



【思う】と【考える】の違い
【思う】と【考える】は、どちらも頭に何かを思い起こすこと。
英語ではどちらも”think“と翻訳されます。(他の英語訳は後述)
以下のように、日常でよく使う日本語ですね。
「私は彼が勝つと思います。」
「彼は新しいアイデアを考えています。」
それでは、どのような違いがあるのか、説明することはできるでしょうか。
【思う】の意味と例文
感情的・一時的に 何かを思い起こすこと
英語:”think”の他、”feel, suppose”とも翻訳できる
コントロールできないより感情的な思考
「あなたのことが好きなんだと思います。」
「この道をまっすぐだと思います。」
「私が思うに、リスクが高すぎます。」
「君はもっと思ったことを言うべきだ。」
【考える】の意味と例文
論理的・継続的に 何かを思い描くこと英語:”think”の他、”consider”に近い意味あり
コントロールできる思考
「ずっと君のことを考えているよ。」
「僕が考えた最強のモンスター!」
「将来は独立したいと考えています。」
「〜に対して、考えを述べよ。(小論文など)」
「私が考えるに、設備投資に力を入れるべきです。」
例えば・・・
「子どもの将来を考える」
【思う】なら、漠然と頭の中に急にわきおこっている状態。
【思う】ときは、「うちの子大丈夫かしら」「将来はお医者さんになってほしいな」などと思いつくことです。
【考える】なら、感情ではなく、時間をかけて論理的に頭に思い描いている状態。
【考える】となると、「将来お医者さんになるには、まずこの学校に行って…」というように、より具体的になります。
小論文やレポート、ビジネスでは、【思う】ではなく【考える】を使用されることが多いです。
【思う】と【考える】の語源
【思う】は、「重い」と語源が同じとされる説があり、「面(おもて)=顔」の活用型とされています。
【考える】は、「かんがふ」「かむがふ」から転じて今の形になりました。
「かむがふ」の「か」は《場所・指し向かうもの》、「むがふ」は《向かう・対》を意味します。
差し向けた対のものに考えを巡らせるという意味から、【考える】の意味が生まれました。
【思う】【考える】と【感じる】の違い
【思う】【考える】と同じように、頭に浮かべたり認知する動詞に【感じる】があります。
どんな意味があるのでしょうか。

【感じる】の意味と例文
感情や感覚により認知される
英語:feel,sense など
【思う】と同じく、主観的で感情的
自然的な感情判断をいうときに用いる
「彼の言葉に、強い怒りを感じた。」
「腹部に痛みを感じて、病院へ行った。」
「君とは初めて会ったけれど、親しみを感じるよ。」
【思う】【考える】と【感じる】の違い
【考える】とは、理性的で知性を伴う思考。
【思う】と【感じる】はより感情的。【思う】は、感情を伴う思考的判断です。
【感じる】は、感情や感覚によって認知されます。
【思う】と【想う】の違い
【想う】は「おもう」と読む上、【思う】と意味も似ていて紛らわしい言葉かもしれません。
違いは、頭で思うのか、心なのか。
「故郷を思う。」
「故郷を想う。」
頭の中で「故郷はどうなったかな?」というときは【思う】。
心でイメージするのが【想う】。
【想う】はより感情を込めた表現です。
まとめ
- 【思う】と【考える】の違い
【思う】はコントロールできない一時的感情
【考える】はコントロールできる論理的思考
- 【思う】【考える】と【感じる】の違い
【感じる】は、感情や感覚によって認知される一時的感情
- 【思う】は頭で、【想う】は心で考える
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