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サンスクリット語(梵語)から日本語になった言葉|サンスクリット語由来のかっこいい単語集

先生
先生
最近運動不足なのでヨガを始めました。ナマステ~
ナマステー。インドの挨拶ですよね。
トラウマウサギ
トラウマウサギ
先生
先生
はい。日本語の「すみません」のように汎用性が高いんですよ。昼夜問わず挨拶に使えて、「さよなら」もナマステ。「ありがとう」として使う人もいますね。

参考:「すみません」は正しい敬語?意味と成り立ちは?

先生
先生
これ、実は「あなたの神聖(な魂)に敬意をはらいます」という意味のサンスクリット語からきた言葉です。
サンスクリット語?
トラウマウサギ
トラウマウサギ
先生
先生
はい。古代インドの言葉ですね。実は、サンスクリット語から日本語になった単語もあるんですよ。
サンスクリット語…だいぶ聞き慣れませんが、本当ですか??
トラウマウサギ
トラウマウサギ
先生
先生
はい。古代インドを起源とする一大勢力が日本に大きな影響をもたらしましたよね。その関係の言葉です。

 

日本人に馴染みの少ないサンスクリット語…と思われがちですが、実は、日本に大きな影響を与えたあるものが深く関わっています。

 

 

かっこいい名言多し!サンスクリット語とは?

さて、日本に大きな影響を与えた古代インドを起源とする「あるもの」とは、何でしょうか。

それは、仏教

仏教用語には、サンスクリット語由来の言葉がたくさんあります。

まずは、サンスクリット語とは何かを詳しく見ていきましょう。

 

サンスクリット語(梵語)とは

サンスクリット語(梵語)は、古代インドで使われていた言葉

現在の母語話者数は少ないものの、インドの22の公用語のひとつとして認知されています。

インドで多くの人が話すヒンズー語の成立に関わった言語です。

また、仏教、ヒンズー教、イスラム教、シーク教、ジャイナ教などの礼拝用言語として、世界中で使用されています。

先生
先生
ちなみにサンスクリット語は、18世紀以降、インド・ヨーロッパ語族に属することが発見されました。
インドの言葉とヨーロッパ諸語は関係が深いんですね!
トラウマウサギ
トラウマウサギ

 

サンスクリット語から日本語への音写とは?

サンスクリット語由来の日本語には、音写されたものが多くあります。

音写とはなんでしょうか。

音写とは、音を当てて自国の言葉に訳すこと

例えば、英語を耳で聞いてカタカナで「アイアム…」と書くのも音写です。

逆に、日本語の音を英語圏の人がローマ字で書けば、それも音写。

先生
先生
サンスクリット語由来の仏教用語が入ってき始めたのは、日本を仏教で治めようという動きがあった奈良・平安時代。
日本の宗教の歴史が、「宗教に関心のない日本人」をつくったんでしたね。
トラウマウサギ
トラウマウサギ

参考:なぜ日本人は無宗教なの?いつから?初詣は神道式?葬儀は仏式?その理由は?

音写は、言語交換の過程で起きることで、特に使用する文字が異なる場合に起きやすいです。

サンスクリット語と日本語では使う文字が異なり、ローマ字が世界で認知されていた時代ではなかったため、多くのサンスクリット語由来の音写された仏教用語が入ってきました。

 

あのヒトラーもサンスクリット語ファン⁉︎

日本で寺を表す地図記号「卍」も、実はサンスクリット語由来。

近年、この地図記号を変えよう!という動きがあったのを覚えておいでですか?

それは、欧米で「卍」といえば、ヒトラーやナチスドイツを連想させるから。

トラウマウサギ
トラウマウサギ
待ってください!ナチ党章の「ハーケンクロイツ」は逆卍でしょう⁉︎
しかし、パッと見、みなさんギョッとするようです。ヨーロッパの真似をしたいというのは開国直後から変わってないようです。建物内の喫煙禁止しかり、サマータイム導入検討しかり。
先生
先生
トラウマウサギ
トラウマウサギ
まじ卍。
しかし、ナチで使用された逆卍も、実はサンスクリット語由来とされます。
先生
先生

もともと「幸福/おめでたいこと」を意味するサンスクリット語「卍」をヒトラーが真似たというのが通説です。

それでも、ヨーロッパで卍の御守りは誤解を受けますし、小さく卍が入った日本製のキャラクターカードがユダヤ団体に訴えられたりしています。
先生
先生
トラウマウサギ
トラウマウサギ
う~ん。起源は仏教で卍なのに…。
大丈夫、お寺の地図記号は結局、サンスクリット語を尊重するという意味で「卍」のままですよ。
先生
先生

 

サンスクリット語(梵語)由来の日本語単語集

サンスクリット語というと、日本人にとって親しみが少ないように感じます。

しかし、サンスクリット語からきた言葉は、実は現代日本語でも使われています。

仏教用語はサンスクリット語由来のものが多いためです。

今の日本語にも存在するサンスクリット語を見ていきましょう!

