日本語はスラング・悪口が少ないのか?
日本語学習中の外国人や海外の反応でよくあるのが、「日本語には悪口が少ない」というもの。果たして、それは本当なのでしょうか?
日本語はスラングが少なくない!
日本語学習者に「日本人ってスラングとか悪口言わないよね」と言われることは多いもの。
日本人=礼儀正しいというステレオタイプなイメージを持つ人には、日本語は他言語に比べてスラングが少ないと感じるのでしょう。けれど、実際には豊富なスラングが存在します。
ただし、日本語のスラングは、使用される場面やコミュニティによって限定的であるため、その存在があまり知られていない場合も多いようです。さらに、日本語は一般的に敬語や丁寧語が使われ、フォーマルな場面ではスラングの使用が控えられる傾向があります。スラングが少ないと感じられるのは無理のないことでしょう。
日本語は悪口が少ない?なぜ?その理由は
日本語にはコミュニティや年代によりさまざまなスラングがあります。しかし、その中に人を直接罵倒・侮辱するものが少ないことも確かでしょう。
日本語はいわゆる罵倒言葉や罵り言葉、卑語(ひご)が少ないと言われる言語です。が、実際にはどうでしょうか。表現や言葉のバリエーションが豊かなので「悪口が少ない」とは純粋な日本人なら信じられないのではないでしょうか。
ちなみに、日本語の直接的な罵倒語といえば、「ばか、あほ、まぬけ、おたんこなす、ちび、でぶ、はげ、ぶす、ぶさいく、お前の母ちゃんデベソ、じじい、ばばあ」などが主なところです。どれが世界的にタブーでしょうか?
海外の反応:日本語のスラングは面白い
日本語スラングは、その独特な響きなどから海外でも興味深いものとされています。特に日本語学習者やアニメファンの間で「日本特有の表現」として人気があります。日本語スラングを外国人はどのように考えているのか、海外の反応を見ていきましょう。
「『エモい』や『バズる』は、英語から『emotional』や『buzz』きてるの?全然気付かなかった!(イギリス)
「『ぴえん』とか泣きたい気持ちの表現がユーモラスだね。」(スリランカ)
「↑(上の発言に対して)絵文字の国だから?」(セルビア)
「若い人だけじゃなく年配の人も普通に使ってたのが印象的。」(韓国)
「職場でもよく聞く『リスケ』とか『セクハラ』とか英語を短くしたものはスラングじゃないのか。」(ドイツ)
「若い日本人と話してたら若者言葉になっちゃって、日本の面接前で苦労したよ。」(アメリカ)
「『諭吉と別れた』『諭吉大好き』とか、最初は誰の話をしているんだろう?って思ってた。」(中国)
「日本語のスラングは人を貶す表現が少ない気がする。優しくて好き。」
スラングから日常会話で使うようになった日本語一覧
日本語は直接的に相手を罵倒するようなスラングは少ないものの、話し言葉やスラングが日常的に使われるようになるパターンも多くあります。中には、辞書に登場するようになったものも。若者やインターネット上だけでなく、多くの日本人に使われるスラングを見ていきましょう。
日本人がよく使うスラング一覧
やばい
状況や物事が非常に良い、悪い。驚くべきときに使われます。「このラーメン、やばい。美味しい!」
ウケる
面白いことや笑えることを表現。「あの話、マジでウケるわ!」
マジ
本当に。真面目に。「マジでそれ言ってるの?」
イケメン
魅力的な男性、特に見た目が良い男性を指します。「彼、本当にイケメンだよね。」
キモい
気持ち悪いの略。嫌悪感を示す際に使います。「その虫、キモい。」
ダサい
センスが悪い、または古臭いこと。「このシャツ、ちょっとダサいかも。」
ビビる
驚く。びっくりする。「急に出てきて、マジでビビった!」
微妙(びみょう)
完全に良いとも悪いとも言えない曖昧な状況。「この映画、ちょっと微妙だったな。」
ムカつく
腹が立つ。「あの態度、めっちゃムカつく。」
ググる
Googleで調べる。「ググれ。」
ドン引き
