参考:日本語は世界で最も難しい言葉?外国人による海外の反応・理由まとめ
参考:英語はなぜ共通語なの?いつから?メリット・デメリットは?
日常会話の単語数が多いのは英語?日本語?世界の語彙数ランキング
英語と日本語は、どちらが語彙数が多いのでしょうか?日本語を学ぶ学生たちは、「日本語は単語数が多い」とよく嘆いています。その理由は後述するとして、みなさんはどこの国の言葉の数、単語が多いと思いますか?単語数や語彙数の各国言語ランキングを調べてみました。必ず最後までご覧くださいね。
「語彙数・単語数の言語ランキング」結果
1位 韓国語…1,100,373語
2位 日本語…500,000語
3位 イタリア語…260,000語
4位 英語…171,476語
5位 ロシア語…150,000語
1位 英語…1,025,109語
2位 中国語…500,000語
3位 イタリア語…300,000語
4位 スペイン語…250,000語
5位 フランス語…100,000語
1位 アラビア語…12,300,000語
2位 英語…600,000語
3位 フランス語…150,000語
4位 ロシア語…130,000語
語彙数・単語数が多いかどうかは測れる?
上のランキングで分かるでしょうが、語彙数・単語数ランキングを色んな言語で探してみましょう。本当に、色んな結果が出てきます。かといって、これは「騙してやろう」という類のフェイクニュースばかりではなく、真剣に、大真面目に発信されているものも多いのです。
なぜ、このようなことが起こるのでしょうか。それは、 語彙数や言葉の数は決して客観的に数を測定できない からです。
例えば、以下の英語は、英単語の中でも長いと評判の単語です。この単語は、それぞれの単語が繋がってできています。
pneumono(肺)+ultra(超)+microscopic(微視的な)+silico(ケイ素の)+volcano(火山の)+coni(塵)+osis(病気)
これらの、短い単語を並べた1つの単語は、どの言語にも、かなりの数存在します。これらを語彙数に入れるかどうかで、語彙数の結果はかなり変わりますよね?
フランス語…
anticonstitutionnellement(アンチ コンスティトゥシオネルモン)/非立憲的に
スペイン語…
Electroencefalografista(エレクトロエンセファログラフィスタ)/脳波記録(検査)技師
ドイツ語…
Donaudampfschiffahrtselektrizitätenhauptbetriebswerkbauunterbeamtengesellschaft(ドナウダンプフシッフファールツエレクトリジテーテンハウプトベトリーブスヴェルクバウウンターベアムテンゲゼルシャフト) /ドナウ汽船電気事業本工場工事部門下級官吏組合
語彙数ランキングにおいて、「どこまで語彙数でカウントするか」という明確なルールの下、比較されたものは存在しません。
辞書から語彙数・単語数ランキングを出すためには、上記の英単語のような長い言葉をどこまで入れるかルールを作り、それぞれの辞書を客観的に分類する必要があります。しかし、それができる人、そのルールが正しく運用されているか判断できる人はいるでしょうか?そんな人がいるとしたら、この世にある約7000もの言語をネイティブレベルで操り比較するスキルが必要です。
日常会話の単語数・語彙力平均は?
「英語ができる」「日本語ができる」「外国語ができる」と自信を持って言えるには、どのくらいの語彙数・語彙力が必要なのでしょうか。知っておきたい単語数の目安・平均を見ておきましょう。
日本語:大人の語彙力の目安・平均
母語の語彙には、意味がわかる理解語彙と、実際使うことができる使用語彙があります。日本語における大人の理解語彙は40,000~50,000語とされており、使用語彙はそれより少ないです。
英語:単語数・語彙数はどのくらい?
語彙数に何を含むかは置いておいて、ギネス記録では、英語の語彙数は約50万語とされているそうです。ただし、一般的には、英語の話し言葉の場合5,000語、書き言葉の場合10,000語を使用しているそうです。
日常会話に必要な単語数・語彙力は?
これも調査メディアによってパーセンテージが割れますが、各国語の90%以上を理解しようとする場合必要な単語数概算は以下の通り。
フランス語…約2,000語
英語…3,000語
ドイツ語…約5,000語
日本語…10,000語
さらに、福岡国際大学紀要掲載データ(2011年)によると、頻出上位語1,000語を覚えた人の、その言語の一般的コミュニケーションの理解率(カバー率)は以下の通り。
フランス語・英語・スペイン語…約80%
中国語・朝鮮語…73%
ロシア語…67%
日本語…60%
フランス語や英語では、頻出単語1000語を覚えれば日常会話の約80%が理解できるとされています。しかし、日本語の場合、同じ1000語を覚えたとしても日常会話の理解度はわずか60%に留まります。80%にするには5,000語覚える必要があるようです。
日本語日常会話の単語数・語彙数は全部で何個?