 

阿吽(あうん)

息が合う様子を「阿吽の呼吸」といいますね。

阿吽は、実はサンスクリット語由来の仏教用語。

サンスクリット語の字の表(日本語でいう五十音表)の最初と最後の文字「a阿」「hūm吽」が語源。

「全てのものと始まりと終わり」であり、「吐く息と吸う息」であることから、気持ちがひとつになる=「阿吽の呼吸」となりました。

先生
先生
ちなみに、阿吽は神社でも会えます。口を開いた狛犬は「阿」閉じたものは「吽」です。

 

アバター

インターネットサービスでユーザーの分身キャラクターである「アバター」は、サンスクリット語由来。

神仏の化身を意味する「अवतार(アヴァターラ)」が語源。

トラウマウサギ
トラウマウサギ
僕のような しがないオタクが「神仏の化身」を使いこなしているなんて…!

 

阿弥陀(あみだ)

大乗仏教の西方極楽浄土の仏のこと。

日本では、浄土宗や浄土真宗の本尊のこと。

先生
先生
それまで修行ができるのは教養のある僧だけでしたが、平安末期「念仏唱えるだけで極楽行けるよ!」とする庶民のための仏教が流行りました。
法然…親鸞…日蓮…名前とセットで覚えさせられた記憶があります。。
トラウマウサギ
トラウマウサギ

これらは、Amitāyus(アミタ)というサンスクリット語由来の言葉。

 

韋駄天(いだてん)

仏教における、軍神・護法神

ヒンドゥー教の神様Skanda(スカンダ)が変化したとされます。

トラウマウサギ
トラウマウサギ
ヒンズー教の神様が仏教に取り入れられているんですか!?
多神教同士ではこういうことが起こりやすいようですね。
先生
先生
トラウマウサギ
トラウマウサギ
日本の神仏習合に似てますね?
はい、その通り。逆に、ユダヤ教/キリスト教・イスラム教など一神教の宗教同士では軋轢が生まれやすいです。
先生
先生

 

億劫(おっくう)

面倒で気が進まないこと

漢語の「億」と「kalpa(コウ)」というサンスクリット語由来の合成語です。

先生
先生
もともとの「長い時間」の意味が転じて、簡単にはいかない面倒事という意味になりました。

 

娑婆(しゃば)

「シャバの空気は美味いぜ。」

囚人(または囚人だった人)が外の世界の指していう「娑婆(しゃば/さば)」。

実は、サンスクリット語由来の仏教用語です。

「sahā(サハー)」が語源。

先生
先生
仏教において、この世(現世)を意味します。

 

達磨(だるま)

ダルマといえば、商売繁盛・開運出世の縁起物の丸い人形。

南インドから中国にわたり、禅宗を伝えたとされる達磨大師を模した玩具です。

先生
先生
「達磨大師はあまりに長い時間修行で座禅を組んでいたため手足が腐ってしまったという言い伝えがある」というと、多くの日本語学習者が震え上がります。

この菩提達磨は、「Boghi-Dharma」というサンスクリット語に由来します。

 

旦那(だんな)

夫の呼称「旦那(だんな)」は、実は仏教用語に由来。

檀那(だんな)から来たもので、「दान(ダーナ)/布施」というサンスクリット語由来です。

寺の檀家(だんか)も、「ダーナ」が語源で、檀家制度が一般化したのは江戸時代とされています。

先生
先生
英語「donor(ドナー)」も同じ起源とされています。
旦那って、「お布施」の意味があったんですね!
トラウマウサギ
トラウマウサギ
先生
先生
夫妻の呼称には面白いものが多いのかもしれませんね。中国語では夫を「老公」、妻を「老婆」という話もありましたね。

参考:中国語でも使われる日本語由来の漢字とは?中国語との語順・発音・面白い意味の違い

 

奈落(ならく)

仏教における地獄、また地獄に落ちること

地獄を意味する「ナラカ」というサンスクリット語由来death。

 

人間(にんげん)

厚切りジェイソンのWHYネタに日本語教師が答えてみた|厚切りジェイソンの人気動画・日本語勉強法とは

こちらでもやりましたが、人間も実はサンスクリット語由来の仏教用語。

世間や人の世を表す「mamsya(マムシャ)」を漢語訳したものです。

トラウマウサギ
トラウマウサギ
「人の間と書いてヒトそのもの」はおかしい…というのも、もともとは人の間=世の中だったからなんですね!
「人間」に人そのものの意味がつくのは、江戸時代になってからです。
先生
先生

 

花(はな)

「フラワー」の花…ではなく、芸能におけるおひねり「花」「花代」はサンスクリット語由来。

これは、「pana(パナ)/銅銭」というサンスクリット語からきた「波那」を京の色街で遊んだ代金の隠語として使用したことが語源。

 

般若(はんにゃ)

現代日本語ではそう使う機会はありませんが、鬼女の面を指して「般若の面」といいますね。

また、それに近しい恐ろしい形相を、「般若のよう」と例えます。

これは、「prakñã/真実を見抜く智慧」の音写でサンスクリット語由来の言葉。

先生
先生
般若面は、般若坊(はんにゃぼう)という面打ちが作ったことに由来するとされています。

 

かっこいいサンスクリット語由来の日本語は仏教用語に残る

いかがでしたか?

サンスクリット語というと、全く耳馴染みのない言葉のように感じますが、実は仏教用語として多く日本語に入っています。

先生
先生
入った時期が早いので、全て漢字の音写で日本語化してるんですよね。ポルトガル語由来・オランダ語由来以上に、意外な外来語があったのではないでしょうか?

参考:オランダ語から日本語になった言葉

ポルトガル語から日本語になった言葉

英語やドイツ国民にまで影響を与えたサンスクリット語は世界に大きな影響を与えた言語のひとつではないでしょうか。

 

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