人や事物に対して理解できず、一線を引くこと。「あの男、しつこくてドン引き。」
若者がよく使う日本語スラング一覧
エグい
極端にすごい、恐ろしい、または大変な状況。「あのアクションシーン、エグい迫力だった。」
おこ
怒っていること。「今日、彼にドタキャンされておこだよ。」
パリピ
パーティー好きな人。にぎやかなイベントに積極的に参加する人。「昨夜はパリピな友達とクラブに行ったよ。」
それな
完全に同意する。「彼の意見、ほんとそれな。」
タピる
タピオカドリンクを飲むこと。「学校帰りにみんなでタピろうよ!」
映え(ばえ)る
「インスタ映え」から派生した言葉。見栄えが良いものや写真映えすること。「このカフェ、めっちゃ映えるね!」
おつ
「お疲れ様」の略。「今日も一日おつでした!」
ネットスラングから使うようになった日本語一覧
笑/ww/草
笑ってしまう状態。英語でいう「Lol」。「今日デート遅刻してフラれたww」
あざす
「ありがとうございます」の略。「昨日はあざす。」
ワンチャン
「ワンチャンス」の略。「今日の試験、ワンチャン合格できるかも。」
沼(ぬま)る
推しや趣味に夢中になる様子。「このアニメ、完全に沼ったわ。」
テンアゲ
「テンションが上がる」の略で、気分が高揚していること。「新曲出たからテンアゲで行こう!」
ガチ勢
何かに本気で取り組んでいる人、または真剣なファン。「ゲームのガチ勢が集まる大会があるらしい。」
神(かみ)
最高であること。素晴らしい出来事。「あのバンドの新曲、マジで神だわ。」
黒歴史(くろれきし)
過去の恥ずかしい経験や公開したくない事柄。「中学生の頃のブログ、完全に黒歴史だよ。」
詰んだ
状況が行き詰まってしまい、解決が難しいこと。「宿題忘れて、完全に詰んだ。」
2023年・2024年の最新日本語スラング一覧
日本語のスラングは年々変化し、新しい言葉が若者の間で生まれています。以下は、2023年および2024年に注目された最新の日本語スラングです。
てぇてぇ
尊いこと。「あの人は神。てぇてぇ。」
好ハオ
好き。中国語「好ハオ」から。「あのレストランのおばちゃん好ハオ。」
BIG LOVE
大好き。愛していること。特殊文字で表すことが多い。「ありがとう!BIG LOVE」
限界オタク
推しが好きすぎて自分の行動や言動が気持ち悪い、痛々しいオタク。好きすぎるゆえに、表現力や語彙力が限界になったオタク。「私は限界オタクだからコミュニケーションが上手くとれない。」
プルい
唇がプルプルの様子。「今日唇プルくない?」
かわちぃ
かわいい。「そのカバンかわちぃ。」
それガーチャー?ほんまゴメンやで
それガチ(本当)?ほんとにごめん!
ぴえん超えてぱおん
「ぴえん」という泣きたい気持ちの強調。「このニュース、ぴえん超えてぱおんだわ。」
じわる
最初は大したことはないが、時間が経つにつれてじわじわと面白さや笑いがこみ上げてくる様子。 「あのギャグ、じわるわー。」
エモい
エモーショナルから派生。感情が高ぶるようなシーンや状況。この映画、めっちゃエモいよね。」
バズる
SNSなどで一気に注目を集めること。「昨日の投稿がバズっててびっくりした。」
日本語スラングは文化的背景によって進化する
スラングは日本語の文化や社会の変化を反映しています。新しい言葉が生まれる背景には、インターネットやSNSの普及、若者文化の影響が大きく関与しています。流行語が年ごとに変わり、短期間で広まることが多い日本では、常に新しいスラングが生まれています。
日本語スラングは、豊かな日本語文化の一部として、常に進化し続けています。特に2023年や2024年に登場したスラングは、若者の間で広まりSNSやインターネット上で頻繁に使用されています。
日本語学習者や日本文化に興味を持つ人々にとって、これらのスラングを学ぶことは、日本の現代文化をより深く理解する手助けとなるでしょう。
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