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【違う】と【異なる】の違いと使い分け|英語・類義語・意味と敬語表現

先生、異なると違うの違いはありますか?
トラウマウサギ
トラウマウサギ
先生
先生
【異なる】は少し硬い表現ですね。
【異なる】は硬い…では【違う】は柔らかい表現ですか?
トラウマウサギ
トラウマウサギ
先生
先生
違う】は中立ですね。ただ、お客様や上司相手に「違います」とハッキリ言うのを避けることも多いです。
先生
先生
今回は、【違う】と【異なる】がどう違うのか見ていきましょうか。
ややこしい言い方ですね!!
トラウマウサギ
トラウマウサギ

 

 

【違う】と【異なる】の違いと使い分け

「違う」と「異なる」の使い分けが難しいと感じたことはありませんか?【違う】【異なる】はどちらも、何かと何かが別のものという意味です。

「話が違う。」

「話が異なる。」

上の例、ニュアンスの違いは何となく分かるけど…説明が難しい」という人は多いでしょう。日本人は ほとんど違いなく使っているようですが、実は【違う】【異なる】にも相違点があります。

先生
先生
英語では動詞「differ」などを使うよりも、形容詞文として「It`s different from~」などで表されることが多いでしょうか。

この記事では、両者の意味の違い、使い方、そして敬語表現までを詳しく解説します。「違う」と「異なる」の正確な使い分けを見ていきましょう。

 

違うと異なるの基本的な違い

【違う】の意味と例文

あるものが別のものと合わないこと、正しくないことを指します。

英語:differ (from), vary

「パスワードが違います。」

「君と僕じゃ立場が違うよ。」

「違う違う、そんな意味で言ったんじゃないって。」

【異なる】の意味と例文

2つの物事を比較して、差があることを表します。やや堅い表現で学問分野(特に数学)で用いられます。

英語:differ (from), vary, (意見に対して)disagree

「彼は明らかにいつもと様子が異なった。」

「異なる2つの絵から共通点を見つけなさい。」

「私と彼女は異なる環境で育ちましたが、とても話が合います。」

 

違うと異なるのニュアンスの違い

「違う」と「異なる」のニュアンスの違いを実際の例文で見ていきましょう。

例文:

①「話が違う。」

②「話が異なる。」

①「話が違う」は、単に昨日の話と今日の話が違うという意味だけでなく、内容が正しくない、期待に合わないという感情も含まれます。昨日と今日の話が違う以外にも、事実や倫理として正しくない話であるというニュアンスも出ます。

一方で、②の「話が異なる」は、昨日言っていた話と今日の話が異なるといったときに使います。こちらは単に2つの話が比較して異なる、事実としての差を表します。感情的なニュアンスは含まれていません。

 

異なると違うの使い分けポイント

【違う】と【異なる】の使い分けのポイントを例文で見ていきましょう。

例文:

①「色が異なる」

②「色が違う」

①「色が異なる」は、AとBを比べて色の違いを意味します。②「色が違う」となると、より広い意味でAとBを比べる、自分の求めた色ではない、本来あるべき色ではない、などいろいろなシーンが考えられます。

「異なる色の2つの絵を比べてください。」のように、【異なる】はフォーマルな場面や学術的な文脈でよく使われ、2つの物事を比較した上での違いを示すときに使います。【違う】は広い意味で「正しくない」や「間違い」を含むということです。

 

敬語表現における異なると違うの使い分け

ビジネスシーンでは、「違う」という言い方はやや直接的な印象を与えることがあります。そこで、「異なる」やそれに類似する表現を用いると丁寧になります。

例文:

「私の認識と違います。」(少し強い表現)

ストレートすぎて、上司やお客様には不向き。

例文:

「私の認識と異なるようですが…」

敬語として適切であり、遠回しに物事を指摘するのに向いています。


他の類義語と敬語表現

相違する「意見に相違があるようです。」

食い違う「話が食い違っているようです。」

【違う】は、広い意味があり使いやすい言葉ですが、敬語で使うにはストレートすぎる印象があります。ビジネスシーンでは、相手の意見に対して直接的ではない柔らかい対応が求められます。「恐縮ですが」「恐れ入りますが」などのクッション言葉を添えるとさらに丁寧です。

先生
先生
敬語表現というより待遇表現ですが…異なることを指摘した後は、「恐縮ですが」「恐れ入りますが」ご確認頂ければ幸いです。と、申し訳ないフリをしておきましょう。
日本語教師がそんなテキトーでいいんですか…
トラウマウサギ
トラウマウサギ
先生
先生
「自分が悪くないのに謝る」「申し訳ないと伝える」文化は結構めずらしいんですよ。
先生
先生
「上司とうまくいかない」という外国人に「申し訳ないフリすると丁寧に見える」と教えたらうまくいった例もあります。

 

【違う】と【異なる】の漢字の成り立ち

【違う】の「違」は、十字路で立ち止まる足と別方向に足を向ける象形を含む会意形成文字。

そむき離れるの意味を持ちます。

【異なる】の「異」は、人がお面をつけて手をあげている様子を表します。お面で別人になることから、《ことなる》の意味を持つようになりました。

 

【違う】と【異なる】の類義語

【違う】と【異なる】は、それぞれ類義語の関係です。この他、言い換えが可能なのは以下のような動詞。

違うと異なるの類義語:相違する、食い違う、相異なる、変わる

例文:

「音楽性の相違により、解散した。」

=「音楽性の違いにより、解散した。」

「話が食い違っているようだ。」

=「(誤解があって)話が違っているようだ。」

「昨日と今日で意見が相異なる。」

=「昨日と今日で意見が変わる。」

=「昨日と今日で意見が違う。」

=「昨日と今日で意見が異なる。」

 

まとめ

  • 【違う】と【異なる】の違い

【違う】は、広い意味で「あるものと合わない」「間違っている」

【異なる】は、「二者間を比べて違う」

  • 漢字の成り立ち

【違】は、《そむきはなれる》

【異】は、お面で別人になる→《ことなる》

  • 【違う】と【異なる】は、それぞれ類義語の関係

相違する、食い違う、相異なる、変わる

  • 【違う】と【異なる】の敬語表現

【違う】は、敬語で使うにはストレートすぎる

【異なる】を使い、申し訳ないフリをする

 

前回記事:【思う】【考える】の違いとは?

次回記事:【十分】と【充分】の違いとは?

 

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