




【嬉しい】と【楽しい】はどちらも気持ちを言う形容詞ですね。
英語だとどちらも”happy, pleasant”などのように翻訳できます。
【嬉しい】と【楽しい】の違い
「犬と暮らせて嬉しい。」
「犬と遊ぶのは楽しい。」
このふたつは、どちらもポジティブな気持ち。
どのような違いで使い分けるのでしょうか?
【嬉しい】と【楽しい】には、意味の違いがあり、気持ちの違いがあります。
【嬉しい(うれしい)】の意味と使い方
晴れ晴れとした、良い気持ち
イ形容詞(形容詞)
論理的・継続的に外側から受けた出来事に対する気持ち気持ちは長く続かない
結果が大事
「あなたと仕事ができて嬉しいです。」
「君が元気になってくれるなら、僕は嬉しい。」
「(花束をもらって)嬉しいです。」
「嬉しい知らせがあるよ!面接に受かったんだ!」
【楽しい(たのしい)】の意味と使い方
心が満ち足りて、明るく愉快な気持ち
イ形容詞(形容詞)
内側からわきおこる気持ち気持ちは長く続く
プロセスが大事
英語: happy, enjoyable, pleasant
「彼と一緒にいる時間はとても楽しいです。」
「東京ディズニーランドは楽しい。」
「あなたとの仕事は楽しかったです。」
「(いっしょに遊んでいる時に)楽しいね!!」
「楽しい時間をありがとう。」
例えば・・・
前の例をもう一度見てみましょう。
①「犬と暮らせて嬉しい。」
②「犬と遊ぶのは楽しい。」
①は、犬という自分ではないものによって得た気持ち。
②は、犬と遊ぶことで自分の中にわきおこる気持ち。
【楽しい】は、「~を楽しむ」のように他動詞に変えられます。
つまり、【楽しい】は自分次第で気持ちを変えられるということです。
③「あなたと会えて嬉しい。」
④「あなたと話すのは楽しい。」
③は、あなたと会えた瞬間、嬉しいということ。
その瞬間は長く続かないため、嬉しい時間は長く続かないとされます。
④は、あなたと話している間ずっと楽しいということです。
だから話し続けている間ずっと楽しい。
楽しい時間が長く続くとされます。
【嬉しい】【楽しい】と【幸せ】の違い
日本語初級でどちらも似たシチュエーションで出てくるため、「嬉しいと幸せは同じですか」という質問をよく聞きます。

【しあわせ(幸せ)(仕合わせ)】の意味と使い方
①機会・天運
②なりゆき
③幸運なこと・幸福
「幸せ」は名詞、「幸せだ」はナ形容詞(形容動詞)
「末長くお幸せに!」
「たくさんの子どもに囲まれて幸せに暮らしたい。」
室町時代に生まれた言葉で、もとは①機会・天運または、②なりゆきの意味でした。
しかし、江戸時代以降、③幸運なこと・幸福の意味に変化していき、今はこの意味で使われることがほとんどです。
【嬉しい】【楽しい】と【幸せ】の違い
【嬉しい】【楽しい】と【幸せ】の違いは、感情の長さです。
【嬉しい】が一瞬の感情である一方、【幸せ】は永続的な感情です。
期間が長いポジティブな感情に使われます。
【嬉しい】【楽しい】と【喜ぶ】の違い
また、ポジティブな気持ちを表す動詞に、【喜ぶ】もあります。
【嬉しい】【楽しい】との違いは、品詞だけなのでしょうか。
【喜ぶ(よろこぶ)】の意味と使い方
【嬉しい】と思うこと
動詞(1グループ) 形容詞形は、「喜ばしい」
気持ちは長く続かない
「彼は面接の合格を受けて喜んだ。」
「この犬はオヤツをあげるととても喜ぶ。」
「この結果はとても喜ばしい。」
「喜ばしいことに、君の成果が学校新聞にのるよ。」
【嬉しい】【楽しい】と【喜ぶ】の違い
大きな違いは、【嬉しい】【楽しい】が形容詞であり、【喜ぶ】が動詞であること。
形容詞【喜ばしい】は、【嬉しい】とほぼ同じ意味、使い方がされます。
一方、【楽しい】の動詞形は、【楽しむ】です。
まとめ
- 【嬉しい】と【楽しい】の違い
【嬉しい】は外からの一瞬の喜び
【楽しい】は内からの継続する喜び
- 【幸せ】は永続的な喜びを意味する
- 【喜ぶ】との違い
【喜ぶ】とは、【嬉しい】と思うこと。
【嬉しい】=【喜ばしい】
【楽しい】→【楽しむ】
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