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と・ば・たら・なら の違いとは?使い分け、区別、意味と用法の違いをわかりやすく解説

トラウマウサギ
トラウマウサギ
あーあ、非課税の5億円が降ってくればな~。
トラウマウサギ
トラウマウサギ
異世界転生して働かないでお金持ちになれたらな~。
トラウマウサギ
トラウマウサギ
僕の家が「働く?やめなさいみっともない!」と言われるような貴族階級ならな~。
トラウマウサギくんは「東京タラレバうさぎ」ですね。
先生
先生
トラウマウサギ
トラウマウサギ
こんな世の中、「タラレバ」言ってないとやってけませんよ。
では、こんな世の中で夢(?)を語るのに必要な「たら」「れば」「なら」、それに「と」について、今日は勉強しましょう。
先生
先生

 

 

と ば たら なら は似ているけど違いがある

「お金がたくさんあると、大変だ。」

「お金がたくさんあれば、大変だ。」

「お金がたくさんあったら、大変だ。」

「お金がたくさんあるなら、大変だ。」

これらは、非常に似た文章です。けれど、それぞれニュアンスの違いがあります。

ここでは、【と】【(れ/なら)ば】【たら】【なら】の違いを詳しく見ていきましょう。

 

【と】の使い方と意味・例文

【と】はさまざまな使い方を持つ助詞です。

「友だちと遊ぶ。」相手を表す格助詞

「トマトとキャベツください。」並列助詞

これらの他に、順接を表す接続助詞の用法があります。今回は接続助詞の【と】を詳しく見ましょう。

 

と:いつものことの表現

「~と、~」は、自然現象や習慣、機械操作など、「いつもこうなる」という表現です。反復的、恒常的なことに対して使います。

「春になると、桜が咲きます。」

「私、食べるとすぐ太るの。」

「このボタンを押すと、音が鳴ります。」

 

と:過去の出来事/発見

「それまでそうでなかった→変化が起きた」という状態にも、【と】は使われます。

「目を覚ますと、病院のベッドの上だった。」

「トンネルを出ると、街が見えた。」

先生
先生
【と】は一般的な事実や過去の事実を示す接続助詞で、【ば】【たら】【なら】のような仮定表現とは少し違います。

【と】で接続される場合、後ろの文には意志、勧誘、命令の表現は続きません。

 

【ば】の使い方と意味・用法・例文

【ば】は、「~れば」「~ならば」のように使うことが多いですね。【ば】は、品詞や動詞のグループによって活用の仕方が変わります。

動詞+(e)ば…「読めば」「食べれば」

  • 五段活用動詞(1グループ)…iます→eば

「読きます→読めば」「書きます→書けば」「待ちます→待てば」

  • 上一段活用/下一段活用動詞(2グループ)…れば

「起きます→起きれば」「食べます→食べれば」「見ます→見れば」

  • サ行変格活用/カ行変格活用動詞(3グループ)…すれば/くれば

「します→すれば」「勉強します→勉強すれば」「連れてきます→連れてくれば」

形容詞(イ形容詞)+ければ…「小さければ」「高ければ」

名詞/形容動詞(ナ形容詞)+ならば…「暇ならば」「静かならば」

 

ば:一般法則、いつものことの表現

反復的な表現や一般法則、ことわざにも【ば】は使われます。

「牛乳を飲めば大きくなれるかなあ。」

「雨が降れば、地面が濡れる。」

「風が吹けば桶屋が儲かる。」

 

ば:仮定表現

「実際にはまだそうなっていないが、そうなったら」という仮定表現。

「コロナがなければ、旅行に行くのに。」

「お金があれば、旅行に行く。」

「時間ができれば、旅行に行きたい。」

トラウマウサギ
トラウマウサギ
…どんだけ旅行行きたいんですか!