各国言語比較では客観的観測が難しいですが、日本語の語彙数がどれくらいかは、日本語母語話者ならイメージを付けやすいと思います。
日本語の理解語彙数は、成人で40,000~50,000語。中央大学で行われた日本人大学生の日本語語彙量測定の試みでは、理解語彙の中央値が26,000~30,000語だったことから、大学生ではこのくらいの語彙力が平均的とされました。
辞典の語彙数も見ておきましょう。一般的な国語辞典では、55,000~82,000語が収録されています。また、広辞苑は240,000語、日本国語大辞典には500,000語が収録されています。
日本語の語彙数・単語数が多い理由
日本語はしばしば「語彙数や言葉の数が多い言語」「単語数や表現が多い言葉」と言われます。
ギネスによる英語の語彙数は(収録基準に明確なルールがあるかは不明なものの)約50万語。日本国語大辞典の収録されている単語数も(かなり難解な語を含め)約50万語。この数字を見る限り、日本語が特別とはいえません。
それでも、「日本語は語彙が豊富だ」という見方がされるのはなぜでしょうか。それはズバリ、日本語を母語としない外国人が、日本語の文章をある程度理解できるようになるのに必要な日常会話の語彙量が多いということに他なりません。
先に述べたように、日本語を90%理解するために必要な語彙数は10,000万語。英語の3,000語と比べると、非常に難しく感じます。
参考:日本語は世界で最も難しい言葉?外国人による海外の反応・理由まとめ
さらに、日本語学習者にとっては、敬語表現やオノマトペ、位相語による違いで語彙数が増加しているように感じられるでしょう。
日本語の単語数が多い理由:敬語の存在
日本語には尊敬語や謙譲語があり、一つの動詞に対して複数の待遇表現つまり敬語表現があります。例えば、「食べる」は「召し上がる」や「いただく」といった異なる形になります。このように、状況や相手によって使い分けが必要なため、語彙が多く感じられます。
例えば、「食べる」に対しての敬語は、「食べられる」と「召し上がる」「お食べになる」という3つの形が存在します。
さらに「召し上がって頂きたい」というように、状況による表現方法は無限に存在します。
「〇〇さんが食べます」だけなら、学習者もすぐ覚えられますが、ここに加えて敬語も覚えなければならないのが、日本語のやっかいなところなのでしょう。
日本語の単語数が多いとされる理由:オノマトペ(擬声語・擬態語)の豊富さ
日本語には「ふわふわ」や「ごろごろ」など、感覚を表現するオノマトペが多く存在します。これらも単語数に含めると、語彙数が一気に増える要因となります。「ふわふわ」「ふんわり」「ふかふか」「ふわっ」など、似た音でも日本人ならそれぞれ違うイメージを持ちますよね。この感覚は、日本語を長く使用し、これらのオノマトペに長らく触れているからこそ養われる感覚であり、外国人にはなかなか理解できないものです。
参考:【海外の反応】日本語のオノマトペの数多すぎ!オノマトペの教え方・特徴・一覧
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日本語の単語数が多いとされる理由:社会方言の多様性
日本語は性別や職業、地域によって使われる一人称や二人称が異なることがあります。「私」「僕」「俺」など、同じ意味でも多くのバリエーションが存在するため、学習者にとっては単語数が多く感じられます。これらを社会方言(位相語・役割語)といいます。
社会方言とは、性別や職業、階層など社会的な言葉・話し方の違いをいいます。「男性らしい」「女性らしい」話し方、「お嬢様のような」「博士のような」話し方などです。
参考:漫画アニメの中国人はなぜ「あるある」言う?お嬢様は「ですわ」?
一人称は初期に学ぶ日本語でしょうが、初級者でも「私」以外の「俺」「僕」「あたし」などにすぐ出会うため「日本語の語彙数多すぎ!」とびっくりするようです。
参考:【海外の反応】日本語の一人称多すぎ!なぜ日本語の一人称の数は多い?
日本語語彙力をテスト!単語数カウント
ここまで読まれた人の中には、自分の語彙数・語彙力がどれだけあるのか、疑問に思う人もいるでしょう。以下のページでは、簡単な診断テストで語彙数と語彙力のチェックができます。
単語数は比較できないが日本語の必要語彙数は多い!
