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「すみません」は正しい敬語?意味と成り立ちは?「すいません」との違いは?「なぜ日本人はすぐ謝る?」の謎を日本語から解説

日本人は【すみません】をよく使いますよね。

「旅行、留学、仕事などで日本に滞在するなら知っておいて損がない」と外国人に紹介できる言葉のひとつ。

謝るだけではなく、呼びかけやお礼の意味など、さまざまあるのが難しいところ。

【すみません】を使いすぎて、日本人=すぐ謝る民族といわれることもあります。

先生
先生
自分が悪くなくても謝るという意味では合ってますね。

今回はそんな【すみません】を徹底分析。

どんな意味で使われるのか、仕事やフォーマルで敬語として使用できるのか、すみませんが読んでいってくださいね!

 

 

【すみません】の使い方

【すみません】は、日本人の口癖のようになっている言葉。

なぜこんなに「すみません」と言うのか。

それは、【すみません】がさまざまな意味を持つ、便利な言葉であるからにほかなりません。

便利で使いやすいからこそ、「すみません」が習慣化しているのでしょう。

 

【すみません】の持つ意味

「すみません、寝坊しました。」(謝罪)

「あの、すみません、忘れ物してますよ!」(呼びかけ)

「すみません、お水ください!」(依頼)

「すみません、今よろしいですか?」(許可)

「これ、つまらないものだけど受け取ってください。」

「え、これはこれは、すみません。」(感謝)

こんなかんじで、【すみません】だけで多くの意味が使い分けされています。

【すみません】だけで日本人は会話をしていたという話もあります。

すみません、これ(ハンカチ落ちてましたよ)
ああ、すみません!(ありがとうございます)
先生
先生
いえいえ、すみません(大丈夫ですよ)

外国人からすると変な会話でも、日本語ネイティブからするとナチュラルなやり取りですよね。

【すみません】の使い方をマスターしておくと、外国の方は日本人と仲良くなるのに使えるかもしれません。

 

【すみません】と【すいません】は敬語?敬語じゃない?

ビジネスマンに注意して頂きたいことは、 【すみません】は口語の言い方であり、敬語としてフォーマルシーンには似つかわしくない ということ。

同僚や仲の良い先輩との会話の中で「すみません」くらいなら許されますが、取引先や上司、文章の中で用いることはできません。

ビジネスシーンでは【すみません】ではなく【申し訳ありません】を使うのが無難。

特に、メールなど文章中に【すみません】を使うのは避けましょう。

 

【すみません】と【すいません】の違い

【すいません】は、【すみません】を言いやすくした口語表現。

必ずしも正しい日本語とは言えません

先生
先生
【すみません】も【すみません】もビジネスでは使わないようにしましょう。

これらをフォーマルで使わない方が良いとされるのは、口語だからということもありますが、先に述べたように、意味がたくさんありすぎるからということも挙げられます。

特に「謝罪」の場面ではより丁寧さを求められるため、汎用性の高い【すみません】では「丁寧さが足りない!」と思われることがあります。

 

【すみません】の語源と成り立ち

そもそも【すみません】は動詞の「済む」の打ち消しが語源です。

「済む」丁寧語「ます」打ち消しの助動詞「ぬ」=「済みませ」(「済ま」の丁寧語)

これが、現代では「すみません」となりました。

「すみません」は敬語じゃないってさっき聞きましたが?
トラウマウサギ
トラウマウサギ
先生
先生
厳密にいえば、丁寧語から派生した敬語表現ではあります。けれども、現代での感じ方は人それぞれなので、避けることをおすすめします。

 

なぜ日本人は【すみません】で会話ができる?

ドイツ旅行の雑誌には、使えるドイツ語として覚えておくと良いとして「bitte」(ビッテ)がよく取り挙げられています。

「bitte」には、「どういたしまして」「どうぞ」「お願いします」「もう一度言ってください」など汎用性があり、日常会話でよく使う表現だからです。

もしかしたら、ドイツの日本旅行雑誌には「bitte」のように、【すみません】を覚えておくように書いてあるかもしれませんね。

 

日本人には【すみません】を読み取る力がある

トラウマウサギ
トラウマウサギ
なぜ日本人は【すみません】ひとつで相手の意思を汲み取ることができるのでしょうか。
これは一重に、日本人の高コンテクストな言葉の文化と社会にあるのでしょう。
先生
先生

日本語は、文脈から言葉の本意や相手の気持ちを推し量る高コンテクストな言葉です。

したがって、主語や目的語がよく省略されても文章として成り立ちます。

加えて日本社会は、「空気を読む」こと、そして相手の気持ちや「お察しする」ことを求められます。

この社会で生きるトレーニングの成果が、【すみません】に現れているのかもしれません。

 

こんな説も・・・

ご存知の通り、日本語は、述語が後に来るSOVの構文をとりますね。

それゆえ、日本語話者同士は常に、相手が後に来る動詞に何を入れるのか(何を言うのか)無意識のうちに考えながら会話をしているそうです。

一説では、そのおかげで日本人は「空気を読む」ことをトレーニングでき、「お察し文化」が発展しているとのこと。

先生
先生
まあ、韓国語、ヒンズー語、トルコ語などもSOVの構文ですし、ドイツ語なんかも動詞節が後ろに来ることもあるので、何とも言えませんが…

言葉と文化の成り立ちはいまだ謎に包まれているところが多いですが、面白いですね!

 

「すみません」は日本人特有の文化

いかがでしたか?

外国のジョークに、「レストランで日本人がボーイに向かって『Sorry!』と謝っていて不思議。」というものがあります。

先生
先生
あのジョークの背景には【すみません】の汎用性の高さが関係していたのです!
いやあ、さまざまな事柄は繋がっているんだなぁ。
トラウマウサギ
トラウマウサギ
先生
先生
そう、この広い空が外国と繋がっているように…
先生
先生
すみません、広げすぎましたね。
先生
先生
あ、でもここまでご覧頂けたのですね、いや、どうも、すみませんでした。

 

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