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オランダ語から日本語になった言葉|似てる?オランダ語由来の日本語/オランダ語が語源の日本語!実は身近なアレも外来語?

トラウマウサギ
トラウマウサギ
先生、アムステルダムに住んでたんですよね?ご近所さんたちはやっぱり長身美男美女ばっかりでしたか?
私が住んでいたのはアジアンの多いところで、ご近所さんはだいたいインド人でしたね。
先生
先生
トラウマウサギ
トラウマウサギ
へえ、そうなんですか。
それよりも、日本との貿易の過程で、日本語になったオランダ語由来の外来語が非常に多いということの方が面白かったです。
先生
先生
トラウマウサギ
トラウマウサギ
おお、ポルトガル語からきた日本語と同じかんじですね。

参考:ポルトガル語から日本語になった言葉

そう。当時日本に渡来したもの、特に日本に存在しなかったものは身近な外来語として日本語になっていますよね。今回も見ていきましょう。
先生
先生

 

 

オランダ語とは?起源と日本との関係

オランダ語とは、オランダとベルギー北部、アフリカのスリナムで話される言語。

ゲルマン語を起源とする西ゲルマン語群に属す英語やドイツ語の仲間。特にドイツ語と多くの類似点があります。

それを体現するように、オランダ人は英語が得意。ドイツ語を話すオランダ人も多くいます。

先生
先生
ほぼ方言みたいなものだそうです。羨ましいですね。

 

日本語とオランダ語は似てる?

先生
先生
発音について言えば、オランダ語は英語より日本人にやさしいものの、ドイツ語より難しいです。文法はドイツ語と同じく複雑です。(主観)

オランダ語と日本語は似ているかどうか、ですが、文法構造や単語的にかなり異なるといえます。

ただし、オランダは江戸時代にヨーロッパ唯一の貿易国であり、当時入ってきた渡来品や学問などのオランダ語は、身近な外来語として今も日本語に残っています。

開国までオランダ語は非常に重視されており、西洋の学問を学ぶために、知識人たちはオランダ語を学ぶ必要がありました。

先生
先生
幕末期の日米和親条約などの交渉や文書にも、オランダ語は共通語として用いられました。
アメリカの人もオランダ語分かったんですかねぇ?
トラウマウサギ
トラウマウサギ
先生
先生
英語とオランダ語は類語点がかなり多いので、習得に英語→日本語ほどは時間がかからないようです。

参考:外国人にとって日本語は世界一難しい言語?

先生
先生
それに、アメリカ植民地時代にオランダは早くから流入していた国のひとつなんですよ。1667年までNYはニューアムステルダムと呼ばれるオランダの植民地でした。

 

オランダ語から日本語になった言葉|【食べ物】の外来語

さて、オランダ語から日本語になった外来語にはどのようなものがあるのでしょうか。

まず、貿易の要になった食べ物や飲み物。オランダから日本に伝わった食べ物は、特に私たちの身近な外来語として知られています。

意外な外来語も、たくさんあります。

 

Bier/ビール

ビールが初めて日本に来たとされるのは江戸時代。オランダ語やドイツ語では「ビア」と発音し、オランダ語由来の外来語として日本語に残っています。

ちなみに、初めて日本でビールを醸造したのは幕末の蘭学者といわれています。

先生
先生
ビール醸造所が初めて設立されたのは、明治2年(1869年)のこと。横浜の外国人居留地に開業した「ジャパン・ブルワリー」だったそうです。

 

Pons/ポン酢

食卓に並ぶ調味料・ポン酢も、実はオランダ語由来の日本語。オランダ語の「ポンス」とは、柑橘類の絞り汁のこと。

また、蒸留酒にこれらの果汁を加えたカクテル「ポンス」のことで、当時貿易の拠点だった長崎出島のオランダ商館の食卓で出されていました。

このポンスに加えていた果汁に酢酸を加えて味を整え、調味料になっていったのがポン酢

先生
先生
お酢のように酸味があったことから漢字の「酢」があてられました。

さらに、醤油などを加えて全国の食卓に広く普及する調味料となっていったそうです。

 

Koffie/コーヒー

コーヒーを日本に初めて持ち込んだのはオランダ人という説が有力です。(足利時代のポルトガル人やスペイン人が伝えた説もあり)

コーヒーはオランダ商館だけに嗜まれるもので、当時の日本人受けは良くなかったことが文献に残っています。

江戸末期に活躍したドイツ人医師のシーボルトは「日本人がコーヒーをあまり飲まないのは、勧め方が悪いからだ。身体に良いことを説明すれば、もっと飲むようになる。」と言ったそうです。

トラウマウサギ
トラウマウサギ
たしかに、あの黒い液体を初見でゴクゴク飲む気にはならないですよね。。

当時の日本人には墨汁に見えたかもしれませんね。
先生
先生

 

Siroop/シロップ

砂糖を溶かし香料などを添加した液体状の甘味料。これも、オランダ由来で、オランダ船に乗ってきてそのまま伝わりました。

トラウマウサギ
トラウマウサギ
食べ物関係の外来語が日本語になるのはテッパンですね!