「英語は最も語彙数が多い言語だ!」「いやいや、韓国語だ!」「アラビア語だ!」
そんな記事のランキングもご紹介しましたが、完全に客観的な語彙数の比較はできません。が、ギネス登録の英語の単語数と日本国語大辞典を比べると、語彙数に大きな違いはないように思えます。
それでも「日本語の語彙数多い!表現多い!」と感じる日本語学習者は多いもの。というのも、日常会話でもさまざまな言葉が飛び交い、理解するのに必要な語彙数が多いから。
周りにそんなガッカリ顔の外国人はいませんか?もしいたら、ぜひこのデータで励ましてあげてください。
日本語学習者にとって「語彙数の多さ」はプレッシャーとなるかもしれませんが、努力を重ねれば日常会話も楽しめるようになるでしょう。そして、日本語をある程度話せる外国人には、例え日本語が下手だと思っても努力へのリスペクトを持って接したいものですね。私たちが一生懸命、英語や他の外国語を学んだ・学んでいることを認めてもらいたいのと同じように…。
前回記事:「こんにちは/こんにちわ」どちらが正しい?挨拶の語源と由来
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語彙数は派生語をふくめるかどうかで変わってしまいますね。
たとえば英語ならget, got, gotten, gettingをカウントするかどうか?
ラテン系の言葉は1つの動詞が60くらいに変化するけど中にはおなじ形のものもあり、これを別とするか、おなじとするか?
日本語は語幹と活用語尾ということになってるけど屈折語に近い変化とも考えられ、食べない、食べます、食べる、食べれば、食べろ、食べよう、食べた、食べなさい、などをカウントするか?
おなじ意味の言葉がたくさんあるというのも日本語の特徴ですね。
人称代名詞はとくに多い。
もらえますか?もらえませんか?くれますか?くれませんか?くださいますか?くださいませんか?いただけますか?いただけませんか?
それぞれ肯定形と否定形でニュアンスが変わる。
わたしの疑問はそれでも各国の辞書の厚さはだいたいおなじということです
僕は日本語話者ですが、後述の観点について、日本語には語彙が少ないと思います。
それは、意味の広さに関してのことと、日本語の特性に関することの2点についてです。
比較対象は例のごとく英語ですし、私の意見は根拠があまりないので、冗談半分で聞いてください。
動詞を例にとって話しますが……。日本語の動詞は全般的に意味のとれる範囲が広いと思います。
例えば「思う」には、願望、懐かしく思い出す、考える、感想、こうであると信じる、恋する、 片思い、心の中に思い描く、たぶんこうだろうと内容を予想する/推測で判断する、いい結果を期待して何かをする、自分なりに考えて理解する、 ある気持ちを心の中に抱いている、強くそういう気持ちにさせる………のような意味があるそうで、英語に訳すのが面倒なほど多種多様です。
そういう面で、頭の中に何かを浮かべて、それを言語化したいときに発生する語数は少ないんじゃないかと思うわけです。実際は、人によってその語彙が違うと思うんですが……。
それに比べて、英語は比較的シンプルで、日本語だと全て同じ動詞に収まってしまうような動詞がいくつも点在し、大抵それぞれを同じような意味で使うので、意味の範囲が比較的狭いと。ということは、日本語と同じものを言語化するときに発生する語彙数って日本語より多くないですかね?
上記の「~思う」のパターンだと、日本語は「思う」の語彙しかないものが、英語だと wish, remember ~ before, moved, think, feel, believe, love, unrequited love… 長いので省略しますが……。僕が、英語の方が多いんじゃないかなと思う理由1つ目ですね。
逆に英単語を覚えるときに、上記のように日本語訳の意味が14個も出てくるようなことってありますかね?……あっても稀でしょう。
なんといいますか……単語について、真の語彙的意味を与えているのが英語な気がします。ストレートに意味を理解できる感覚です。
反論が聞こえてくる気がします。「語彙の数に差はないんだから」と。
それはある意味人間の本来の能力をさしているような気がします。覚えられる限界量って、多分国が違っても大体同じのような気がしますからね。