【ば】は、前の文と後ろの文の主語が同じとき、意志、勧誘、命令が続きません。が、前文と後文の主語が違うときはOK

「親が許してくれれば、(私は)旅行行くつもり。」

「まだ(店が)売っていれば、(私は)買いだめしよう。」

 

【たら】の使い方と意味・用法・例文

【たら】は、「動詞/形容詞+たら」「名詞+だったら」の形で使う、仮定表現。いつも過去形(た形)に接続します。

 

たら:仮定表現

【たら】の仮定表現は、いつも特定的・1回的です。

「明日雨が降ったら、家にいます。」

「もしテストで100点取ったら、ゲームしてもいいよ。」

「コロナがなくなったら、旅行に行こう。」

仮定表現の【たら】は、【ば】に置き換えることができます。

先生
先生
ただし、【ば】と違い、【たら】は後ろの文が意志、勧誘、命令でもOKです。

 

【なら】の使い方と意味・用法・例文

【なら】は、「動詞/形容詞[辞書形/過去形]+なら」「名詞+なら」の形で使う仮定表現

 

なら:仮定表現・意見表明

【と】【ば】【たら】と少し違います。【と】【ば】【たら】の時間軸は必ず前文→後文ですが、【なら】はそうではないことがあります。

「寝るなら、歯磨きしなさい。」

「ゴロゴロするなら、手伝って!」

「お酒を飲んだなら、運転しちゃダメだよ。」

先生
先生
動詞の辞書形と接続するとき:後文→前文が多く、動詞の過去形(た形)と接続するとき:前文→後文が多いですね。

 

と ば たら なら の違い・使い分け

さて、それぞれの用法と意味、使い方の例文を見てきました。

では、【と】【ば】【たら】【なら】の違いとは、どのようなところにあるのでしょうか。まとめて書き出すとこのようになります。

【と】事実を表す。意志、勧誘、命令がこない

【ば】仮定表現。(同一主語のとき)意志、勧誘、命令がこない過去に1度起きた出来事には使えない

【たら】特定的仮定表現。意志、勧誘、命令がくる

【なら】意志、勧誘、命令がくる。前の文と後ろの文の時間軸は必ずしも前→後ではない

さて、違いがややこしいですね。例文を見てみましょう。

 

と ば たら なら の例文

①「お金がたくさんある、大変だ。」

②「お金がたくさんあれ、大変だ。」

③「お金がたくさんあったら、大変だ。」

④「お金がたくさんあるなら、大変だ。」

①の「お金がたくさんある」のは、客観的事実で「大変」なのは当然のことという意味です

②の「お金がたくさんある」のは、仮定の話で「大変」なのは想像にすぎません。

③は「お金がたくさんある」という特定の立場について仮定すると「大変」という想像です。

④の「お金がたくさんある」のは仮定の話にも予想の話にもなります。

先生
先生
もう1セット例文を見てみましょう。

①「空港が近い、たくさん旅行できる。」

②「空港が近けれ、たくさん旅行できる。」

③「空港が近かったら、たくさん旅行できる。」

④「空港が近いなら、たくさん旅行できる。」

①の「空港が近い」のは、客観的事実で「たくさん旅行できる」のは当然という意味。

②の「空港が近い」のは、仮定の話で「たくさん旅行できる」のは想像

③は「空港が近い」という立場について仮定すると「たくさん旅行できる」という想像

④の「空港が近い」のは仮定の話にも予想の話にもなります。

トラウマウサギ
トラウマウサギ
…先生、【と】【ば】【たら】【なら】の違いを覚えなきゃいけませんか。
いえ、日本人も説明しにくいものなので、用法さえ間違えていなければ違和感はありませんよ。
先生
先生
【と】は仮定表現ではない、【なら】は時間軸が違うことがある。【ば】と【たら】は言い換えられるけれど、後ろの文によっては言い換えられない。これだけ覚えましょう。
先生
先生

 

まとめ

【と】事実を表す。意志、勧誘、命令がこない。

【ば】仮定表現。(同一主語のとき)意志、勧誘、命令がこない。過去に1度起きた出来事には使えない。

【たら】特定的仮定表現。意志、勧誘、命令がくる。

【なら】意志、勧誘、命令がくる。前の文と後ろの文の時間軸は必ずしも前→後ではない。

  • 【と】と【ば】【たら】【なら】の違い

【と】は、事実を表す。仮定表現ではない。

【ば】【たら】【なら】は、仮定表現。

  • 【と】【ば】【たら】と【なら】の違い

【と】【ば】【たら】は、必ず時間が前→後。

【なら】は、前→後または後→前

  • 【ば】【たら】の違い

【ば】は、後ろに意志、勧誘、命令がこない。

【たら】は、後ろに意志、勧誘、命令がくる。

 

前回記事:【意思】と【意志】の違いとは?

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