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格助詞「〜に(行く)」と「〜へ(行く)」の違いとは?人の移動を表す日本語|教え方の例・英語・「まで」の違いも

トラウマウサギ
トラウマウサギ
ハァ…このご時世どこ も行けませんね…。ヨーロッパ 行きたいです。西 行きたい…。
そうですね。どこ も行けず辛いところです。私もヨーロッパ 行きたいです。西 へ 行きたいですね。
先生
先生
トラウマウサギ
トラウマウサギ
……先生、さりげなく助詞を直してますね?間違ってましたか?
いえいえ、間違いではないですよ。でも、「に」と「へ」の違いは分かりますか?
先生
先生
トラウマウサギ
トラウマウサギ
分かりません!!

日本語学習者が初級で学ぶ 方向や位置、到達点を表す【に】と【へ】 

今回はこの格助詞【に】と【へ】の違いや使い分けを見ていきましょう。

 

格助詞【に】と【へ】の違いとは?

【に】【へ】は、ほとんど同じような使い方がされます。

そのため、日本人でもその違いや使い分け方を知らないことも多いものです。

まずはそれぞれの意味するものを見ていきましょう。

 

【に】は人の目的地点

到達地点そのものに重点

目的地がはっきりしている

英語:to, at, in

「テスト勉強のため、図書館に行く。」

「旅行はどこ行くの?」「タイに行くよ。」

 

【へ】は人の向かう方向

方向や方角

【に】より広範囲

英語:to, bound for

「この電車は京都へ向かいます。」

「連休は東南アジアへ旅行します。」

 

例えば・・・

①先月、渋谷に行きました。

②先月、渋谷へ行きました。

①は、渋谷という都市に行ったことを示し、②は、渋谷近辺、大まかな渋谷というエリアに行ったことを示しています。

①昨日、図書館に行きました。

②昨日、図書館へ行きました。

この例では、①は目的地として、本を読んだり借りたりするために図書館に行ったということ。

②は、図書館が必ずしも目的地とならず、図書館周辺で買い物したり遊んだりしていても良いということ。

とはいえ、「図書館へ行きました。」といった場合も、多くの人は図書館を明確な目的地として意識している場合がほとんどです。

トラウマウサギ
トラウマウサギ
【に】と【へ】に一応違いはあるけれど、日本人はあまり気にしていないってことですね。
はい。【に】【へ】に違いを持たせたいのは、以下のようなときですね。
先生
先生

 

各助詞【に】【へ】の教え方・使い分け方とは?

「行きます」「向かいます」など人の移動を伴う動詞とともに使う場合、ほぼ同じように使われる【に】【へ】

日本語を学ぶ外国人で、稀に細かく知りたがる人もいます。

明確に使い分けたい人への教え方や使い方を見ていきましょう。

 

①東西南北には【へ】

「北へ向かいます。」

「東の方へ歩いてください。」

東西南北の場合、方向や広範囲の場所を指すため、【へ】が適当といえます。

【に】でも間違いではありませんが…

 

②唯一無二の場所は【に】

この世に2つとない場所には【に】を使うと良いでしょう。

「私の実家の庭に、桜を見に行きませんか。」

「今年の春、ベイカー街B221に行きました。」

私の実家は唯一無二、さらに庭という狭い範囲を指定する場合、【に】が適当です。

また、実在しなかったベイカーストリートの観光地として作られた住所、明確にホームズ生家を訪れる場合【に】が適当です。

はい、けれど【へ】でも間違いではありません。

強いていうなら【に】が適当ということですね。

 

【に】【へ】と【まで】の違い

「東京に行く」「東京へ行く」と似た言い方に、「東京まで行く」というものがありますね。

【に】や【へ】と【まで】との違いはどんなものでしょうか。

 

【まで】は人の移動範囲

移動の範囲

スタート地点から見たゴール地点を示す

英語:to

「朝イチで北海道まで飛ぶ。」

「(タクシーで)新宿までお願いします。」

 

例えば

「東京に行く。」…その人の目的地は点

「東京へ行く。」…その人の目的地は円状

「東京まで行く。」…その人の出発地から目的地までの線

こんなイメージで覚えておくと良いでしょう。

 

まとめ

  • 【に】と【へ】の違い

【に】は、到達点を重視する。

【へ】は、方向を重視し、【に】より広範囲。

【に】【へ】どちらを使っても間違いとは言い切れない。

  • 【に】【へ】と【まで】の違い

【まで】は、移動の範囲を重視する。

 

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