動したってこと?」

 

「死体発見前に何者かが移動させたことになるが…あの現場に入ったのは、ぽぴぃ君だったね。」

 

「ボクじゃないよ!あの現場のものに、ボクは触れていなーー…」

 

(名指しされた瞬間 飛び上がり、弁明の声を上げた ぽぴぃ君が、不自然に黙り込んだ。)

 

「……。」

 

「……おい。何だよ。」

 

「ぽぴぃ君?」

 

「……あの現場で…ボクは息づかいを聞いた。」

 

「そう言ってましたね。ですから、祝里先パイは生きていた…と。」

 

「違った…人が死にそうな息づかいとは…。だって死を前に苦しむ人は…酸素を求めるように息をする。」

 

「でも…ボクが聞いたのは呼吸を殺すような息づかい…だったと思う。」

 

「どうしてアナタが死ぬ前の人の呼吸法知ってイマス?ワタシの同業者カ?」

 

「おい、今はンなこと、どうでもいいだろ。」

 

「ぽぴぃ君、間違いないんすか?」

 

「う、うん…。そうだ…ボクが聞いた息づかいは…祝里サンじゃなかった…?」

 

「ぽぴぃくんが現場に入った時、誰かが現場にいたということですか…。」

 

「……。」

 

(祝里さんのモノパッド…調べた時、強い匂いがした。あの匂いを、わたしは ここで嗅いでいる。)

 

 

▼前回の事件で現場にいたのは?

 

 

 

「ヘラヘラすんのを止めやがれ。」

 

「郷田君って顔 分からないんじゃなかったっけ?どんな顔してるかは分かるの?お影様とか惣一郎さんくらい見えてないと思ってたよ。」

 

「そういうワケ分かんねーこと言うのも止めろ!!」

 

 

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「木野さん。前回の現場にいたのは…木野さんだったんじゃないかな。」

 

「ああ!?何であいつが!?」

 

「彼女は前回の事件直前にモノクマが図書館に入ったところを目撃したと証言したっす。確認のため図書館に入ったとしても、不思議じゃないっすね。」

 

「それに、祝里さんのモノパッドを見つけた時…鼻がツンとしたんだ。」

 

「感動しマシタ?泣きマシタか?」

 

「そういうツンじゃなくて…薬品の匂いがしたんだよ。昨日、木野さんの部屋で嗅いだ匂いと同じような。」

 

「琴葉自身からは、そんな匂いはしなかったけど。」

 

「風呂や着替えは小まめにしてたからね。でも、手に染み付いた匂いは なかなか取れない。だからこそ、彼女は特殊被膜を手に付けて作業していたんだ。」

 

「祝里さんの死体の近くにあったモノパッドを…被膜をしたままの木野さんが机に置いた。だから、手に付いた匂いが移った…?」

 

「で、でも、待ってください!!あの現場はドアガードが掛けられていましたよね!?木野先パイが図書館から出てドアガードを掛けたんですか!?」

 

「ヒモがないと無理だって話だったけど…。」

 

「ヒモ状のものを彼女が持っていたというだけだろう。もしくは…作り出したか。」

 

「え…そんなことできるかな?」

 

「木野さんは最初のステージからも荷物を持っていってたから…ヒモ状の何かを持っていても おかしくないよ。」

 

(……推理モノのセオリーとしては、みんなの目に触れてないと おかしいけど。)

 

「とにかく…ぽぴぃさんが現場に入った時、祝里さんが生きていたわけじゃなくて、木野さんがいた。そして、彼女は ぽぴぃさんの足跡を拭いたんだ。」

 

「何で、木野お姉ちゃんが…そんなこと?」

 

「前回の事件、キノが犯人デシタか?」

 

「それはないでしょう。俺たちが生きているのが証拠っす。」

 

「……モノクマがクロを誤魔化した…なんてことはないよね?」

 

「そんな不正するわけないだろー!そんなことしたら、コロシアイが終わっちゃうよ!!」

 

「……。」

 

「祝里さんを殺したクロに間違いはない。でも、祝里さんの死体の第一発見者は木野さんだったんだ。」

 

「……。」

 

(そういえば…前回わたしが死体を発見した時、木野さんは慌てた様子で部屋を覗き込んできた。)

 

(あれは…わたしが死体を見たら すぐ死体発見アナウンスが鳴っちゃうから…?でも…。)

 

「木野さんが前回の現場にいて現場を荒らすようなことしたなんて…。そんなことする理由が分からないよ。」

 

「本当に分からない?全然 心当たりないかな?」

 

「……。」

 

(ーーある。彼女が、“そういう役割”だったとしたら。『ダンガンロンパ』が、そう設定したなら。彼女は、そのロールプレイをしなければならなかった。)

 

 

1. 前回の事件の真犯人だったから

2. イレギュラーだったから

3. 気まぐれだったから

 

 

 

「何を言ってるんだね。君は。」

 

「何だろうね…。強いて言うなら、妄言かな。」

 

 

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イレギュラーだったから…。もしかして、そう言いたいのかな?」

 

「イレギュラー?」

 

「ボクらの中にはいた。ボクらと違った動きの者が。」

 

「最初のステージで凶器を町中や校舎に隠したり、体育倉庫の封鎖を解いた人がいましたね…。モノクマの仕業ではないという話でしたが…本当でしょうか。」

 

「だから、ボクじゃないってば。そんなことするなら、最初からルールを作るよ。レインボーブリッ…体育倉庫、封鎖できませぇんっ!!…てね。」

 

「……体育倉庫の封鎖を解いたのも、町中に凶器を隠していたのも、あいつだったってのか?」

 

(1回目の事件前から、凶器が町中や校舎に隠されていたらしい。けど、そんなこと わたしはしてないし、モノクマもしないはず。)

 

(…やっぱり、トリックスター…もといイレギュラーの仕業だったんだ。)

 

「…隠された凶器は みんなで回収した後に隠された様子はなかったから分からないけど…体育倉庫の封鎖を解いたのはイレギュラーの仕業だろうね。」

 

「そのイレギュラーが…木野さんだった、と?」

 

「……あまり、信じられない話だね。」

 

(哀染君の静かな声が裁判場に響く。しばらく、みんな何も言わなかった。)

 

 

(トリックスターが…木野さんだった?それが…本当に真実なのかな。)

 

(トリックスターにしては、退場が早すぎる。…何より、木野さんはトリックスターにしては目立たなすぎた。)

 

(トリックスターが目立たないなんて、『ダンガンロンパ』らしくない。……けど。)

 

(この『ダンガンロンパ』は…わたしが知っている『ダンガンロンパ』と違うところが多い。)

 

「……。」

 

(裁判場で対角線上にいる わたしを、モノクマが楽しそうに見下ろすのが見えた。)

 

 

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