……という風に言えるのも理由があって。例えば、私が少し上の行で使った「ストレート」って、本当に日本語ですかね?……いえ、紛れもなく英語、ですね。そう、日本語は古くから漢字やらなんやら”輸入”してきた言語なので、自分たちが持ってない語彙をバンバン取り入れてしまうわけですね。そんなことしてしまえば、理解語彙数が英語と同等のところまで行けるのも納得できる気がしますよ。要は、それがなければ日本語は語彙が偏った言語なわけで、英語禁止しちゃったら日常会話できないよってレベルで英語に依存してるわけで、それはつまり日本語本来の語彙ってのはかなり少ないことの証拠なんですよね。そんなことないのかもしれませんが……。日本語を話すために必要な単語数は1500語程度ともいわれていますし、実際に数を数えずにアプローチするならいい線行ってる気がします。……「アプローチするなら」って同じニュアンスのままで言い換えられませんからね。……辞書を引いてみたところ、「数を数えずにアプローチするなら」を例のごとく究極の日本語であらわすならば、「非加算的手法で」でしょうね。なんというか、わざとわかりづらく表現されている雰囲気ありますよね。やっぱり、日本語の語彙って”偏って”いませんか?僕は生活を送りながらそんなことばかり考えてます。……僕は面倒な人間なので、こだわれることはこだわりたいので、もう1つだけ先ほどのものを日本語で表せる例を出しますね。「数を数えずに言うなら」ですかね。……僕はそんな言い方幼稚だと思います。「思う」と同じで、「いう」の意味が広すぎる気がします。「主張する」という英語をいくつ覚えたかわかりません。もちろん外国の方が日本語を聞いて理解する難しさは理解できますが、少なくとも「いう」とか「思う」を覚えてしまえば、英語の20語に匹敵するレベルの内容が例の一人称とか覚えなくてもかなり多くのことを話せるわけですよ。
まぁだからと言って日本語が簡単かといわれると「全く」そうではないし、そういうことを言いたいわけでも全くないのですが、日本語自体の語彙が多いと言っているのはおそらく「勘違い」じゃないかなと、私からの意見(imo)です。
英語の語彙の方が多いのは一般的に考えても納得できると思います。
そもそもの人口が違うのですから、話される数も違えば、文化の数も違う。そして、異文化との交流の数もかなり差がある。日本は島国で、かつ他の言語とは起源が違い、その上鎖国した時期さえありました。
カタカナの単語に限らず、大抵の熟語は日本人が発明したものではなく。中国から輸入してきたものであって。
和製の単語なんてかなり少ないはずなんですよ。
仮に私の意見が正しくて、語彙が少ないとして。それが悪いだなんて全く思いません。
むしろ、西洋から見れば「新しい言語観」ですよね。ほかの言語を無理なく取り入れられるし、小説の表現は多彩だし。ニュアンスがすべて異なって、敬語なんてものもあって。
結局、これだけ特殊な日本語は、その時点で十分凄いんですから……”語彙数”にこだわらなくても立派な言語だと思いますよ。 (ある意味この部分はさっきまでの私の意見への自省で、こだわっていたのは恐らく私でしょうがね……)
連投すみません。
語彙数というのは、言語において本当に非重要な観点なのかもしれません。
というのも、日本語と英語は言語が違いすぎるんです。
語彙数によって、「絶妙なニュアンスの違い」を表現できるか、ということを比べたいのであれば、それはやはり英語の方が優勢なようです。「happy」と「joyful」、「big」と「large」など、日本語だと、「幸せだ」と「幸福だ」は言い換えただけですが、英語はハッキリとニュアンスが異なるようで、そういう意味でも私たちより「絶妙なニュアンスの違い」を感じながら生きているのだなと実感できます。
単語を比べるのは終わりです。ここからが日本語の勝負所なんです。
というのも、日本語は元来「超抽象的な言語」らしく、文脈によって細かい単語の意味が異なるそうです。コアイメージは同じなのに「思う」に14個も意味があったのはそれが原因ですね。
抽象的ということは、文脈によって、単語の持つニュアンスが変わることを意味し……まぁそれはつまり、語彙が少なくてもニュアンスの違いは表現可能、と。そういうことらしいです。日本語の文脈依存性は一般的に高いとされるらしいので。
aerobat氏の言う、「もらえますか?もらえませんか?くれますか?くれませんか?くださいますか?くださいませんか?いただけますか?いただけませんか?」というのは、「もらう」「くださる」「いただく」が文脈によって変化する様を表していて、ニュアンスが違うのは、単語の意味が具体的ではなく抽象的だから、なんですね。
ちなみに、貰うという意味の動詞が3種類以上あるのには理由があって、日本語の敬語は漸減しがち(敬意が擦り減りがち)なので、すぐ新しい敬語に変えないと、敬語を使う側も使われる側もいい気しないんでしょうね。「させてください」なんか、使われすぎて、比較的新しい表現なのにもう漸減しそうになっているんだとか。(これがないと謙譲語死ぬんですけどね)
まぁそういうところにリソースを割いてる言語なので、一般動詞とか形容詞とか。そういうところの単語数は英語に比べて少ない……というか、「必要ない」んでしょうね。ニュアンスの違いを表現しようと思えば文脈を変えればいいだけですから。