日本語学習で初級クラスから登場する「何」。
読み方が「なに」だったり「なん」だったり、外国人にとって違いが分かりにくいところです。
「なに」と「なん」には、どんな違いや使い分け方があるのでしょうか。
「何(なに)」と「何(なん)」の違い・使い分けとは
「何してるの?」は「なにしてるの」。
「何で?」は「なんで」。
どうしてひとつの「何」に、ここまで違いが出るのでしょうか。
実は、「なに」と読むか「なん」と読むかには、決まりがあり、使い分けができます。
「何(なん)」のとき
1.後ろに「です」が付くとき
2.後ろに タ行(t)・ダ行(d)・ナ行(n) が付くとき
何(なん)ですか?
何(なん)で?
何(なん)だって?
何(なん)のこと?
何(なん)と言いましたか?
何(なん)なの?
全て「何(なん)」の後ろが、タ行・ダ行・ナ行ですね。
3. いくつの(人・もの)をいうとき、数を聞くとき
何時(なんじ)?
何時間も
何個(なんこ)?
何個も
何回(なんかい)?
何歳(なんさい)?
「何(なに)」のとき
1.後ろにタ行・ダ行・ナ行が付かないとき
何(なに)?
何(なに)か?
何(なに)それ?
何(なに)する?
何(なに)します?
何(なに)にしますか?
何(なに)を言ってるんだ!
2.どんな(人・もの)を表すとき
何色(なにいろ)?
何人(なにじん)?
何県(なにけん)?
例えば・・・
「何色(なんしょく)もの色鉛筆でかく。」
「何色(なにいろ)でかく?」
同じ「何色」ですが、「なん」と「なに」で違いが出ます。
「なんしょく」は、たくさんの色のこと。
「なにいろ」は、どんな色かを表します。
「何人(なんにん)の外国人が来たの?」
「その友達は何人(なにじん)だったの?」
「なんにん」は、人の数を聞いています。
「なにじん」は、日本人なのかアメリカ人なのか中国人なのか、どこの人なのかを聞いています。
「何県(なんけん)かの代表があつまる。」
「何県(なにけん)から来たの?」
「なんけん」は、神奈川県や千葉県など県の数。
「なにけん」は、どこの県かを聞いていますね。
「何」と方言の区別
方言では、本来の「なに」が「なん」に変わることもよくあります。
間違いではありませんが、ビジネスやフォーマルシーンでは嫌がる人も多くいるので注意。
上の使い分け方で話すのがベター。
「なん」「なに」使い分けまとめ
- 「なん」の使い方
後ろがひらがな→後ろがタ行・ダ行・ナ行
後ろが漢字→数をいう
- 「なに」の使い方
後ろがひらがな→後ろがタ行・ダ行・ナ行以外
後ろが漢字→どんな(人・もの)か聞く