






「~てある」「~ている」「~ておく」は、どれも動詞と一緒に使い、物事の状態を表します。
今回は、それぞれの区別と文法上用法を見ていきましょう。
「~てある」「~ている」の違い|文法上の用法と意味上の区別
状態を表す「~てある」「~ている」は、文法上使い方が決まっています。
「~てある」とは
「動詞+てある」で「~の結果の状態」を表す
動詞は他動詞
意図的な行動の結果
いつもその状態にあるとき使う
コロナ対策のため、ドアを開けてある(いつもその状態)
塩は棚に入れてある(意図的)
「~ている」とは
「動詞+ている」で「~の結果の状態」を表す
動詞は自動詞
意図的でも意図的でなくても使える
その時だけその状態になったとき使う
カバンが開いている(そのときだけ)
服が汚れている(意図的でない)
例えば・・・
①手紙をAさんに届けてある。
②手紙がAさんに届いている。
①では、誰かの「手紙届ける!」という強い意志が感じられる文です。
すでにAさんの家のポストに入って「届いた状態」がずっと続いているニュアンスが強いです。
一方、②では、①ほどの強い誰かの意志はなく、客観的にAさんの家に手紙が届いた状態を指します。
また、「届いた状態」は瞬間的なニュアンスです。
③ここに、まねきねこが置いてある。
④ここに、まねきねこを置いている。
「置く」は、主語や目的格によって自動詞か他動詞か変化する動詞です。
③は、まねきねこがずっとその場にあることを意味しています。
④は、まねきねこはたまたまそこにあるだけです。
掃除中に置いただけかもしれないし、捨てるつもりで置いただけかもしれません。
「~てある」「~ている」の用法の注意点
「~てある」「~ている」の用法は、なかなかややこしいですよね。
日本人でも区別なく使っている人も多いものです。
進行形の「~ている」との違い
状態の「~ている」=自動詞+ている
進行形の「~ている(ところだ)」=他動詞+ている
状態の「~ている」は「自動詞+ている」ですが、進行形の「~ている」は、「他動詞+ている」です。
これを混ぜてしまう人が、日本人にもたくさんいます。
①車が止まっている(自動詞文)
②車を止めている(他動詞文)
状態を表すのは、①ですね。
①は、車がそのとき止まった状態であることを指しています。
②は、車を運転する人の動作の進行形です。
「~てある」「~ている」の練習問題
「~てある」「~ている」の使い分けを紹介してきました。

( )の中に、「てある」か「ている」を入れましょう。
①窓はあらかじめ開け( )。
②図書館は、19時まで開い( )。
③道路に財布が落ち( )。
④聖書には、キリストの生い立ちが書い( )。
⑤「あれ、あなたの服、少し汚れ( )よ。」
答えは・・・
①てある ②ている ③ている ④てある ⑤ている
類義語「~ておく」と「~てある」「~ている」の違いとは
「~てある」「~ている」とよく似た言葉に「~ておく」があります。
「~ておく」は、用法は「~てある」と同じです。
「~ておく」とは
「動詞+ておく」で「次の動作のために~した状態(準備)」「そのままおいた状態(放置)」を表す
動詞は意志動詞
話し手の意図的な行動
結果や目的が明確な時に使う
「~とく」と省略できる
すぐ逃げられるように、ドアを開けておく。
母が誕生日なので、ケーキを買っておく。
「おく」は形式動詞で、補助的な役割です。

例えば・・・
①棚に塩が入れてある。
②棚に塩を入れておく。
この2つの違いはなんでしょうか。
①は、塩を入れたままの状態を示しています。
一方、②は、塩を次の料理まで棚にしまっている準備の意味と、塩を入れたままの放置の意味2つが考えられます。
「~てある」は、動作の主体が誰かわかりませんが、「~ておく」は、話し手の動作だと分かります。
まとめ
- 「~てある」は、長い期間「そのままの状態である」という意味。他動詞に接続。
- 「~ている」は、そのときだけ「そのままの状態である」と言う意味。自動詞に接続。
- 「~ておく」は、「あらかじめ~している(準備)」または「そのままの状態である(放置)」の意味。
前回記事:「~(する)ために」と「~(する)ように」の違いとは?
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