当時は船の長旅ですから、非常食となるものや飲料などの船の積荷は貿易の要と一緒に渡来しました。
先生
先生

 

Kok/コック

料理人のことを指す「コック」はオランダ語由来、「シェフ」はフランス語由来です。

現代の日本語で「シェフ」とは、コックたちをまとめる総料理長のこと。フランス語「シェフ・ド・キュイジーヌ(chef de cuisine)/厨房のチーフ、リーダー」が語源。

参考:フランス語から日本語になった言葉

 

オランダ語から日本語になった言葉|【貿易品】の外来語

オランダから日本に伝わった食べ物以外にも、多くの輸入品の名前もオランダ語由来の日本語として残っています。その中には、オランダのものでなくとも、ヨーロッパのものとして伝わったものも数多くあります。

先生
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オランダ商船は、鎖国中の日本にとってヨーロッパの商品が唯一入ってくるルートでしたからね。

 

Gom/ゴム

植物ゴムは身近な外来語ですが、オランダ語由来です。

江戸貿易時代に入ってきて、そのまま日本語になりました。

先生
先生
ちなみに「グミ」はドイツ語から、「ガム」は英語から来てますが、どれも「Gummy/ゴム性の」と同じ語源を持ちます。

 

Glas/ガラス

江戸時代までに、ガラスのものは既に中国経由で入ってきていました。

それまでは「瑠璃(るり)」や「玻璃(はり)」などと呼ばれていました。

先生
先生
ちなみに、同じガラスでも「ビードロ」はポルトガル語由来。

同じくオランダ語由来の「Diamant(ギヤマン)」もガラスのことです。

 

Lens/レンズ

メガネに用いられるガラス状の素材。メガネなどと共に入ってきたとされる、オランダ語由来の身近な外来語です。

 

Brandpunt/ピント

オランダ語で「焦点」という意味。オランダ語発音では「ブラントプント」。

「ピントを合わせる。」など、日本語と合わせても使われる非常に身近なオランダ語由来の外来語です。

先生
先生
「focus(フォーカス)」は英語ですね。

 

Satijn/サテン

洋服の生地に使われるつるつるしたとした肌触りの良い素材。着物文化の中では真新しい生地でした。

これがオランダから日本にもたらされ、オランダ語由来の日本語として、服飾関係ではよく使われる外来語として残っています。

 

Haak/ホック

衣類用の留め具。ホックは着物にはないもので、オランダ船から日本にもたらされました。

先生
先生
「ホック」以外の言い方が思い浮かばないくらい、オランダ語由来の日本語です。

 

Ransel/ランセル

海外から「日本のランドセルすごい」と評判のランドセル。実は、オランダ由来の日本語。

江戸時代末期に、幕府が導入する洋式軍隊の使用するバックパックを、オランダからもたらされたものにしたことがランドセルの起源とされています。オランダ語呼称の「背負うバッグ」=ランセルがなまって「ランドセル」になったといわれています。

明治以降の洋式軍隊となった陸軍の歩兵にもこの革製のバックパックが採用されました。

通学鞄としてランドセルが初めて利用されたのは、1885年頃の学習院でのこと。

先生
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しかし、当時は今のランドセルというよりはリュックサックのような形で、革製の鞄は高価なことから一部の富裕層にしか普及されていませんでした。

現在のランドセルの形で広く普及され出したのは戦後、高度経済成長期を迎えた昭和30年以降のことです。

 

Marmot/モルモット

テンジクネズミの通称。動物名としてだけでなく、「実験体」を表す比喩にも使われるオランダ語由来の日本語です。

トラウマウサギ
トラウマウサギ
ちなみに、今うさぎの中でも注目のネザーランドドワーフやホーランドロップは、その名の通りオランダ種ですよ。

 

Orgel/オルゴール

楽曲を演奏する機械楽器

1852年、江戸深川の見世物小屋でオランダ人が公開したのが日本で初めてのオルゴール演奏とされています。

後に小林伝次郎という時計職人が、オランダから持ち込まれたものを研究し、日本で初めてオルゴールを作ったという記録があります。

 

Kop/コップ

飲み物用の容器。ポルトガル語の「Copo/コップ」から来たという説もあります。

先生
先生
身近な外来語ですが、オランダやポルトガルとの貿易で入ってきた日本語なんですね。

 

Schop/スコップ

土を掘るとき用いる道具

オランダ語発音では「スホップ」。ちなみに「Shovel/ショベル」は英語です。

トラウマウサギ
トラウマウサギ
『逆転裁判』に「スコップ」なのか「シャベル」なのかという論争がありましたね!

