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「聞く」と「聞こえる」の違いは?例文と英語でわかりやすく解説!外国人への教え方

先生、前回「見る」「見える」の違いを勉強しましたが、「聞く」「聞こえる」はどうですか?
トラウマウサギ
トラウマウサギ
先生
先生
そうですね。「聞く」「聞こえる」も同じようなルールがある日本語ですね。

参考:「見る」と「見える」の違いとは?「見られる」「見せる」外国人に教えるには

 

「聞く」と「聞こえる」の違い

「聞く」と「聞こえる」の違いは「見る」「見える」と同様に、日本語を勉強する学習者には分かりにくいものです。

 

「聞く」の意味・英語・例文

「聞く」は、意図的に耳を使って何かを聞く行為を指す他動詞です。これは、自分の意思で音や声に注意を向ける行為を示します。

例文:

「音楽を聞く」 (I listen to music.)

「彼はポッドキャストを聞く」(He listens to a podcast.)

 

「聞こえる」の意味・英語・例文

「聞こえる」は、音が自然に耳に入ってくる状態を表す自動詞です。こちらは、意識せずとも音や声が耳に届く状況を指します。

例文:

「遠くから雷の音が聞こえる」 (I can hear the sound of thunder from a distance.)

「部屋の外から話し声が聞こえる」 (I can hear voices from outside the room.)

 

「聞く」と「聞こえる」は自動詞と他動詞の違い

自動詞は、行為がそのまま終わり特定の対象を必要としない動詞です。「聞こえる」は自動詞で、音が自然に耳に届くことを意味します。

一方、他動詞は、行為の対象が必要でその対象に対して行動を行う場合に使われます。「聞く」は他動詞で、意図的に音や声を聞くことを意味します。

先生
先生
日本語の自動詞は「(主語)が〜ます」の形。他動詞は「(目的語)を〜ます」の形です。
「先生の話が聞こえます」(I can hear teacher’s talk.)

「先生の話を聞きます」 (I listen to the teacher’s talk.)

上の「聞こえます」は先生の話を聞こうとしなくても耳に入ること。または、先生から遠いけれど聞くことができる状態を言います。下の「聞きます」は先生の話を聞こうと意図的に耳を傾ける状態です。

 

「聞く」と「聞こえる」の英語比較

日本語学習者にとって理解が難しいポイントですが、英語の「hear」と「can hear」の違いを参考にすると分かりやすいでしょう。

「聞く」と「聞こえる」の英語比較:

聞くの英語言い換え:to listen to, to hear

聞こえるの英語言い換え:can hear, is audible

 

「聞こえる」が使われる具体的な例

「聞こえる」は、音が自然に耳に入る状態を表現します。以下にその具体的な例を示します。

自然の音が聞こえる

「川のせせらぎが聞こえる」(The sound of the stream can be heard.)

「海岸に立つと、波の音が聞こえる」 (I can hear the sound of the waves when standing on the shore.)

音楽が聞こえる

「隣の部屋から音楽が聞こえる」 (I can hear music from the next room.)

声が聞こえる

「遠くで誰かの叫び声が聞こえる」 (I can hear someone shouting in the distance.)

話し声が聞こえる

「静かにしていると、壁越しに話し声が聞こえる」 (If you stay quiet, you can hear people talking through the wall.)

先生
先生
これらの例では、音が自然に耳に届く状況を「聞こえる」で表現しています。英語の「can hear」や「is audible」に相当します。

 

外国人への教え方のポイント

特に英語やヨーロッパ言語を母語とする人々は、「聞く」という言葉をその注目度で区別します(hear, listen toなど)。そのため、日本語における区別の仕方は理解しにくく、教え方に工夫が必要です。

それでは、どのような工夫をすれば良いのか?ここで、外国人への教え方のポイントを見ていきましょう。

視覚的な例を使う

音声や動画を使い、「聞く」と「聞こえる」の違いを示します。「この音楽を聞いてください(listen to this music)」と指示し、その後「この音が聞こえますか?(can you hear this sound?)」と質問することで、違いを明確にします。

英語との比較で理解を深める

「聞く」は「to listen to」や「to hear」に対応し、「聞こえる」は「can hear」や「is audible」に相当することを強調します。

文法的な構造を意識する

自動詞と他動詞の違いを説明し、具体的な例文を使って練習します。「聞く」は意図的に行う行為であり、「聞こえる」は自然に音が耳に届くことだと理解させます。

 

「聞く」「聞こえる」と「聞ける」の違い

「聞ける」の意味・英語・例文

「聞ける」は、「聞く」の可能形であり、何かを聞くことができる、または聞くチャンスがあることを意味します。

英語言い換え:can listen to/can hear

例文:

「その話は今夜聞けるよ」(You can hear that story tonight.)

「その講演を明日聞ける」(I can listen to that lecture tomorrow.)

「聞こえる」と「聞ける」の違いは、「聞こう」と強く思うかどうか。

聞こえる…「聞こう」と思わなくても聞くことが可能

聞ける…「聞こう」と思って聞くことが可能

 

「聞ける」が使われる具体的な例

聞くことができる状況やチャンスがあることを示します。以下にその具体例を示します。

話が聞ける

「明日の会議で友達の意見が聞ける」(I can hear my friend’s opinion at tomorrow’s meeting.)

音が聞ける

「今週末のライブで新曲が聞けるらしい」(I heard that we can listen to the new song at this weekend’s concert.)

「会議の録音を後で聞ける」(You can listen to the recording of the meeting later.)

 

「聞く」と「聞こえる」の違いをわかりやすく解説

「聞く」と「聞こえる」の違いは、英語との比較や具体的な例を通じて教えることで、より理解しやすくなります。また、自動詞と他動詞の違いを明確に説明することで、正しい使い分けができるようになります。

 

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