【大きい】と【大きな】の違いと品詞
【大きい】と【大きな】の違いはなんでしょうか。まずは、2つの品詞と使い方を見ていきましょう。
【大きい】の意味と品詞
品詞: イ形容詞(形容詞)
使い方:(活用しない場合)名詞の前、または文尾にくる
目の前のものだけでなく、一般的に大きいもの、想像したもの、思い出したものにも使う
【大きな】よりよく使われる
「大きい犬だったね。」
「校庭の大きい木の下にいるよ。」
「大きいゾウは、小さいネズミに言いました。」
「この犬は大きい。」
「校庭の木は大きい。」
「ゾウは大きい。」
「大きくなったね!」
「大きく動き出した。」
「今日見た犬は大きかった。」
「大きくて、こわい犬だった。」
「大きくても、恵方巻きはこうやって食べるんだ。」
「小型犬にしては大きすぎる。」
【大きな】の意味と品詞
品詞: 連体詞 ※ナ形容詞(形容動詞)とする場合もある
使い方:必ず名詞の前にくる
思い出して「大きかったなぁ」という印象
歌や物語などでよく使われる
「大きな犬だったね。」
「校庭の大きな木の下にいたよ。」
「大きな大きな桃が川を流れてきました。」
「大きなゾウは、小さなネズミに言いました。」
【大きい】と【大きな】の違いと例文
【大きい】と【大きな】には、 意味的な違いはない といえます。ただし、聞く人によって、受ける印象が違います。
「大きなのっぽの古時計」の歌を知っていますか?
「大きなのっぽの古時計」
「大きいのっぽの古時計」
感じ方は人それぞれですが、【大きな】古時計の方が、より懐古的(懐かしい感じ)だという人は多いのではないでしょうか。
「大きな大きなカブが抜けました。」
「大きい大きいカブが抜けました。」
これは、『大きなカブ』という物語の一説です。この話を知っている人なら、【大きな】の方がより大きいような印象を受けるかもしれません。
【大きい】と【大きな】の違いは、その人がこれまでどんな文章を読んだかで変わります。それは、【大きな】が、歌や物語でよく使われるため。
【小さい】と【小さな】の違いと品詞
【大きい】と【大きな】の違いが品詞の違いであるのと同じく、【小さい】と【小さな】も形容詞か連体詞かの違いです。【大きい】【大きな】と同じく、受ける印象は人によって違います。
「小さい子猫がイスの上で寝ている。」
「小さな子猫がイスの上で寝ている。」
「ふと足下を見ると、なんとも小さい人がこちらを見上げている。」(一寸法師)
「ふと足下を見ると、なんとも小さな人がこちらを見上げている。」
【大きい】【大きな】の違い=イ形容詞か連体詞か
きれいな、清らかな、元気な、大ざっぱな
大きな、小さな、おかしな、いろんな
グループ①と②の違いが分かりますか?
グループ①は、ナ形容詞(形容動詞)「~だ」が変化した形です。
グループ②は、連体詞。では、連体詞とは何なんでしょうか?
活用ができない自立した言葉
「ある」「その」「いわゆる」「同じ」など
【大きい】【大きな】のよくある間違い
【大きな】は「な」が付くからナ形容詞!元の形は「大きだ」だ!これは間違いですね。
【大きい】は、たまたま【大きな】という別の言い方を持つ言葉です。【小さな】も同様に、元の形が「小さだ」というのは間違い。
それぞれ「大きな」「小さな」という言葉があると覚えましょう。
まとめ
- 【大きい】【小さい】と【大きな】【小さな】の違い
意味の違いはない(受ける印象は人それぞれ)
【大きい】【小さい】の品詞は、イ形容詞(形容詞)
【大きな】【小さな】の品詞は、連体詞
- 【大きな】【小さな】のよくある間違い
なで終わる?→ナ形容詞だ!→元の形は大きだ」だ!×
次回記事:い形容詞・な形容詞の違いとは?