「ので」と「から」の違いとは?で、違いを解説しました。それでは、「~ので」が表す【原因】と「~から」が表す【理由】の違いとは何なのでしょうか。
原因と理由の違いは?例文・対義語・英語言い換え
【原因】と【理由】は、日本人でも同じ意味と捉える人も少なくありません。しかし、実は違いがあるこの2つ。
まずは、【原因】と【理由】日本語の違いを英語、対義語、類語・言い換え表現から見ていきましょう。
【原因】の類語・対義語・英語言い換え
状態を引き起こしたもとになっていること
因果関係の結果のもとになっている事柄
類語:導因、起こり、素因、誘因など
対義語・反対語:結果
英語:cause, sourceなど
ネガティブな事柄に使われることが多い。
意志動詞では使いにくい。
【理由】の類語・対義語・英語言い換え
ある状態がそのようになったいきさつ
その人がそうしたわけ・事情
類語:訳、いわれ、ゆえん、裏付、原拠、徴証、拠り所、証、根拠、明かし
対義語・反対語:帰結など
英語:reason, motiveなど
ポジティブな事柄・ネガティブな事柄どちらにも使われる。
【原因】と【理由】の違い:例文で見る日本語の違い
「事故が起こった理由は、運転者の飲酒によるものだった。」
2つを比べてみると、①【原因】では、 「なぜ」事故が起こったのか質問に答える大元 「飲酒運転」を強く指し示しています。
②【理由】では、 なぜ事故が起こったのか質問に対して 「飲酒運転」と内容を伝えるニュアンスがあります。
「彼女がダイエットする理由は、太ったからだ。」
これらはどちらも間違いではありませんが、【原因】は人の意識的な行動(意志動詞を伴う)に使うと違和感が出ますね。厳密には、【理由】が正解。
「彼が殺人事件を起こした(意志動詞)理由は、被害者を憎んでいたからだ。」
【原因】と【理由】の違い:両方使える例文
「彼女が彼と結婚した理由は、節税対策だ。」
①は【原因】が書かれていないのに「結婚」をよく思っていない人の発言のように感じます。それは、【原因】は、ネガティブな結果の元を言うときに使うからです。
②のように【理由】を使うのであれば、ネガティブな話にもポジティブな話にもなります。
「結婚した理由は、彼が大好きだったからだ。」
要因と原因の違いは?英語・対義語・言い換え
【原因】の類語に【要因】があります。それでは【原因】と【要因】の違いは何でしょうか。
英語、対義語、類語・言い換え表現、例文を見ていきましょう。
【要因】の例文・対義語・英語言い換え
主要な原因のこと
類語:原因、もと、導因、起こり、素因、誘因など
対義語・反対語:結果
英語:factor, primary factor, main causeなど
ビジネスや論文など、堅苦しい印象
ポジティブな事象にも使える。
いろいろ原因はあるけれど、大きな原因が「インターネット広告」だったということですね。
要因と原因の違いは、ポジティブな事象にも使えること。そして、【要因】は堅苦しい印象があります。
根拠と理由の違いは?英語・対義語・言い換え
【理由】の類語に【根拠】があります。それでは【理由】と【根拠】の違いは何でしょうか。
英語、対義語、類語・言い換え表現、例文を見ていきましょう。
【根拠】の例文・対義語・英語言い換え
理由に客観性を持たせる情報・データ
類語:裏付、原拠、徴証、拠り所、証、明かし、裏付け、証跡など
対義語・反対語:事実無根、根拠薄弱、口から出まかせ
英語:evidence, basis, foundationなど
理由を支えるのが根拠(数値・データ・実物)
売り上げが伸びた理由が「インターネット広告」で、その根拠がアンケートということですね。
根拠と理由の違いは、【根拠】が【理由】を支える数値・データ・実物であることです。
まとめ
- 原因・理由・要因・根拠の意味
【原因】は、因果関係の大元を言う。ネガティブな事柄に使われることが多い。
【理由】は、人の行動のわけも説明できる。ポジティブでもネガティブでも使える。
【要因】は、主な原因。
【根拠】は、理由に客観性を持たせる情報・データ
- 原因・理由・要因・根拠の違い
【原因】と【理由】の違い:【原因】はネガティブ/コントロールできない事柄に使われることが多い。
【要因】と【原因】の違い:【要因】はポジティブにも使える。堅苦しい印象がある。
【根拠】と【理由】の違い:【根拠】が【理由】を支える数値・データ・実物である。
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