 

Doek/ズック

学校の上履きや靴を「ズック」と呼ぶことがあります。今では死語かもしれませんが、これも実はオランダ語から日本語になった言葉。

本来のオランダ語では、「ドゥーク」、織物という意味です。

 

オランダ語から日本語になった言葉|【学問・知識・その他】の外来語

 

Kompas/コンパス

円を描くための製図用具

ヨーロッパでは古代ギリシアから定規とともに使われていました。オランダから日本に入ってきたため、オランダ語由来の日本語として残っています。

先生
先生
ちなみに、同じくコンパスと呼ばれる航海時代の必需品・方位磁石は、中国の羅針盤を起源としたものです。

 

Elektriciteit/エレキテル

江戸時代に活躍した平賀源内の摩擦起電機「エレキテル」は、オランダ由来の発明。

江戸時代の貿易で日本にもたらされたものを源内が復元したといわれています。

先生
先生
このオランダ語を語源に、後に機械仕掛けのものや電気装置を「エレキ」と称するようになりました。

オランダ語の意味は、電気や電流のこと。

 

Blik/ブリキ

鉄鋼を加工した板オランダ語発音で「ブリク」

江戸時代に言葉とともに入ってきた説が有力です。

 

Retort/レトルト

「レトルト」というと、レトルトカレーやレトルトパウチなど特殊なプラスチック製の袋に入った、調理済みの食品を思い描くでしょう。

実は、オランダから江戸時代には「レトルト」は入ってきていたのです。…といっても、このオランダ語「レトルト」とは、加圧過熱殺菌をする釜のこと。

今のレトルトパウチ食品は、アメリカの宇宙食品開発の過程で発達したものです。

先生
先生
ちなみに、レトルトカレーを初めて開発したのは日本です。

 

Asbest/アスベスト

健康被害などでもよく話題に挙がる石綿

江戸時代には既に入ってきたオランダ語由来の日本語です。

 

Mes/メス

日本では医療で使う刃物オランダ語では、ナイフという意味です。

ちなみに、欧米で医療従事者が使うメスは「scalpel/スカルペル」、または「lancet/ランセット」と呼ばれます。

先生
先生
その他、医学や科学、地質学などの新たな知識の多くも、オランダ語で入ってきました。

 

Ontembaar/おてんば

お転婆と漢字が当てられることからオランダ語であることが意外な外来語。

ですが、「手に負えない」というオランダ語由来の日本語です

日本では、女性に使う言葉で、「恥じらいもなく活発な様子」を指すようになりました。

 

Zontag/ドンタク

オランダ語で日曜日は「ゾンタフ」

週休2日以前、土曜日に半日仕事をすることを半ドンと言いましたが「半分日曜日=半分ドンタク=半ドン」と変化したものだそう。

福岡最大のお祭り「博多どんたく」もこれに由来します。

先生
先生
ちなみに、九州の学生たちは体育で移動する際「ヤー!」と掛け声をあげるのですが、地元の方言が訛ったものか、「Ja」から来ているものか、未だ分かっていません。

 

Letter/レッテル

「レッテルを貼る」という言葉があるように、日本語ではステレオタイプと同義で使われる外来語。

オランダ語発音で「レテル」といい、文字やラベルを指します。

 

オランダ語由来の日本語は身近な外来語として残っている言葉ばかり!

江戸時代、日本にとってオランダがヨーロッパ唯一の貿易国であった時代は、200年続きます。

オランダは、もともと商売で栄えていた自国文化はもとより、ヨーロッパ各国の化学、医学、知識などの学問を渡来品や兵器と共に輸出していました。日本人の西洋観の第一歩が、オランダ人だったわけです。

フランス革命や産業革命が起こった18世紀といえば、ヨーロッパの天地がひっくり返った激動の時代。そんな中やってくるオランダの渡来品や知識は、日本人からすれば全てが真新しく、驚くべきものでした。

だからこそ、今も身近な外来語として、オランダ語があちこちに残っているのでしょう。

今回ご紹介したのは、オランダ語から日本語になった言葉のごく一部。

先生
先生
この頃に入ってきた言葉は非常に多岐にわたります。もっと調べてみると面白いかもしれませんね!

前回記事:ポルトガル語から日本語になった言葉16選

次回記事:似てる?日本語になったフランス語30選

 

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